表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第三部「外圧と葛藤・日本が試される」第七章「豪州の台頭・佑の葛藤」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
83/91

閑話「工作船、ドック入り 1780年」

 第三部、工作船内。


 工作船が初めてドックに入ったのは、198年ぶりだった。


 1582年に不時着して以来、工作船は一度も本格的なメンテナンスをしていなかった。各部の消耗が限界に近づいていた。アイリスが「そろそろ限界です」と言い始めて三年が経っていた。

 佑がようやく決断した。


 ドックは工作船自身が作った。海底の岩盤に固定した。二年かかった。

 メンテナンスが始まった初日の夜、六人のエルフが甲板に集まった。


 特に約束していたわけではなかった。自然に集まっていた。

 地球の夜景が見えた。198年前に見た夜景と同じ場所だった。ただ、光の数が違った。都市の光が、198年前より多かった。


 フィリアが言った。

「ここ、変わりましたね」

「変わった」とドワリンが言った。


「下水のせいです」とドワリンがすぐ言った。「都市が清潔になったから人口が増えた。人口が増えたから光が増えた」

「下水だけではありません」とシャリアが言った。「教育です」


「農業です」とモリスが言った。

「鉄道です」とライルが言った。


「発酵です」とフィリアが言った。

 全員が同時に言った。一瞬、沈黙した。


 誰かが笑い始めた。全員が笑った。

 佑は六人を見ていた。


 198年前、全員がここにいた。同じ甲板に立っていた。あの頃はまだ、地球に降りることへの緊張があった。今はなかった。


「佑」とアイリスが言った。

「なんですか?」


「この星、好きになりましたか」

「……最初から嫌いではなかったです」


「それは答えになっていません」

「和食があります」と佑は言った。「嫌いになれません」


 フィリアが笑った。モリスが笑った。全員が笑った。

 地球の夜景が、光り続けていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ