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神の如き宇宙人は何もしない~ただ売るだけ~  作者: 苺一会
第四部「戦争・決着・そして締め」第八章「豪州合衆国との戦争」

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閑話「戦場で焼けた学校」

 1867年、九州 ある村。


 シャリアが村に着いた時、学校はなかった。

 あった場所は分かった。礎石が残っていた。焼けた柱の跡があった。三週間前、砲撃があった夜に燃えたと、村人が言った。


 シャリアは礎石の前に立っていた。

 何も言わなかった。


 村人が言った。

「先生方は無事でした。子供たちも」


「……そうですか」

「本だけが、全部燃えました」


 シャリアはまだ何も言わなかった。

 礎石を見ていた。四つの角の礎石が、等間隔に残っていた。建物の大きさが、礎石だけで分かった。小さな建物だった。


 村人がもう一言言った。

「子供たちは今、納屋で授業をしています。先生が、燃えなかった本を一冊持ち出せたそうで。それを皆で回し読みして」


 シャリアが村人を見た。


「授業を、続けているんですか?」

「ええ」と村人は言った。「先生が『建物が燃えても授業は続ける』と言ったそうで」


 シャリアは礎石に戻った。

 長い間、立っていた。


 日が暮れた。

 シャリアはまだ立っていた。


 翌朝、シャリアは工作船に戻った。

 何も言わなかった。


 ただ、その日から一週間、シャリアは一人で本を作り続けた。教科書だった。手書きで、百冊分。


 一週間後、村に届けた。

 村の先生が受け取った。


「ありがとうございます」

「礼はいりません」とシャリアは言った。「ただ一つだけ」


「なんですか」

「続けてください」


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