15話 あれが俺らの?
「綾斗君おはよー!」
「攻撃力1迎えに来たぞ!」
始業式の日。
嬉しい事に俺の家には2人の『多分友達』が迎えに来てくれていて、ドアホンから元気な声を送ってくれた。
相沢と実は合格発表の日に連絡先を交換していて、昨日は渋る野宮さんを説得してグループ通話。
終わりに今日は3人で登校しようと決まったのだ。
「お兄、兄さん。昨日の『ランク』の話だけどてんで駄目なら私の顔に泥を塗る事になりかねない。必死で足掻いて、なんとしてでも目標に達して」
「出来る限り頑張っ――」
「駄目。絶対。達成出来なかったらまた口聞かないから」
「分かった、頑張ってくるよ」
昨晩麗華から聞かされたのは麗華の所属している事務所へ入る条件。
麗華が言うには珍しいスキルを持っているみたいだし、麗華の兄だからいろんな都合も分かりやすいという事でダンジョン学校の成績次第で俺を雇用してくれるらしい。
俺のスキルについて知っているのは麗華が話したからか、それともあの試験を見ていたからか……。
どっちにしろありがたい申し出。
どの事務所にどの人を紹介するかというのは学校と事務所で枠が明確に決まっているらしいけど、俺の場合その枠を競う事が免除出来た。あんまり言うと怨みを買いそうだから外では秘密だ。
その成績については『最上位ランク』を獲得って話しだけど……それ難しいのかな? いや、絶対難しいよな。でもランクに定員は無いだろうから麗華の言う通り3年間足掻けばもしかして――
「その、行ってらっしゃい……」
「……。うん、行ってきます」
照れながら送り出してくれる麗華に俺は微笑むと扉の前で待つ2人の元に急ぐのだった。
◇
「クラス分けを確認したら速やかに教室に移動してくれ!そこ!後ろの人も確認するからかたまるんじゃないっ!」
学校に着くと合格発表の時と同じ掲示板に各クラスと生徒の名前が張り出されていた。
横に立っている先生は体育系の強面で若干苦手な部類だ。
「俺達は右端の劣等生クラス……もうちょっとオブラートにくるんだ書き方無かったのか?」
相沢はクラス分けの記載にぼやきながらもふぅっと息をついた。短期な性格だからこんなのでもちょっとドキドキする。
「私はAクラスね。2人とは別々だけど何かあったら遠慮無く声掛けに来てね!私もたまに顔出しに行くから」
「は、はい。俺も絶対行きます」
「ふふ、じゃあ私はこっち、あっちね」
小走りで去っていった野宮さんは早速同じ方向に進む人に話し掛けている。
とんでもないコミュニケーション能力。ずっと一緒だったのが嘘みたいにかっこいいな。
「俺達も行くか! ってでもあっちって校舎じゃないよな?」
「今まで気にしてなかったけど……神社?」
各クラス事に案内看板が設けられているのだが、俺達のクラスを示す看板は明らかに差している場所がおかしい。
坂の上にある校舎から下る様に視線を下ろすと、その先に廃れた神社の入口みたいな所が忽然と見える。
「あれは鳥居? 遠いからよく見えないけど……」
「あーお前ら劣等生クラスの奴らか。お前らの教室はその先の旧校舎だ。いやぁ劣等生クラスなんて今年からだからどうするのかと思ってたけど……あそこはコレが出るぞぉ。あの鳥居を目印に集まってウヨウヨと……」
体育会系の先生は冗談かどうか分かり辛い顔で脅してくる。
まさかそ、そんなのいるわけないよ。それにこっちには怖いもの知らずで不良擬きの相沢が――
「や、ややややや、やめてくれよ先生、俺駄目なんだよそういうの……」
「あはははははははっ! 冗談だ冗談! さっさと教室に行けよ!劣等生共!」
意外な事実に大笑いの先生。はっきり言います。この人嫌いな人です。
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