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紅月  作者: 瑞條浩幹
第3章 試行錯誤の思考回路
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出会いと別れ、子供と大人

「いや~…。凄かったな、なんか色々と。」

片付けていた誠介がしみじみと言った。

あの後、邦海が神業を披露して何故かタコがもとの位置に戻ったのだ。

「本当にそれ。しかも旨かったしな。」

「凄いよね。」

手伝っていた俊太と星梨奈も賛同する。

「いや、それ程やし…。あ、俺ちょっと行かなあかんとこあるから先帰るな。」

皿洗いをしていた邦海は最後の容器を棚に戻した。

「いいよ。今日はありがとな。」

邦海はそのまま玄関に向かい、外に出て行った。


 ○


その頃、裕紀佳は一人で如月高校に来ていた。

勿論、犯人の証拠探しである。

峻樹も誘っていたのだが、結局断られてしまったようだ。

「どこって言ってたっけ。あの刑事さんにもう少し聞いておけばよかったな…。」

あの刑事とは、春井のことである。

暫く迷っているようだったが、何か思いついたのか公衆電話の方へと向かっていった。

そして、ポケットの中に入っていた財布を取り出し、その中から10円玉と一枚の名刺を取り出した。

「我ながら天才かもしれない。」

そう呟いて、電話をかけ始める。

しかし、その電話が繋がることはなかった。

「君…誰だい。」

教員の一人が裕紀佳を見つけたからだ。

裕紀佳は慌てて電話を切り、その場から去っていこうとした。しかし、それさえも防がれてしまった。

なす術が無くなった裕紀佳は諦めて、教員へ声をかけた。

「すみません、お姉ち…佐久間さんが亡くなった現場ってどこですか。」

少々動揺していたのか、中々な直球を放っていた。

教員も驚いた顔をしたが、すぐにほほ笑んだ。

「君、佐久間の妹かな。随分と好奇心旺盛なんだね。普通、君ぐらいの年齢の時に姉が殺されてt」

「やっぱり姉ちゃんは殺されたんですよね!」

かなり大きな声だった。

それもそのはず…。

「今日電話来たんですけど、電話じゃ不運の事故だって言われたんです!どういうことですか!?」

それを聞いて呆気にとられた教員…西板は軽くため息をついた。

「そうだったんだね…。成程、調べに来る理由もわかるよ。」

しかし、言葉とは裏腹に西板は裕紀佳を靴箱のほうへと追いやった。

「え、ちょ…。」

「でもこれとそれは別。こういう事は大人に任せて、君は勉強するんだね。」

そのまま押し切った西板は、そのまま勢いよくドアを閉めた。

そして何かを叫んでいる裕紀佳を気にせず奥の方へ去っていった。

大きなため息をついて。


 ○


誠介宅。

その後俊太も帰り、誠介と星梨奈の2人となっていた。

「有間、遅いね。」

ゲームをしていた星梨奈が呟く。

かれこれ、2時間は帰ってきていない。

「だな、色々と置いて行ってるから帰ってくるとは思うんだけど。」

そんなことを喋っていたら急に玄関のドアが開いた。

開けたのは、勿論邦海だった。

「おかえりー。」

帰ってきた邦海はどこか嬉しそうな顔をしていた。

「何かあったのか?」

「ん?まあね。」

そういっている間もずっと左手をさすっていた。

「俺家に帰るな。」

「分かった。また学校でな。」

邦海は置いていた荷物を素早く片付けて、また家から出て行った。

外は雲一つない快晴だ。

「…俺散歩してこようかな。」

「そうだね。天気いいし。」

2人はゲームを片付け、外に出た。

10月にしては肌寒い日だった。

邦海君に何があったのかは…最後に書きます。

微ファンタジーとなります。

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