↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺配信者の俺がクラスの一軍女子に身バレしてコラボした結果【てぇてぇ】と言われてバズったし、学校での距離も近くなった  作者: 絶対人生負け組


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/132

第111話 柄にも無い事はするもんじゃない


 視界が揺れると同時に白くチラつく。


 膝に衝撃が走ったかと思うと視界に迫る床。


 俺は思わず目を瞑り、反射的に手を出したが、手が床につくと同時に顔に鈍い痛みが広がった。


「ぅ゛ッ!」


 肺が潰され、息が漏れ出ると脳が思い出したかのように酸素を求める。


「っっっっはぁ゛ぜぇはぁぁぁあ゛」


 激しく息を吸ったり吐いたりしながら、高速に脳に酸素を行き渡らせる。


 暫くその場から動くことすら、立ち上がることすらできずに体育館の床の一点を見つめながらただただ呼吸だけに集中していた。


 自分の身に何が起きたのか分からなかったが、周囲が騒がしくなり、人が集まり始めた事で俺はようやく倒れたんだと理解した。


 ドクドクと身体中を血が駆け巡るのが分かる。


 徐々に色々な感覚が戻ってきて、身体が物凄い熱を帯びている事を自覚した瞬間、ぶわっと吹き出すような感覚の後、滝のように汗が流れ出る。


 周りが騒がしい。


 ザワザワとした雑音が耳に再び入り始めた。


「「「大丈夫!?」」」


 数人が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。


 その中には七月さんと小野さんの姿もあった。


 その声で俺はハッとして、心配させないように手を床に付け、急いで身体を起き上がらせようとするが思うように力が入らない。それに汗のせいでぬるぬる滑る。


 気が付けば俺は囲まれていて、自分の髪の毛も服も汗でびっちょびちょ。


 まるでお風呂にでも入ったかのようだった。毛穴という毛穴から汗が流れ出ている。


 これが全部自分の汗なのかと信じられないくらいに。


 そんな汗でびしょびしょな俺でもお構いなしに、七月さんと小野さんが俺の腕に首を回し起き上がらせようとする。


「あっつ!?」


「柊くん大丈夫!?」


 上半身が起き上がり、足を地に付けて踏ん張ろうとしてよろめく。


「だい……じょ……ぶ」


 自分でも言ってて呆れるくらい、全然大丈夫じゃなさそうなか細い声に片方の口元を歪める。


「んしょ」

「おっとっと」


 二人の支えでなんとか立つことができ、取り敢えずコートから出る。


 未だに熱を持った身体。


「大丈夫か!? 保健室から冷やすもの持ってくるからな!」


 かけつけた先生はそう言い残すと保健室にダッシュで向かったようだ。


 支えられながら座り、上半身だけ起こさせてもらいながら差し出された水を飲む。


 呼吸も少し整ってきたので勢いよく水を流し込むと直ぐになくなってしまった。


「はい、これも上げる。ゆっくり飲んでね」


「うちのも飲んで!」


「……ありがと」


 七月さんと小野さんから飲みかけの水を受け取る。


 間接キスとかそんなの気にしている余裕なんて無くて、貰った水も直ぐに流し込む。


「ふぅ……」


 雑に飲んだからか口の横から垂れた水が顎をつたい、首をつたい、体温で生温くなりながら服の下に入り込んでくる。


 タオルを取ってもらい汗を拭くが、既に卓球やその前の試合でタオルはかなり汗を吸収していて、全然吸い込んでくれない。


「はいこれ、使って!」


 気持ち悪いなと感じていたらまたしても七月さんがタオルを渡してくれた。


「ありがと」


 ふわふわする頭でお礼を述べるとタオルに顔を埋める。


 あれ、何かいい匂いするな……。


 この匂いはもしかして七月さんのか……。


 顔をしばらく埋めると七月さんに包まれている感じがして安心した。若干早まった心拍数が落ち着いていっている気がする。


 全く止まる気配のない汗をタオルで拭きながら時折水を飲み、辺りに視線を向ける。


 何があったのか好奇な目を向けて来る人達に気まずくなり思わず目を背ける。


 いやぁ……それにしても久しぶりに張り切り過ぎちゃったな。やらかした。


「たかがクラスマッチにこんなに本気に取り組むんだ草」みたいに思われてそうで今更ながら恥ずかしくなってきた。


 柄にも無い事をするもんじゃないな。



 と羞恥心に襲われていると、小野さんが突然シャツをめくってきてお腹を拭き始める。


「え、ちょっ!? じ、自分でやるから!」


「いーの! ラギっちは大人しくしといて!」


「は、はい……」


 鬼気迫る表情でそう言われたら俺はそれ以上言い返す事が出来ずにされるがまま。


 小野さんの手はお腹からどんどんと胸のところまで迫って来る。


 くすぐったさから声が出そうになり俺は口元を手で押さえ我慢する。



 胸元まで拭き終わり、やっと終わったかと安堵したのも束の間、「はい」と小野さんは七月さんにバトンタッチするようにタオルを渡す。


「ん!」


 受け取った七月さんは短く返事をして、背中側を拭き始める。


「こはる服上げといて」


「はいよー!」


 前を拭かれるよりかはくすぐったくはないが、服がめくり上げられほぼ上裸のような状態になっていて恥ずかしい。


 しかも、なんかみんなこっち見てるし気まずい。主に男子の視線が怖いです……。


 そりゃ系統は違うが二人共可愛いし、皆から好かれるような性格をしている。そんな女子二人に介抱されてる俺が羨ましいと思っているんだろう。


 だが当事者の俺はそんな嬉しいとか考えてる余裕が無いほどキツいんです……許してください……。



 え、小野さんなんか俺の腹筋ガン見してるし。七月さんも見てきてない!?


 なんか他の女子も頬を上気させながら近付いてきたし。


「も、もういいよ。ありがと……」


 俺は恥ずかしくなり服を下げるとみんな残念そうな顔をして去って行った。


 きっと幻覚でも見たんだろう。俺は考えるのすらキツイので思考を放棄した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。