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神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第三部「外圧と葛藤・日本が試される」第七章「豪州の台頭・佑の葛藤」

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閑話「信幸とライル」

 時期:1789年


「鉄道を増やしたい」と第九代織田家当主信幸は言った。

「ご予算は?」ライルが聞いた。


「ない」

「却下」


「何とかならないか」

「なりません」


「当代の織田家当主だぞ」

「それと鉄道の予算に何の関係がありますか」


 信幸が少し黙った。「……ライル殿は、権威に屈しないですね」


「鉄道は感情で作るものではありません。輸送需要が先にあって、その需要に応じて路線を設計します。需要なき路線は廃線になるだけです」

「では需要を作れば良い」と信幸は言った。


 ライルは少し止まった。

「……どういう意味ですか」


「今は需要がなくても、この先百年で何が増えるかを予測して、先に作ってしまう。信長公が領地を広げる前に城を作ったように」


 ライルは三秒考えた。時刻表の暗記に使う記憶回路が、別の用途で動き始めた。


「……その考え方は、鉄道計画論として正しいです。採用します」

「では予算の話を」


「別枠です。ロマンと実需の話を混ぜないでください」

 信幸は少し笑った。「ライル殿と話すのは、佑殿と話すより疲れます」


「なぜですか」

「佑殿は最終的に和食で機嫌が直るので」


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