第三話 雨の子供と私の家
常磐 凪は、傘の守護者『パラソル』を連れて家に帰った。
「ただいま……」
「お邪魔します!」
声が響く。
すると物音がして、声が返ってきた。
「あら、お帰り~。誰か連れてきたの~?」
母の声がした。
キッチンの方から母がやって来る。
「……あらまぁ、ふふっ。また守護者様を連れてきたのね」
私の母、常磐 唯子。
「傘の守護者『パラソル』です! お母様!」
パラソルは少し緊張しながらも、丁寧にお辞儀をする。
母はエプロン姿でオタマを持っていた。
料理を作っていたらしい。
「うん、近くまで来たから、誘ったの」
「あら、珍しい。じゃあ、多めに作らないとね」
「い、いえ! 大丈夫ですよ! 守護者は食べなくても……!」
「食べられないわけじゃないんでしょう? 遠慮しないで」
「あ、はい!」
そう、守護者は食事を必要としないのだ。
「玄関で立ち話もなんだし、上がって♪」
「はい!」
パラソルは長靴を脱ぎ、傘を傘立てに入れて上がる。
私も上がり、リビングへ向かった。
「あの、他の守護者もよく来るのでしょうか?」
「ん~、そうね~。昔はよくお友達と一緒に来てたわよ。最近だと一人だけど、お母さん心配で心配で」
「別にいいでしょ」
少し不機嫌になる。
「うふふ、話しすぎたかしら。まぁ、あなたが幸せなら、お母さんはそれでいいと思うわよ」
母はそう言うと、キッチンへ戻った。
「……」
「いいお母様ですね」
パラソルがそう言う。
「……うん」
少し、嬉しかった。
「いつか、凪ちゃんのお友達にも会いたいです♪」
「そう?」
「はい!」
「うん、いつかね」
しばらくいろいろ話したあと、ご飯を食べた。
「あら、もう行っちゃうの?」
「はい。名残惜しいですが、ご飯ありがとうございました! では!」
「うん、またね」
私は手を振る。
「にひひっ、じゃ!」
パラソルは帰っていった。
「賑やかな子ね」
「うん」
その頃、外では雨が降っている。
パラソルはスキップしながら、るんるん気分で進む。
「ふんふふ~ん♪ 今日は、とっても! いい日です♪」
空から光が差す。
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次回もお楽しみに




