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白いカムリは、間違いなくいつもの車だった。
車内には、いつも通りパッチワークピップとかいう不気味なヌイグルミが鎮座している。
なによりもナンバーが一致していた。
しかし、GPSは取り除いたのに、なぜここが分かったのだ?
あ! この駐車場って、吉部の勤めている会社のじゃないのか?
看板を見ると、確かに同じ会社だった。
という事は?
周囲を見回すと、監視カメラがいくつもある。
吉部がこの周辺の駐車場を管理しているとしたら……
監視カメラの映像が、会社に送られていて、吉部は会社に居ながらにして僕がここに入った事を確認できるはず。
吉部は監視カメラで確認してここへ停めに来たのか?
そして車を停めて離れた後で殺された?
そうだとすると、この事は警察に知らせた方がいいかな?
ん?
僕の車のワイパーに紙が挟んである。
何か、吉部からのメッセージだろうか?
二つ折りに畳まれて挟んであった紙を、ワイパーから外して広げた。
丁寧な筆致で書かれたその文字は、夜の駐車場でやけに白く浮き上がって見える。
『ごめんなさい。私がついていながら、あなたのコペンを守り切れなかった。でも、もう大丈夫。あなたのコペンを傷つける人は、私がお掃除しておいたから』
え? どういう事だ?
スマホのライトでコペンを照らすと、確かに右側のドアに蹴られたような痕が残っている。
傷ってこれの事か?
『お願いだから、これからもコペンに乗り続けて下さい。あなたがこのコペンを手放してしまったら、私はもうあなたを見つける事が出来なくなってしまいます』
よく分からんが、少なくともこれは吉部が書いたものではないな。
『二ヶ月前に、あの駐車場からコペンの姿が無くなってから私は必死で探しました』
二ヶ月前?
僕が駐車場を変えたのは数日前……いや待てよ。
二ヶ月前と言ったら、僕が先輩からコペンを買った頃。
つまり二ヶ月前に消えたというのは……そういう事か!




