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第94話 話題の三人でコラボ配信


 夏休みも終盤に差し掛かり、俺は今宿題にラストスパートをかけていた。


 残り一週間もない夏休み。今日で宿題を終らせるつもりで朝から適宜休憩を挟みつつ残り1ページというところまで来た。


 その1ページもどんどんと答えを写しながら解き終えると「だはぁぁ……」と声を漏らしながら椅子に背中を預ける。


 やっと終わった……。


 背伸びをして身体をほぐすと背もたれにもたれかかり、ぽけーと壁を見つめる。


 そういえば、冬のマラソン大会に向けて筋トレとかランニングしようと思ってたけど結局筋トレは1日やってきつくて終わったし、ランニングに関しては外に出るのが億劫でやらなかったな。


 いやでもまぁ夏だから外は地獄の様に暑いし、こんな時に運動する方が危ないよね、うん。


 自分で自分を納得させ、暑いのが収まってきたら頑張ればいいんだと言い聞かせる。


 さて、今日は久しぶりにタケさんとあきななと俺で一緒にコラボ配信をする日だ。


 カスタムが終わってからまた三人で二次会的なものをして遊ぼうと言っていたのだが、タケさんの予定が中々合わず遅くなってしまった。


 少し前にツニッターで告知をすると多くの楽しみという反応が寄せられ期待されていた。


 何を期待されているのか想像はつく。取り敢えず俺はあきななとイチャイチャすればいいんだろう……でもあからさまなのはキモイし見てる方も引くだろうからそのバランスが地味に難しいんだよな。


 まぁあきななと二人で配信している時もリスナーの反応はいいから、別にいつも通りでいいか。





「お疲れ様でーす」


『ラギくんお疲れ~』


『ラギくんお疲れ、久しぶりだねー!!』


 通話に入ると一番に挨拶をしてくるのはあきなな。そして次にタケさんが返してくれた。


「お久しぶりです」


『それにしても二人共カスタムの後の反響やばいね? 滅茶苦茶フォロワー増えてない?』


「いやぁ、そうなんですよね。一周回って怖いくらいです」


『カスタムの効果やばすぎです!』


 普通のカスタムならこうはならなかった。登録者が60万もいる青海翔琉さんのカスタムだったからこうなった。勿論他にも一緒に出たのがタケさんだったから、そしてあきななと俺の掛け合いにプラスしてタケさんの奇行っぷり。最終試合で元プロのジンさんに1vs1で勝ってチャンピオンを取った事など色々な奇跡が重なった結果だ。


『まぁこういうやり取りもリスナーみたいと思うから配信つけてから色々やろっか』


『はーい』


「おけです」


 タケさんの言う通りそれぞれ配信を付けると簡単な自己紹介と今日やっていくことを来てくれたリスナーに告げる。


 この三人でやるのは久しぶりという事もあり、今日やるゲームはエーテックス。


 変わり映えはしないが、これが安定だろう。ヴァルはラウンドが始まる数秒前とかまでしか話せないけど、エテなら物資集めのタイミングとか安置移動中とか雑談できる時間が多いのだ。


 早速タケさんから招待を貰い、マッチング待機中になる。


『いやぁ最近忙しくてさ、中々二人と出来なかったんだけどようやくだよ』


「そうですね。お疲れ様です」


『大変ですね~』


『あれ? カスタムで少しは打ち解けたと思ってたのに何か距離感前と変わんなくない?』


「いやまぁ……時間も空いちゃってるし……ね?」


『うん……』


 カスタムである程度仲良くなったとはいえ、期間が空いてしまいどういう風に接していたか忘れてしまった。


『えぇぇぇ、まさかの関係値リセット!? 二人は仲深まった気がするんだけど!?』


「そりゃあ――」


『――結構ずっと一緒に配信してたからね~?』


 俺の言葉を引き継いであきなながタケさんをからかうように笑う。


【タケ、蚊帳の外】

【どんまい】

【息ピッタリで草】


「正直まだタケさんには敬う気持ちの方がデカいのであんまり舐めた口きけないんですよね」


『え、俺カスタムの二試合目でド戦犯プレイしてたのに?』


「あぁそうだった。じゃあいっか」


『じゃあいっか!?』


 そんなプレイをした俺を敬うの? と言われてるようだったので俺はお望み通りの反応をした。


『あはは! 私達を置いて自分だけ先に逃げた奴ね?』


 あきななは『それに』と付け加えてチーム名の件とか提出物の期限ギリギリになって俺達に言ってきた事について指摘した。


『その節は本当にすみませんでした』


 ワイプも合わせて深々と頭を下げるタケさんをサブモニターで見て笑顔になる。


「これからタケって呼ぼうかな」


『私も』


『え、全然ありあり! 寧ろ呼んで!?』


 冗談で言ったつもりだったのに食い気味に歓迎された。


「いやでも年上だしな……」


 濁しながらさり気なく断ろうとするがタケさんは言葉を続ける。


『俺そういうの気にしないから呼び捨てため口で来てよ! 俺もラギって呼ぶから!』


「わ、わかりまし……分かった」


『あきななちゃんもね! あ、あきななって呼んでもいい?』


『えぇ……?』


『微妙な反応止めて?』


『あはは! いいよっ!』


【こういうやり取りってカスタム前にするもんじゃないんか?】

【距離縮めるの下手過ぎかよ】

【タケさぁ……?】


 本人が良いって言うなら遠慮なくそうさせて貰おう。




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