表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/27

16話 クラスメイト

「ここか……」

「中、もう他の人達いるみたいだね」


 案内看板を辿って旧校舎に足を踏み入れギシギシと音を立てる廊下を歩くと、気持ちばかり綺麗にされた教室に辿り着いた。

 中からは男の人の声が漏れてるな。


 それまでの旧校舎の様子はまるで廃墟。

 本当に人がいるのかすら疑わしい程だったけど……。


 ガラ。


「あー、これで全員じゃね?」


 教室の扉を開くと既に3人が席についていて、先生が来るのを今か今かと待っていた。


 古めかしい教室だけど広い。でも用意されているのはたった5席で、殺風景に思える。

 左右の1番端の席が空いているのは俺と相沢の席か……。

 隣知り合いじゃないのはキツいな。


「ねぇ2人は名前なんてぇの?あーしは渚茉希よろしくねえ」


 ずっと気だるそうに話し掛けてくるギャル風の金髪女子。

 野宮さんとは違うタイプのコミュニケーション力お化けだ。


「俺は相沢智久、よろしくな」

「えっと、加護綾斗です。よ、よろしくお願いします」

「うん、よろしくぅ」


 渚さんは自己紹介を済ませると直ぐにスマホに目を落とした。

 こんな派手な人が試験の時に居たなら覚えると思うんだけど全然記憶にない……別の日に試験を受けてた人地方組の人かな?


「ついでに私も……。風間陽子って言います。よろしくね」


 おっとりお姉さんといった雰囲気の女性。

 しっかりものの野宮さんとは違うおっとりタイプ。余裕のある大人っぽい雰囲気で……。なんというか制服が弾けそう。


「僕は、金田光。そっちの君は攻撃力1の加護君だよね?僕の隣が君の席、仲良くしようね」


 爽やかイケメンな金田は優雅に俺を席に招いてくれた。顔はあんまり覚えてないけど、俺の名前とか色々知ってるって事は同じ試験日に居たのか。


 取り敢えず相沢と分かれて招かれた席に腰掛ける。

 すると金田は思い出したかの様に風間さんに話し掛け始めた。

 なるほど、軟弱イケメンキャラか。


 ガラ。


「ん、意外と普通に揃っているわね」


 初手から失礼な発言を吐き出したこの人は確か試験官だった……。


「はぁ。私がこのクラスを担当する事になった立花美希です。これから入学式になるけど時間があるから少しだけ話をさせてもらいます」


 ため息を漏らしながら教壇に立った立花先生。

 まだ何もしてないけど、説教とかじゃないよな?


「このクラスは今年から特別に設立されたクラス。劣等生クラス。名前の通り、試験結果が振るわなかった人の集まりです」

「えー、でもあーし達合格したでしょお?」

「そうですが試験の結果、欠落したところがありつつも一部突出した、今後探索者として『可能性』を感じる生徒を手放すのは惜しいという事でこのクラスが誕生しました。ただ例年通りの採点では到底合格出来なかった生徒の集まり、よって劣等生クラスと名付けられたのです 」

「じゃああーし達めっちゃ運良かったんだねえ。ね、風間っち」

「そうみたいねえ」


 まるで友達に接するかのような渚さん。

 その所為か立花先生の顔つきが厳しくなる。渚さんが怒られるかもしれないと思うとこっちまでハラハラする。


「運は確かに良かったと思います。ただあなた達は他の生徒とは違って常に可能性を探られている立場。言い換えれば、学校から見限られるかもしれない存在。自分達が常にほかよりも劣っている、劣等生だと意識し、真面目に上を目指してください。そう、本当に真面目にお願いします。色々具体的な説明に関しては入学式の後な話します。取り敢えずはトイレ等を済ませて入学式の準備をしてください」


 この前の試験で大分ダメージを負ったのか立花先生は心の底から俺達に懇願するのだった。

お読みいただきありがとうございます。

面白いと思っていただけましたらブックマーク・評価を何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ