表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/61

第二十五話:レールガンの咆哮

王都の北側、北部高原に向かう街道沿いにあるロサーナ王国軍の訓練場。


ここがスキーンズが指定したレールガンの射出試験に指定した場所だった。


レールガンはもちろん、ライフルや小銃も持って来ていた。


王宮の馬車を複数出して貰い、武器も人間も運んで貰ったので楽に来れた。


タティスはカイルに小声で聞いた。


「ライフルと小銃はこっちでテスト済ませてんのになんで持ってきたんだ?」


「スキーンズさんが全部を見たいって」


「あの武器マニア、相変わらずだな」


「楽しみにしてくれてるんだよ」


魔力のカートリッジは、ハンターに依頼して魔法使いの民から多めに集めて貰っていた。


魔法使いの民のカートリッジへの魔力封入作業も、開発当初から言えばかなりスムーズになってきていた。


治癒魔法の技術の応用を指摘したノーランにカイルは感心していた。


弾も多めに持って来ている。


スキーンズが満足するまで撃ってもらおう。


馬車が全て訓練場の敷地内に入り、ノーラン武器工房の面々は荷物を降ろし始めた。


訓練場には、第二師団の中から精鋭クラスが集まっていた。


カイルがライフルが入っている木箱を降ろしていると、後ろから手が伸びてきてヒョイっと持ち上げた。


槍部隊のローリーだった。


「カイル、久しぶりだな、王宮以来か」


「ローリーさん、ありがとうございます」


「面白いもん見せて貰うんだ、人夫仕事くらいお安いもんさ」


他の兵士も一斉に手伝ってくれたので、あっという間に荷下ろしは終わった。


レイラも黙って弾丸の入った木箱を運んでくれていた。


まず、ノーランがそれぞれの武器の概要を説明し、弾丸とカートリッジと合わせて皆に見せた。


次に、タティスが実技で、弓部隊用のマトを小銃で狙う。


引き金を絞ると、シュッ!と小さな音がして弾丸がマトの真ん中を撃ち抜いた。


兵士達はおぉ…と一斉に感嘆の声を上げる。


今度はライフルだ。


かなり遠い場所に置かれたマトを狙う。


兵士達は、あんな遠い場所だと当てるのは難しいだろ?と口々に言っていた。


特に弓部隊は、風が吹いていたら狙っても当たらないよ、と言っている。


タティスは慎重に狙い、引き金を絞る。


シュッという音と同時に、マトの真ん中に風穴が空く。


今度は兵士達は沈黙していた。


次元の違う武器だ、と認識し始めた様だ。


最後に、レールガンだ。


これはカイルが実技を行った。


試験艦あすかに搭載したレールガンと比較するとかなり小さなサイズだ。


ロケットランチャーにゴツい台座が付いている、というサイズ感だ。


本家レールガンの射程距離である200kmも必要ないので、ダウンサイジングしてある。


また、複雑なキャパシタも必要無いため、総重量は本家の1/100以下だった。


カイルは、一礼して、宣言した。


「あの、石を切り出している山を狙います」


カイルは、遥か彼方にある石材屋が所有する山を指差した。


距離にして7kmくらい離れている。


スキーンズ師団長が声を上げる。


「あの山まで弾丸を飛ばすのか!?」


カイルはケロっとした顔で答える。


「そうです」


「レールガンのマトとしては近すぎますけどね」


「近すぎる?」


「あの採石場の親方には許可取ってます」


「では、いきますよ」


カイルは、レールガンの照準を採石場に合わせて微調整した。


「ここに自動追尾機能とか欲しいな…」


独り言を言いながらセット完了した。


「撃ちます」


ドシュッ!!!という発射音と同時に、遥か彼方の採石場で土煙が上がった。


約20秒後にドォン!という着弾音が聞こえてきた。


兵士達は、採石場の土煙の段階では何が起こったか理解できていなかった。


しかし、着弾音が地響きとなって伝わってきた瞬間、うぉぉぉぉぉ!!!!と歓声を上げた。


皆、興奮していた。


兵士達の最後列から実験を見学していたレイラはカイルをじっと見つめていた。


その瞳はいつものキツいものではなく、ウルウルしていた。


スキーンズ師団長は唸っていた。


「スキーンズさんも撃ってみますか?」


スキーンズの目は爛々と輝いていた。


カイルに操作方法の説明を受け、照準を合わせる。


スキーンズが発射トリガーを引く。


ドシュッ!!!…………………ドォン!


カイルは、試験艦あすかの射出試験の日を思い出していた。


今日も、あの日の様に飛翔体は安定していた。良かった。











御覧頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

初回投稿から毎日投稿を続けておりますが、最終話まで毎日投稿で走り切るつもりです。

常時、原稿ストックを40本以上キープして公開を続けます。

「エタりません、完結までは。」

最終話までお付き合い頂けましたら幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ