第122話 ガチ恋量産ゆるふわ天然人たらしお姉さん系配信者と修羅場?
『ラギく~ん、久しぶり~』
「久しぶりです日和さん」
今日はまた久しぶりにゆるふわ系の年上お姉さんの配信者、日和さんとエテをやる。
カスタム前に歌い手のレイさんと三人でやった時以来だ。
あの後はカスタムもあったし、最近はクラスマッチに向けて体力を付けたりしてたから配信頻度自体落ちていた。
『なんかラギくんとやる時っていっつも久しぶりだよね~』
ふわふわとした声でまったりした気持ちにさせられながら同意する。
「そうですね。一回やったらその後一緒にやるまで結構時間空きますよね」
『ね~。私はずっとエテやってるけどラギくんは浮気性だからな~』
「言い方よ」
【天使様だ】
【誰この女神は】
【え!? 浮気!?】
なんかこのコメント欄前も見た気がするぞ。
『それにしてもラギくん凄いバズってたよね~』
「そうなんですよね、ありがたい事に。まぁ俺だけの力じゃないんですけど。でも伸びすぎてちょっと怖いです」
【確かに伸びすぎではある】
【まぁ急に伸びると怖いよな普通】
【俺達は味方だぜ】
【最近リアル充実してるらしいから俺はアンチに反転しそう】
アンチになったら術式使って反転させるしかないか。
『それよりも~お姉さんは思うのです』
日和さんは少し膨れながら苦言を呈する。
『あきななちゃんとはあんな風に砕けた感じでイチャイチャしてるのに、私にはしてくれないの?』
少し甘えたような声色でそんな事を言われて、思わず心臓が高鳴る。
「え?」
俺とイチャイチャしたいってこと……?
【は?】
【ん?】
【よし、ラギ殺す】
【浮気、死刑】
『敬語やめてくれないの? ってこと』
「あ、あぁそういう……なるほど」
【ラギ勘違い乙】
【どんまいw】
【死刑から無期懲役に変更で許す】
いやお前らも勘違いしてただろっていうのと、なんで俺は有罪判決を受けているんだろうか。
というかそうだった。忘れていたが、この日和さんは天然人たらしで有名なんだった。
その思わせぶりな発言で今までどれだけのガチ恋勢を作ってきたのか、想像に難しくない。
「ため口でもいいんですか?」
『うん、寧ろ大歓迎だよ~。なんなら私達もイチャイチャしちゃう?』
「へ?」
『んふふ、冗談だよ~』
あぁぁあぁぁもう、本当にこの人は……。
【ひよりんと結婚する方法】
【わいもひよりんとイチャイチャしたい】
【日和様を汚すな!】
【ペットとして飼われたい。踏みつけられたい、躾けられたい】
【激しく同意】
【日和様……】
日和さんの事を知らなかったリスナー達が次々と虜になって行く。
一部信者みたいなやつらと飼われたいどちゃくそドMな人がいるんだけど、やばいな日和さん。
お姉さんという包容力に加え、このからかってくる茶目っ気。好きにならない方が無理というものか。
俺も活動者してなかったら絶対ガチ恋勢になっていただろう。
そしてこんなに魅力的なのにそんなに登録者とかフォロワーがいないのが不思議でたまらない。
まだ世間に見つかっていないだけで、時間の問題だとは思うけど。
「分かった、タメ口頑張る」
『ふふ、ぎこちないの可愛いね~』
「日和さ~ん? 俺がリスナーに殺されるんで」
『あははは、いい子の皆はそんな事しないよね?』
【はい!】
【しません!!!!】
【もちろん!】
こいつら従順過ぎだろ。もし日和さんが私の為に死んでとか言っても喜んで死にそうだな。
俺は死にたくはないけど全財産くらいなら上げちゃうかもしれない。
あきなな:【ラギくん鼻の下伸ばしててキモイ】
『あー! あきななちゃんだ~!』
いつから見ていたのか、コメント欄に現れ俺の事を罵倒してくるあきなな。
初っ端のコメントがそれかよというツッコミは置いといて。
「うるさい、そりゃこんな魅力的なお姉さんに鼻の下伸ばさない方が失礼だろ」
『えへへ、そうかな。ありがと~』
【嫁登場】
【失礼www】
【こいつは何を言ってんのう】
【開き直りやがったw】
あきなな:【ラギくん? 後でお話があります】
「えぇ……明日でいい?」
【あーーーー!】
【お?お?お?】
【これは……】
『わ~修羅場だ修羅場~』
呑気な事を言っているが日和さん、あなたも渦中の一人ですよ。というかあなたが発端なんですけど。
あきなな:【ダメです。今日、配信の後で待ってるからね】
「え、めっちゃ怖いんだけど。みんな……助けて」
【自業自得】
【俺もお話あるって言われたい】
【↑お前は警察に言われとけ】
【骨は拾ってやる】
【無理だな】
【どんまい】
【浮気するから】
「いや何回も言うけど、付き合ってないからね!?」
『あれ? そうなのー? 付き合ってるのかと思ってたぁ』
「え? 付き合ってない付き合ってない。なんかそういう設定みたいなやつです」
『はへーそうなんだ?』
【設定言うな】
【設定www】
【うそつけ】
【本当は……?】
【ひよりんってさ――】
え、待ってこの人俺とあきななが付き合ってると思っておきながら俺にあんな勘違いしそうになる事言ったの?
あぁあれだ。この人絶対――
――彼氏の友達にいて欲しくない女だ。
――【彼氏の友達にいて欲しくない女じゃない?w】
奇しくもコメントと同時に同じことを思ったようだ。
【ひよりんの場合天然だから余計に質が悪くないか?】
【確かに】
確かに、意図的ならどうにか距離を置くとか対策出来るが、本人に自覚が無いとただ傷つけてしまうだけになるし……。
やっぱり俺に恋愛はよく分からん。だって騙されてる事に気付きもせず告白して翌日に振られた馬鹿な男だぞ。難し過ぎる、止めだ止め。
思考をストップさせると水を一口飲み、頭を切り替える。
「さて、エテやりますかね」
『やろ~やろ~!』
【切り替えはや】
【こいつらの頭どうなっとるんwww】
【そういう所もひよりん可愛い】
なんか完全にひよりん信者になってしまったリスナーがちらほらいるな。
『あ、あきななちゃんも一緒にやるー?』
あきなな:【えー!やりたいー!けどちょっと今日は体調悪くて……また誘ってください!ていうか誘いますね!】
『そうなんだ!? それはゆっくり休んで~? お大事にねー。お誘い待ってま~すっ』
おぉ、体調悪いならこの後の呼び出しはきっと無いな。その場のノリてきなやつだ。
本当に話があるわけじゃなくて安心した。
「お大事にー」
あきなな:【ラギくん気持ち籠ってないから1000万の罰金で】
「なんでだよ」
『ふふふ、ラギくん払えなかったらあきななちゃんの下僕になるしかないんじゃな~い?』
「絶対やだ」
下僕になったら滅茶苦茶色んな事頼まれそうで嫌だ。例えば……そうだな。特に思いつかないけど。
【代わりにワイが下僕になりまぁーすっ!!】
【あきななちゃんの下僕……ぐふふ……】
【俺はひよりんの下僕になりたい】
「俺の身代わりになってくれる人がこんなにも……優しいなぁ……」
あきなな:【いやただの変態でしょ!!】




