第二話 雨の日の下校
今日も今日とて、一人で帰る。
友達がいないわけではない。
私に、一緒に帰ろうと誘う勇気がないだけだ……。
「おにょ? ……あれは……」
バタバタと足音が聞こえてきた。
「おーい!」
私は振り返る。
「パラソル……」
「はい! パラソルです!」
この間会ったばかりの守護者、パラソルが元気よくやって来た。
「なにか用?」
「いえ、用はありません。見かけたので声をかけようかと……えへへ」
「そう」
私は歩き出す。
パラソルも隣に並んで歩く。
「お友達と帰らないのですか?」
「……うん。誘う勇気がないから」
「……お友達の皆さんも、きっと一緒に帰りたいと思っていますよ」
「……そうかな……」
「そうですよ! 自分に自信を持ってください!」
「……ありがと。でも、私は一人の方が気が楽……」
「……」
雨音だけが、しばらく響く。
「私には人間の気持ちはわかりませんが、思うことは自由なのです。『やると決めたら突き進め』と、私が生まれた物の持ち主の人間に言われました。だから、別に一人でもいいと思います。でも、人は力を合わせて強くなります。それを忘れないでください」
「……うん、ありがと。……ねぇ、君が生まれた物の持ち主は、どんな人だったの?」
「はい。子供の時から使っていた傘を改造して、自分の子供にあげる、そんな人でした。その人は小さいとき、爆弾で両親を亡くしました。でも、死ぬ間際、両親に『生きて』と言われ、それを貫いた人です。やると決めたらやる人でした……懐かしいです」
「いい人だね」
「はい!」
爆弾。
おそらく空爆だろう。
不思議な存在たちも参戦したと聞いたことがある。
この子は、たしか2005年生まれだと言っていた。
戦いには参加していないだろう。
「悲しい思いをする人がいなくなればいいのに」
「……はい。そう思います。でも、それは簡単なことではありません。世界中の人が団結しても、それだけでは足りません。でも、少しずつやることが大切です。『塵も積もれば山となる』ということわざがあるように、やることが大事です」
「だね。ねぇ、パラソル、どうする? もう私の家に着くよ」
「え! 行きたいです!」
パラソルは目を輝かせる。
「……うん……わかった。来て」
「はい! 楽しみです」
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次回もお楽しみに




