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第25話 ポルトガル商人 外側からの視点
【1710年・バチカンへの報告書より】
(マリア・デ・ラ・クルス修道女、長崎滞在中に記録)
……極東の島国・日本において、長耳の存在が確認されて久しい。
現地の者はこれを「エルフ」と呼ぶ。
驚くべきは彼らの行動様式である。
彼らは一切の政治的権力を持たない。
戦わない、統治しない。ただ、売る。
本日、私は長耳の女(フィリアと名乗った)が味噌蔵の前にしゃがみこんで桶の匂いを嗅いでいるのを目撃した。
「何をしているのですか」と問うと、
「菌と話しています」と答えた。
意味が分からない。
しかし翌朝、その蔵の味噌汁を飲んだ時、
私は思わず涙が出た。
あれが神の業でないとすれば、
神の業とは何だろうか。




