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絶体絶命
腕は噛みちぎられ焼かれているので出血は少ない。そのため、とりあえず痛覚を遮断して戦闘の邪魔にしないようにしておく。
「! 来るぞ!」
雷光狼が水の膜に牙を立てて裂こうとしている。
「まだ戦略立てられてないのに・・・・。揺蕩う水、槍となり、敵を穿て、水流操作・槍」
水の膜を収束して槍とする。
瞬きの間の攻撃はあっけなく躱された。
「漂う水、我が周りに、集え、水流操作・玉」
「修羅烈風刃」
周囲に水の玉を呼び出す傍ら、5発の風刃を放つが全て雷速機動で避けられる。
雷速機動がやはり厄介。
当たり前だが風よりも雷の方が速い。
「水よ、珠となり、うち穿け、水珠」
雷に対して有効打を与えられるだろう純粋の弾丸。
その数20。
それすらも躱される。
水煙が収まった瞬間、閃光が迸った。
雷速機動による体当たり。
炸裂の瞬間辺りに雷が降り荒れた。




