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神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第六章「日本が育ち始める エルフが同僚になる」

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閑話「ドワリン、下水を見て泣く 1730年」

 第二部末、江戸。


 ドワリンが泣いているのを、アイリスが見つけた。

 場所は江戸の下水処理場だった。


 新しい処理場だった。日本人の技師たちが設計して、日本人の職人が作った。ドワリンは設計に関わっていなかった。完成したと聞いて、一人で見に来た。

 アイリスが来た時、ドワリンは処理場の端に立って、処理された水が川に流れ出る場所を見ていた。


 泣いていた。


「ドワリン」

「……アイリスか」


「なぜ泣いているんですか」

「泣いていない」


「泣いています」

 ドワリンが黙った。

「百年前、私が最初に江戸の地下に管を入れた」とドワリンは言った。「夜中に一人でやった。佑に申請を出したら却下されると思ったから、先にやった」


「覚えています」

「あの時、管は全部で二十本だった。私が一人で設計した。私が一人で材料を選んだ。私が一人で工作船の機材を使って施工した」


 ドワリンが処理場を見た。

「今は違う」とドワリンは言った。「私が設計していない。私の材料ではない。私の機材ではない。日本人が全部やった」


「それが嫌なんですか?」とアイリスが聞いた。

「嫌じゃない」とドワリンは言った。「嫌じゃないから、泣いている」


 アイリスは黙った。

 

「綺麗だ」とドワリンは言った。処理された水を見ながら言った。「私が作った時より、綺麗だ」


 川に流れ出る水が、透明だった。


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