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第51話 エルフたちの別れ
その夜、エルフたちが全員集まった。
百人が、工作船の食堂に来た。百人全員が来るのは、一五八二年に米を炊いた夜以来だった。
誰も何も言わなかった。
フィリアが何かを持ってきた。味噌汁だった。善右衛門の蔵から続く菌で作った、四百年分の菌の味噌汁だった。
「飲んでください」
「……ありがとうございます」
モリスが野菜を持ってきた。今年の収穫だと言った。北米の土で育てたものだと言った。
ドワリンが何も言わずにお茶を出した。
シャリアが「これまでのことを記録してもいいですか」と言った。
「どうぞ」
「全部書きます。佑が話したことを全部」
「長くなりますよ」
「構いません」
ライルが、久しぶりに鉄道の話をしようとして、全員に止められた。
「……今こそじゃないですか?」
「今じゃないです!」と全員が言った。
ライルは少し黙って、「分かりました」と言った。
アイリスが「次の船の設計、見せていいですか」と言った。
「後で」と佑は言った。
「後で……ですね」
「はい。後で。必ず見ます」
アイリスは頷いた。




