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5月(偶然の再開から)〜海斗side〜
亜美と偶然の再会を果たしてから俺は亜美のことが気になって仕方が無かった。彼女はいま、何をしているのだろう。何に笑っているのだろう。何に泣いているのだろう。俺はあの日からずっとそんなことばかりを考えていた。
「なぁ、海斗。お前さ最近変だけど、何かあった?」友達の拓海が心配そうに尋ねてきた。
「いや・・・べつに。いつも通りだけど?」俺は、極力普段通り答えた。
「絶対何か隠してんだろ?なんだよ話せよ。誰にも言わないからさ。」
普段通りに、答えたつもりが拓海にはバレていたらしい。。仕方が無い。話すべきか。それとも・・・
「あのさ、明後日登山だよな?おれ、女の子ナンパしに行こうかなー!」俺は自分の気持ちに嘘をついた。
「海斗には無理だって」拓海は笑ってそうかえした。無理だよ。だって、亜美以外の女の子には興味無いからな。