第120話 美味しいと言って貰える嬉しさ
流石に20分ちょいじゃ宿題は終わらなかったがかなり進める事が出来た。
因みに小野さんには休んどけと言ったのに、言う事を全く聞かず一緒に宿題した。
保健室でいっぱい寝たから寝れないーとかなんとかほざいてた。横になるだけでもいいのに。
ご飯が炊けたのでケチャップライスを作り、それぞれ先に皿に盛り付け。
「もう直ぐ出来るから片付けてねー」
リビングで宿題をしている皆に声を掛けると「はーい」と返事が返ってきたので、皆が片付けている間に卵を焼き始める。
一足先に片付け終わったのか、小野さんがひょこっとフライパンを覗き込んできた。
「卵結構使っちゃうけど大丈夫……?」
「あぁ全然大丈夫だよ! 元々明日買い物行く予定だったし!」
「そうなんだ、よかった」
小野さん明日も体調悪い場合のこと考えてるのか?
まぁ今微熱でこの元気さなら大丈夫だとは思うが。
「あ、これ親御さんの分も作っとくべきだった?」
「あぁ作らなくていいよ大丈夫。お母さんたちは自分で何か作ったり買ってきたりして食べてって連絡しといたから!」
既に連絡済みとはなんと有能。小野さん面倒見いいから保育園の先生とか向いてそうだ。
いやチビ達の面倒でもう懲り懲りとか言いそうな気もするな。
「いつもはうちが作って余り物を冷蔵庫に入れとくんだけど、たまに量間違えて残らなかった時とか、チビ達が思ったより食べた時とかはそうしてもらってるんだよね」
「そうなんだ」
小野さんどんな料理作るんだろうと思いながら、早く出来上がるように卵をひっくり返し反対側も焼く。
仕事から帰って来たら娘の手料理が置いてあるって幸せだろうな。
レンジでチンして待ってる間、娘の料理してる姿を思い浮かべて微笑んだりするんだろうか。
それで仕事で嫌な事があっても……みたいな。
めっちゃ幸せな家庭してるな。
俺ももっと家の事手伝お……お風呂掃除とか。ゴミ出しとか……うん、そこら辺から始めよう。最初のハードルが高いと続かないからな。決して楽そうだからとかそういう理由じゃないぞ。
「よし、このくらいでいいかな。一個目出来たよ」
卵をケチャップライスの上に乗せ、オムライスが完成すると小野さんが「おー!」と拍手する。
「ふわふわトロトロのオムライスなんて作れないからそこはご勘弁」
「あはは、あれは難しいよねぇ」
続けざまに卵を焼き始めるとその間にテーブルを拭いたり、食器類を三人で運んでくれた。
えー雪ちゃんお手伝いしててえら~い! 楓くんも偉いなぁ。
俺とは大違いだ。
そうこうしている内に、全員分のオムライスを作り終えた俺もテーブルにつく。
はぁ、四人分作るのこんなに大変なんだな……。
「先に食べててよかったのに」
「一緒に食べたいじゃん!」
「そっか、ありがとね」
お、なんか雪ちゃんがケチャップで絵を描いてる。
「できたー!」
猫かな可愛い。
小野さんが手を合わせると、それに続き雪ちゃんと楓くんも合わせる。
俺も手を合わせ――
「「「「いただきます」」」」
なんか新鮮でいいな。小、中の給食の時間を思い出した。
「おいひぃっ!」
「ん、美味しい!」
雪ちゃんが口に詰め込みながらニコニコとする傍ら、小野さんは目をキラキラさせサムズアップして感想を伝えてきた。
口にあってよかった……。
隣の楓くんは黙々と食べ進めて、何も言わないのであんまりだったかなと心配になり顔を覗き込む。
「楓くんはどう?」
頷きと共に微笑みを浮かべる楓くん。
「ん? 美味しいです」
「そっか、よかった」
全員の感想も聞けたので俺もオムライスに手をつける。
……うん、可もなく不可もなく。無難な味だが失敗しなくてよかった。
こんな味でも作ったものを美味しいって言って貰える事がこんなに嬉しいものだとは思わなかった。
てか、オムライスってスープ欲しくなるんだよな。
コンソメスープとか合うんだけど、流石に人さまの家で色々漁って作るのは気が引けた。
即席のお湯を入れるだけで出来るやつとかあったらよかったんだけど。というか家では結構それに頼っている。
因みに俺は某航空会社のコンソメスープが美味し過ぎて他のが飲めなくなるくらいに好きだ。オニオンはちょっと苦手だったりする。でも某ファミレスのオニオンコンソメは大丈夫なんだよな。不思議。
あ、ニューチューブで料理の動画上げたりするのどうだろう。ツニッターに飯テロ画像アップしたらいつもよりいいねつくんだよな。
だからニューチューブでも意外と再生されるかも……?
今度やってみようかなと思うものの、思うだけで実行しないのが俺である。
それからオムライスを食べながらみんなでそれぞれの学校での事や、小野家で夏休みしたこととかを話したのだが、おじいちゃん家に行って流しそうめんをした話が個人的に興味深かった。
どうやら竹を使って本格的な流しそうめんをしたらしい。
俺流しそうめんしたこと無いから凄いしてみたい。




