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デート?

ヒナはティアラを手に取り、嬉しそうに眺めていた。


窓から差し込む光を受けて、銀色の装飾がきらきらと輝く。


「今日はご機嫌ですね」


ロロが笑う。


「ふふ」


ヒナはティアラを撫でた。


「アルスも意外といいところあるのね」


そして少し考える。


「ねぇ」


「なんですか?」


「アルスってさ。どんな人なの?」


ロロとララは顔を見合わせた。


「勇者様ですよ」


「世界を救った英雄」


「いや、そういう意味じゃなくて」


ヒナはため息をつく。


「操作してる現実の人」


ララは首を振った。


「開発者ってことくらいしか知らないよ」


ロロが腕を組む。


「でもヒナの知り合いじゃないの?」


「AIの君を作るくらいなんだから」


ヒナは首を横に振る。


「ゲームの中でアルスってキャラクターには会ったことないわ」


「そりゃそうだよ」


ララが笑う。


「あれ開発者専用のチートキャラだもん」


ヒナは少しだけ考え込む。


そしてぽつりと呟いた。


「ちょっとだけ」


「彼のこと知りたくなってきたかも…」


ララの目が輝く。


「もしかして、恋!?」


ロロは冷静に言う。


「ただのAIの学習機能だろ」


二人はケラケラ笑った。



現実世界。


タクミはマネージャーへ報告書を提出していた。


「性能評価は順調です」


「そうか」


マネージャーは頷く。


そして何気なく言った。


「一週間後にメーカーが回収に来るからな」


タクミの動きが止まる。


「回収?」


「メンテナンスだよ」


タクミは青ざめた。


あと一週間。


それまでに答えを見つけなければならない。


ヒナはなぜ出て行ったのか。


レンを選んだのか。


その理由を。


「どうやって聞けばいいんだ……」


タクミは小さく呟いた。



その夜。


城の食堂の扉が開いた。


「よう」


アルスだった。


ヒナが振り返る。今日は黄色いドレスを着ていた。頭にはモモンジュのティアラ。


アルスは思わず見惚れる。


「どうかした?」


ヒナが首を傾げた。


「いや、そのドレス。似合ってるな」


ヒナは少し照れたように笑う。


「防具屋でもらったの」


「そうか」


そして今度はヒナがアルスを見る。


「それよりあんた。その宝石なに?」


アルスの両手には大量の宝石が抱えられていた。


「君へのプレゼントだ」


「いらない」


即答だった。


「装備袋いっぱいになるじゃない」


アルスは固まる。


「そうか。そうだな」


ヒナは思わず吹き出す。


なんだか少し面白かった。


「今日は帰りたいって言わないんだな」


アルスが不思議そうに尋ねる。


ヒナは窓の外を見ながら少し考えた。


「なんかね」


「ゲームやってた頃思い出したら」


「この世界ちょっと好きになってきた」


アルスは目を見開く。


「え?」


「現実でもさ」


ヒナは小さく肩をすくめた。


「ゲームに逃げてた時もあったからね」


アルスは黙る。


「ねぇ」


「退屈だから何かクエスト作ってよ」


「クエスト?」


「みんなで楽しくできるやつ」


アルスは困った顔をしたが、しばらく考えてから頷いた。


「分かった、ちょっと準備してくる」


そして次の瞬間、姿を消した。



一時間後。


アルスが戻ってくる。


ララが驚いた。


「早かったですね」


「ああ」


アルスは笑う。


「見えなくしてたクエストを見えるようにしただけだから」


ヒナが立ち上がる。


「どんなクエスト?」


「滝の洞窟」


アルスが答える。


「その奥にある炎の実を探すんだ」


「モンスターは?」


「消しておいた」


アルスは笑う。


「ヒナが嫌がるからな」


ヒナも笑った。


「よし!」


「行こう!」


ロロがクリスタルを掲げる。


四人は光に包まれた。


次の瞬間。


その姿は食堂から消えていた。


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