第14話 バズ後の配信(七月明奈視点)
〇〇七月明奈視点〇〇
配信を始める前、私が緊張してるのが分かったのかラギくんは『いつも通りで大丈夫』と声を掛けてくれた。
その言葉を脳内で何回も繰り返して自分を落ち着かせる。
そしていざ配信を始めてみると意外となんとかなった。ラギくんが空気を柔らかくしてくれたのもある。ほんとに今日ラギくんと一緒に配信することにしてよかった。もし一人だったらまともに話せなかったかもしれないし。
その後ランク詐欺だとコメントで言われ少しむっとしてしまった私は、コメントそっちのけでゲームに集中してプレイをしてしまった。それは反省しないといけない。
それに私の分も頑張って配信を回してくれてたラギくんに対して怒っちゃったのも反省。
でもなんかシュンってなってたのが少し可愛くて面白かったな。
さっきから思ってたけど、可愛いbotいない? まぁコメントしてくれないよりもコメントしてくれる方が嬉しいからいいけど、それに可愛いって言ってくるのは純粋に嬉しい。
『んじゃ、明日も学校あるから俺はこの辺で終わろうかな。あきななはどうする?』
「私は最後のとんでもないプレイを払拭するためにあと一戦してから終わる!」
『おっけー、じゃ先に落ちるね。今日も楽しかった。あきななのリスナーさんもありがとね。それじゃ、おやすみ』
「はーい、おやすみー!」
配信を終わるために通話を抜けたラギくんを確認してから私はランクのモードに切り替えてスタートボタンを押す。
「よっしゃぁ、やるぞー! 絶対負けない!」
『アタッカーの勝利』
「…………」
画面には自分のチームが負けたことを知らせる「lose」の文字がでかでかと表示され、無情なアナウンスが耳を通り抜けていく。
「なぁぁぁぁ!! 負けたぁぁ! まじか、私結構頑張ったんだけどな!?」
すると画面が切り替わりランクがゴールドからシルバーに降格したことを知らせてきた。
「あ、シルバー落ちちゃった……えー! そんなことある?! 私もさっきラギくんと一緒に配信終わっとけばよかったぁぁあぁ!」
自分の行動に後悔して嘆きながらコメント欄をチラ見すると励ましのコメントが沢山来ていた。
【惜しかった】
【どんまい】
【あ、ランク落ちてるwww】
【でもまぁやっぱゴールドの実力は全然あるな】
【試合に負けて勝負には勝ったな】
そうだ、本来の目的はゴールドの実力はあるとリスナーさんに認めてもらう事だった。
「でしょ?! 私、ゴールドの実力はあるでしょ!?」
【まぁギリ?w】
【ゴールドってこんな感じか】
【あると思うよ】
【ギリかなw】
「なんだよギリってぇ! くそー! もっと頑張ろ」
時間を確認するともう1時30分を回ろうとしていた。最近また夜更しする日が増えてきたから直さないとなと思い、今日は配信を終えることに。
「それじゃ私も明日学校あるからそろそろ終わるね。あ、皆ラギくんはツニッチで配信してるからフォローしてね。ニューチューブもクリップとかshots投稿してるからそっちも是非是非! 多分これからも一緒に配信すること多いと思うからさ!」
【おけ】
【おつかれさまー】
【可愛かったおやすみ】
【おやすみー】
「んじゃ、また次の配信も来てね! おやすみ!」
映るわけでもないのに私は画面に向かい手を振り配信を切った。
「ふぅぅぅ」
ラギくんがいなくなってからもちゃんといつも通り配信出来たことで少し自信がついた。リスナーさんも変なアンチとかいなかったし、楽しく配信出来てよかった。
ちょっとゲームに集中したらコメント読めなくなっててラギくんに迷惑かけちゃったな。これからちゃんとゲームしながらコメントもしっかり読んで、リスナーさんとのコミュニケーションも大事にしていかないとね!
改善するべきことを認識した私は改めてこれから見てくれている人に笑顔を届けられるように頑張ろうと胸の中で宣言した。




