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メルヒェン・ヴェルト ~世界に童話を~  作者: 紙木 一覇
第二章

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126/150

第126話 そうか

 グリム二人が落雷による攻撃を開始した。真上から、斜めから。

 これを防ぐ度にビームシールドは小さくなっていき、消滅しては新たなビームシールドを展開する。

 あいつ、あの蜂人間。

 羽を震わせる時に『ガロウズレーザー』が打たれない。

 攻撃と防御が同時に出来ていない。

 ならばその隙に!


「「雷よ(ベーテン)!」」


 二人の魔法起動に、重なる銃声三つ。オレとカノとフォゼによる攻撃が蜂人間に向かい――飛翔体で自身を庇った。砕け落ちる飛翔体三つ。即座に放たれる『ガロウズレーザー』。小盾で防がれる『ガロウズレーザー』。

 いける!

 と思った。


「「雷よ(ベーテン)!」」


 落雷が飛翔体からの『ガロウズレーザー』で消されるまでは。

 銃弾が飛翔体からの『ガロウズレーザー』で威力を失い落とされるまでは。


「なっ!」


 驚愕するクノイスト。


「そうか」


 なにかに気づくユーリア。


「魔法で放たれるモノは魔力込みだ。だから『ガロウズレーザー』で防げるのか!」


 ちょっと待て、んじゃ今までビームシールドで防いでいたのは?

 蜂人間の羽が震え、出現した巨大なビームシールドが石見(がらみ)と心樋(ことい)を切りつけた。


「「っつ!」」


 石見は右手を、心樋は左手を切られて出血。すぐに治癒の魔法で治療に入る。

 シールドじゃないんだ。そうオレたちに思わせて、“ソード”として使用するのが正しい使い方なんだ。

 二人の名を叫びたかった。

 だが出来なかった。

 治療に入った二人のほんの数秒の間をついて無数の『ガロウズレーザー』がオレたちに打たれたから。

 これを防ぐ手は――


「「小盾よ(ベーテン)!」」


 ユーリアとクノイストによる盾の展開は自身はともかくオレたちに向かう全てを防ぐには足りず。

 だから。


「っち!」


 三人揃ってレーザーを体で防ぐ。

 冷たい。なんて冷たいレーザー。

 全身に走る冷気で体の動きが鈍る!


「ふ」


 蜂人間から声が漏れた。笑ったのだ。恐らく己の勝利を確信して。

 放たれる『ガロウズレーザー』。

 オレたちの体勢は不十分。

 いけない、銃に喰らってしまう。


「爆ぜろ(ル)!」


 喰らうと思った。そこに放たれたのは石見の魔法。

 爆発した地面から舞い上がった瓦礫と砂が『ガロウズレーザー』を遮断する!

 石見! まだ治療途中だろうに!

 だが石見が無茶をした。これに応えない手はない。

 瓦礫と砂は蜂人間も巻き込んだはずだ。

 予測し解析しろ。瓦礫と砂の動きから蜂人間の居場所を。

 全ての動きは連鎖している。

 しているが……難しい。

 とそこで銃声が鳴り響いた。

 この音はカノの『ブリンク』か。

 どうして撃った? 蜂人間の居場所が解(わか)ったのか?

 いやきっと違う。

 では、彼女の意図を読むんだ。

 今の音で判明したのは、カノの居場所。

 その証拠に――


「くっそ!」


 カノの少々よろしくない叫び。

 蜂人間からの攻撃を受けたのだろう。

 その際、蜂人間は思わず動いた。カノに向けて巨体の正面を向かせ瓦礫と砂を動かしてしまった。

 だから、居場所がオレにバレるんだ!

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