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メルヒェン・ヴェルト ~世界に童話を~  作者: 紙木 一覇
第二章

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128/150

第128話 りょうかーい

 ふん、ざまあ。

 そして光が消えた頃に目を開けてみるオレ。

 期待した光景があった。熊男もカマキリ女も目を擦っている。

 他のみんなも続々と瞼を持ち上げ、それぞれ頷いたり笑ってみせたり。

 とは言えこっちの魔力はまだ戻っていないし冷えた体も熱を取り戻していない。

 万全ではない。

 子供たちの銃は非致死性対人レーザーライフル。トドメはさせない。や、子供にやらせる気は元々ないが?

 とにもかくにも両者動けずだ。

 どうする? なんて困っていると結構な距離を開けたところに爆炎が上がった。


「?」

「ああ、グリムたちも動いたようだね」

「準魔法士と戦闘に入ったようだ」


 そうか、爆炎はそう言う事か。

 しかし準魔法士が『ガロウズレーザー』を打てる相手だとしたら……結構な不利じゃなかろうか。


「グリム共は大丈夫なんだろうな?」

「数で押せばなんとか――!」


 ユーリアのカノに対す回答が途切れた。

 仕方あるまい。

 だって『ガロウズフィールド』を発生させるのに使われていた残った四つの塔が爆発したから。

 青白く発光しながら、自爆したのだ。

 しくじった。最早用なしの塔だと思っていたが……蜂人間と同じように最後の手段を持っていたか。

 それを使わせたと言うならユーリアの言葉通りに数で押せていたのだろう。

 だから敵は準魔法士も無力化させてしまうのを承知で自爆させた。

 爆風に飛ばされる瓦礫を避けつつガロウズの影響を避ける、のはまず不可能だろう。

 グリムたちが危険だ。


「良し」


 手を握り込むのはオレ。感覚が完全に戻ってきた。

 魔力も戻っている。

 ならばとっととここを片付ける。


「こっちの視力だって戻って来てんだぜ!」


 力強い音がした。熊男が地面を踏みつけた音だ。

 成程確かに視力を取り戻したようだ。けれども。追撃の『フェイザー』による攻撃が熊男とカマキリ女にぶつけられた。これで攻撃の予兆を感じ再び目を閉じたオレたちを除き連中は――


「もう無駄だ。お前たちの小さな小さなオーラは解した」

「!」


 風切り音を訊(き)き取ったオレは咄嗟に音から距離を取る。取って目を開けてみるとオレのいた場所にはカマキリ女が立っていて。両腕の鎌を地面に突き刺したまま。

 あぶな……。


「目は焼かれる。理解した。

 なればお前たちのオーラを読み取り動くのみ」

「みんな! ワタシたちは良いからグリムたちを援護して!」

「「「りょうかーい。心樋(ことい)と他も気をつけてね~」」」


 他……。

 ぞんざいな扱いに少しだけ力が抜けるが、そんな場合でもないので即・気を引き締める。

 熊男とカマキリ女は動ける。きっと本当に戦闘可能なレベルに動けるのだろう。

 けど二人だ。敵の魔法士は二人。

 戦力はこっちが有利。


「右を見な!」


 猛る熊男。が、見ろと言われて見るバカはいない。

 ゆえに少しだけ反応が遅れた。

 こちらに巨大な火炎が迫っていたと言うのに。

 まずった!

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