表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第六章「日本が育ち始める エルフが同僚になる」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/91

第24話 シャリアの教育 最初の実り

 一七〇〇年代に入った頃、変化が起きていた。

 それはある朝、シャリアが報告に来た形で佑に伝わった。


「大学統合校の今年の卒業生の中に、私が教えたことを越えた学生が出ました」

 佑はペンを止めた。「どういう意味ですか」


「私のカリキュラムを超えた解を、自力で出した学生が二名います」

「……どの分野で」


「農業水利の設計です。モリスが持ち込んだ問題を、私は解けなかった。その学生が解きました」

 佑はシャリアを見た。シャリアの表情は穏やかだった。落ち込んでいるわけではない。むしろ少し明るい。


「嬉しいんですか」

「はい」とシャリアは言った。迷いなく。「これが教育の目的です。私を越える人間を作ること。越えられた意味がようやく分かりました」



 その年、モリスが佑に言った。


「佑、尾張の農民が去年、私より良い肥料の配合を考えました」

「……知っています。記録に出ていました」


「教えたんですか、その人に」

「教えていません」とモリスは言った。「私の農法を見て、自分で考えたそうです」


 佑は少し間を置いた。「それは……」

「良いことです」とモリスは言った。「私がいなくても農業が続く。それが目標でした」



【1703年・記録】

備考:日本人が自分で考え始めた。

 シャリアが越えられた。嬉しそうだった。

 モリスが越えられた。嬉しそうだった。


 エルフが「先生」から「同僚」になりつつある。


 これが良いことだというのは分かる。

 ただし少し、寂しい気もする。


 分からない感情だ。

 帳簿に書く必要はないかもしれない。

 ただ書かないと、忘れそうなので書いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ