『10』??
「鎖が邪魔をしてうまい事動かせない。」
高木はため息をついた。
「あれま。んじゃ、け破るしかないね。」
そういうと、紗夏衣はドアを思いきり蹴った。
「あー…かない!硬い!足痛い!」
しかし、紗夏衣が蹴った部分はかなりへこんでいた。
「…頑張るか。」
「あ、鎖を切ればいいんじゃないのか?」
暫く見ていた春井は腕組みをしながらつぶやいた。
「「あ。」」
そういうと、紗夏衣は少し離れ、高木はカバンからペンチを取り出して、鎖を切り始めた。
すると、部屋の中から、邦海の声がした。
「…さなさん?何か今めっちゃすごい音したけど。」
◇
誠介がピアノを弾いてると、誰かの話声がかすかに聞こえてきた。
「…誰や?」
「相馬さんかもなぁ。離れたほうがいいよ。」
誠介はピアノを弾きながら言った。
「器用やな。え、なんで離れといたほうがええん?」
「何か…。」
そういうと、誠介は弾くことに集中し始めたのか、何もしゃべらなくなった。
「…ま、えっか。」
その時、ドアの方から何かが思いきりぶつかる音がした。
「え?」
少し近づくと、ドアの一部が膨らんでいた。
「…。」
2発目が来るかと構えていたが、来なかった。
邦海は、ドアの方に行き、向こう側にいるであろう紗夏衣に言った。
「…さなさん?何か今めっちゃすごい音したけど。」
「…殺人だね。」
何だかんだありながらもようやく中に入れた3人は、遺体と化した佐久間を見ていた。
「よくこの中でピアノなんか弾けたね。」
高木は苦笑いをしながら言った。
「何か…結構綺麗だったし。」
「な。はじめはビビったけど。」
「ま、分らなくもないね。遺体にしちゃ、まだ綺麗な方だし。」
そういうと、紗夏衣は佐久間を少し動かした。
「…鑑識来る?」
「ここの校長がストップかけるんだろ?無理だと思う。」
そういいながら、春井はゆっくり頭を横に振った。
「だよなぁ~…一回警視庁に戻って、誰か呼ぶ?」
高木は、佐久間を見ながら言った。
「…あれ。これなんだろ。」
紗夏衣は、そういうと佐久間のすぐそばを指した。
そこには、血で『10』と書かれていた。




