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神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第四章「信長との関係の確立 世界地図の説明」

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閑話「寂しがり屋」

 信長と徹夜で酒を飲んだのは、何度目かわからない。

 工作船の一室に、酒と肴だけを並べた。信長はいつも持ち込みの酒にケチをつけた。「雑味がない」「水みたいだ」「人の手が入っていない」。佑は聞き流しながら、結局自分も同じ酒を飲んだ。


 その夜は、信長がよく喋った。

 戦の話、領地の話、家臣の話。佑は相槌を打ちながら聞いていた。信長の話は、いつも面白い。計算と直感と虚勢が入り混じって、聞いているうちにどこまでが本音かわからなくなる。それが面白かった。


 夜が深くなった頃、信長がふと黙った。

 そして、横目で佑を見た。


「お主は、何年生きる」

「わかりません。少なくともあと四百年以上は」


「その間、わしはおらんな」

「はい」


「他の者も」

「はい」


 信長はしばらく酒を飲んでいた。


「お主は寂しがり屋だな」


 佑は、答えに詰まった。

 信長は続けた。


「工作船に来るたびに、お主は必ず食事を出す。必要もないのに話しかけてくる。帳簿の話を始めると、いつまでも切り上げない。全部、お主が話したいからだろう」

「……それは」


「商売の手管とは違う。わしには分かる」


 信長は酒を一口飲んで、ため息をついた。

「難儀な生き物だな。寂しいくせに、等価交換とか言って距離を置く。等価交換で買えないものが欲しいくせに、値段をつけようとする」


 佑は、何も言えなかった。


 信長が、酒を佑の杯に注いだ。注ぎながら言った。

「お主が寂しがり屋なのは、悪いことではない。その方が人間らしい」


「私は人間ではありません」

「うるさい」


 信長は笑った。


「人間かどうかは関係ない。寂しいと思える生き物は、それだけで十分だ」


 その夜、佑は普段より少し多く飲んだ。


 等価交換の外で、何かが少しだけ満たされた気がした。何かとは何か、値段はいくらか、佑にはわからなかった。わからないまま、朝が来た。


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