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神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第四部「戦争・決着・そして締め」第八章「豪州合衆国との戦争」

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閑話「戦場の味噌汁」

 1860年、九州南部 前線。


 補給が三日途絶えていた。


 小隊長の村田は、兵士たちの顔を見ていた。十七人。疲れていた。眠れていなかった。腹が減っていた。

 伝令が来た。荷物を持っていた。


「フィリア殿からです」

 木箱だった。開けると、缶が並んでいた。ラベルに「即席味噌汁・乾燥型」とあった。


 村田は缶を一つ手に取った。説明書きを読んだ。お湯を注ぐだけ、とあった。

 火を起こした。水を沸かした。缶を開けた。乾燥した味噌と、小さな豆腐の欠片と、ねぎが入っていた。お湯を注いだ。


 匂いがした。

 十七人が、一斉に顔を上げた。


「……味噌汁だ」と誰かが言った。

 誰も動かなかった。しばらく匂いを嗅いでいた。


 村田が一口飲んだ。

 旨かった。


 母親が作る味噌汁とは違った。でも、同じ何かがあった。

「飲め」と村田は言った。


 十七人が飲んだ。誰も喋らなかった。ただ飲んだ。

 飲み終わった後、一人が言った。

「生きてる気がします」


「生きてるだろ?」と村田は言った。

「……そうですね」


 次の日の朝、小隊は動いた。

 フィリアの帳簿に、その夜こう記録されている。


 前線向け即席味噌汁 第一便発送。

 数量:三千缶。

 価格:戦時特例・無償供与。


備考:佑には後で怒られる。


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