各々の時間2
その頃
家に帰った誠介は、ソファに座りながらスマホをいじっていた。
すると、玄関の鍵が開く音がした。
「!?」
驚いて駆け寄ると、そこには星梨奈がいた。
「あ、星梨奈か。びっくりした…。」
「え、あ、ごめん。」
「どうした?」
星梨奈は、外着を着ていた。
「私今からファミレスかどっかに行こうかなって思ってるんだけど。」
「俺も行く。今日は料理する気になれねぇ。」
誠介は「中入っといて。」と言って寝室に向かった。星梨奈は少し迷ったが、リビングで待つことにした。
5分後、寝室から出てきた誠介は、近くにあったカバンを持った。
「行くぞ。」
「は~い。」
2人は如月商店街の中にあるファミレスで食べることにした。
「何食う?」
「カルボナーラかな。誠介は?」
「決めてない。」
「行ってから決める?」
「そうする…ん?」
急に立ち止まり、誠介は後ろを振り返った。
「どうしたの?」
「いや…知り合いがすれ違ったような気がして。」
「そなの?」
しかし、周りには星梨奈以外、誠介が知っている人はいなかった。
「…気のせいかな。」
軽く首を傾げながら、誠介はまた歩き出した。
誠介達のアパートから徒歩5分。混んでいたとはいえ、直ぐについた。
中に入った2人は、定員に注文した後、事件について話すことにした。
「何かわかったことある?」
「気になる点なら幾つか…。」
「例えば?」
星梨奈が聞くと、誠介は自分のスマホを取り出し、メモを開いて言った。
「佐久間のバイオリンの、えっと、一番細い弦。何て言うんだっけ。」
「私に聞かないで。」
「うん…その細い弦が切れてた。」
それを聞いた星梨奈は、首を傾げた。
「何か気になるところでも?」
「ほかの弦も含めて、最近変えたみたいなんだよね。」
「ほうほう。」
「それに、無理やり切った感があったし、切れたところに血がついてたのに、断面にはついてなかった。」
「茉莉ちゃんが殺された後に切ったって事?何のために?」
「さあ…よくあるダイイングメッセージってやつじゃないかな。」
「…お待たせいたしました。」
夢中になって話していたら、定員が困ったような顔をして立っていた。
「あ、すいません。」
定員は料理を置くと、足早に去っていった。
「…不審がられたかな。」
「というよりは怖がられたんじゃない?」
「…すみません。」
誠介はもう一度謝った後、一旦話し合いを中断して、食事を済ませることにした。
「この話は帰ってから再開しよう。」
「そだね。」
E線…かな。




