23話 知ってる
「着いたぞ。くれぐれも怪我だけはしないように、危ないと思ったら『ポイントチェッカー』から緊急信号が出せるから利用するように」
「あ、ありがとうございます。途中施設の説明もして頂いて……」
「構わないさ。私はそういう事も職務の1つだと思っているからな」
ダンジョンの入口に辿り着くと俺は真っ先にお礼を述べた。
親切にしてくれた先輩には悪いけど、そろそろこの緊張感のある空気から抜け出したいって思いが行動に出たのかもしれない。
ただこんな意味深な発言をされたら突っ込まないといけないよね。
「職務ですか?」
「ああ。基本の仕事は行事関係だが、生徒がより快適な学校生活を送り、勉強や探索に精を出せるような環境を整える事も生徒会の務めの1つだと私は思っている。だから感謝こそ有り難いが、私としては当たり前の事をしただけだ」
生徒会……。
入学式のある今日、上級生の姿は見えなかった。
少し考えれば新入生以外は休みになっているという察しがつく。ついた上で姉小路先輩が休みであるにも関わらず登校しているという事、そこから生徒会である可能性も導けたかもしれない。
あんまり考えすぎるのもどうかとは思うけど、さっきの入学式の後のイベントを体験してしまうと、それぐらいの考察はすべきな気もする。
「そうだ、ついでにダンジョンについて説明もしてあげようか?入学試験を除いてダンジョンへの侵入は始めてだろ?」
「そうそう。入学試験の時より色んなの置いてたりするからぁ、あーしとしては説明欲しいかもぉ」
ダンジョンの入口には見た事のない機械が置いてある。
それにその周りに出店みたいなものもあり、みんなその説明を聞きたいのか渚さんに同意して軽く頷いた。
「まずこの学校でポイントを使う際はこの読み取り機にポイントチェッカーでタッチする。ダンジョンの入口にはバーが降りていて、これをしないとバーが上がらない。勝手に通ろうとすると警備室に連絡が行くからそうならないように気を付けるんだ」
改札とか自販機とかのあれと同じ。
この学校広くて大きいだけじゃなくて、設備にもかなり時間がかかっているな。
「こっちの店、今日は開いてないが武器や道具を売ってくれる。支払い方は同じだが武器、それを強化、この辺りはかなり高額になるから使い過ぎに注意だな」
「武器……。俺達も持てるのか」
相沢が武器に反応する。
武器はプロとして認められた、事務所所属の探索者のみに所持が認められ今まで俺達はどうあっても素手で戦うしかなかった。
これもアマチュアでやっていく事が難しいという理由の1つ。
「ああ。校内から外に出さなければ大丈夫だ。それを保存しておくロッカーも明日以降説明してくれるはずだぞ。因みにランク6以上になると外に持ち出す事を許可される。ランクというのは個人の信頼にも繋がるからな」
「ランク6で外のダンジョンでも……ふふふふ、楽しみね」
風間さんは不適に笑う。この人持ち出してヤバいことしないよね?
「ダンジョンの踏破でランクは上がる。1番難易度の低いここなら100階層で踏破。最下層にあるオーブにポイントチェッカーを触れさせると踏破認定されるから頑張ってくれ」
「ひゃ、100階層ですか!?それって一回で……」
「途中にワープポイントを設置出来るけど、それは高額になる。しばらくは1発で踏破する挑戦が続くだろう。まぁ、加護麗華の兄なら話は別かもしれんが……。ざっと説明は以上だ。また縁があったら食事でもしよう。加護綾斗と劣等生クラス諸君」
俺の事知ってたのか。
もしかして生徒会として俺達劣等生クラスには注意の目が向けられているのかも……。
あんまり無茶は出来ないな。
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