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閑話「信長の面影」
時期:1805年
1805年、信幸が工作船へ来た。
佑は書類を見ていた。
ふと顔を上げる。
信幸が笑っていた。
その瞬間、信長に見えた。
本当に一瞬だけ。
佑は固まる。
「どうしました?」
「いえ……」
少し沈黙。
「信長さんに似てたもので……」
信幸は笑った。
「皆そう言います」
「そうでしょうね」
佑も笑う。
しかし、内心は違った。
百四十年、信長が死んでから。
まだ覚えている、声も、笑い方も、怒り方も。
「会いたかったですか?」
突然だった。
佑は驚く。
「……はい」
「そうですか」
それだけだった。
しかし、信幸はそれ以上聞かなかった。




