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第二十四話:蘇るレールガン

カイルは、報告業務のため王宮を訪れていた。


魔力を動力源に使う兵器の雛形もだいぶ仕上がってきていた。


珍しく、ノーランからカイルへキャパシタの設計に関してアドバイスもあった。


治癒魔法を使える人の魔力の放出技術を応用してはどうか?と言われた。


確かに、先日のベッツの治癒魔法は揺らぎがほとんど無かった。


素晴らしいヒントになっていた。


大型のレールガン、ライフルタイプ、小銃タイプの3つの図面を元に試作品も作成中だ。


ノーラン武器工房はフル回転していた。


武具の入札会にはなんとか間に合いそうだった。


スキーンズ師団長にザックリとした報告をする予定だったのだが、急な会議が入ったと言われ待たされていた。


ふと、グレースに言われた「ベッツちゃんと仲良くしてあげて」という言葉を思い出していた。


スパイだと分かってはいるが、グレースはそれを逆手に取ると言っていた。


そして、そのポイントは僕だ、と言った。


言葉の真意がわからなかった。


中庭に行ってみた。


やはり、ベッツはそこにいた。


カイルは後ろを振り向いてキョロキョロした。


大丈夫、今日はレイラは居ないようだ。


僕は普通に接しているつもりなのに、ハンナもレイラさんも僕に凄く怒る時がある。


何故なんだろう?


タティスさんは僕が悪いって言うけど、どうしたらいいか分からない。


カイルはついつい「思案顔」になって、空を見つめていた。


「カイルさん、こんにちは」


ベッツがカイルの存在に気付き、近づいてきた。


念の為、カイルは再度、後方確認をした。


「ベッツさん、こんにちは」


「もうカラダは痛くないですか?」


「ああ、あの時手当てしてもらってから全く痛くないですよ、ありがとう」


カイルが礼を言うと、ベッツは恥ずかしそうに頷いた。


「カイルさんは、鍛冶屋さんなんですよね?」


「そうですよ、お父さんの工房を手伝ってるだけだけど」


「凄いなぁ、モノを作れるって、凄い」


「それが仕事ですからね」


「ちゃんと仕事出来るって、凄いことじゃないですか、私は何もできない」


「そんなことないよ、僕の痛みを取ってくれたじゃないか」


「それって、別に凄くない」


「いやあ、凄いよ!」


知らず知らずタメ口で話していることに気付かないカイルとベッツだった。


それから2人はお互いの身の上話を語り合った。


ベッツは、孤児だった。


お父さんも、お母さんも、知らない。


育ての親はいるけど。


孤児の仲間たちといっしょに住んでいた。


読み書きは孤児仲間が教えてくれた。


本を読むのが大好き。


救護室や病室にあった本は全て読んだ。


出来たらこの国の図書館に行きたい。


カイルはベッツとの会話に夢中になっていた。


この子は知的好奇心が旺盛で、ウマが合う感じがした。


建物の2階から、コービンがカイルを呼んだ。


スキーンズの会議が終わった様だ。


名残惜しかったが、カイルはベッツに「またね」と声をかけて、2階に駆け上がって行った。


グレースがその一部始終を見ていた。


「ほら、言ったでしょ?」


小さな声でつぶやいた。


グレースは、駆け上がってきたカイルを何食わぬ顔で師団長室に迎え入れた。


スキーンズはまず詫びた。


「待たせてすまなかった」


「いえ」


「早速だが、状況を教えてくれ」


「魔力をカートリッジ型のキャパシタに封じ込め、動力源にする技術は完成しています」


「超長距離用のレールガン、中距離用のライフル、近接用の小銃の3タイプを試作しています」


「試作品の完成予定は今週末の予定です」


「ライフルと小銃のテストは工房でも可能ですが、レールガンは場所を選びます」


「レールガンのテストだけは、師団長の権限で場所をご提供ください」


ここまで聞いて、スキーンズは髭を撫でていた指を止めた。


「レールガンのテスト場所さえ事前に用意すれば、入札会には間に合う、ということだな?」


「はい、大丈夫です」


「そうか、それならいい」


そう言った後、スキーンズは暫く黙り込んだ。


「ところで」


「あの、難民の少女と話したか」


「はい、何度か」


「どんな印象だ?」


「好奇心旺盛な感じの子、です」


「そうか」


スキーンズは窓の外を見ている。









御覧頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

初回投稿から毎日投稿を続けておりますが、最終話まで毎日投稿で走り切るつもりです。

常時、原稿ストックを40本以上キープして公開を続けます。

「エタりません、完結までは。」

最終話までお付き合い頂けましたら幸いです。


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