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底辺配信者の俺がクラスの一軍女子に身バレしてコラボした結果【てぇてぇ】と言われてバズったし、学校での距離も近くなった  作者: 絶対人生負け組


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第104話 小学生の時は滅茶苦茶モテてたんだぞ


 微笑ましそうに幼稚園の頃のアルバムを見終わると七月さんは「よし」と気合を入れ直して次に小学校の卒業アルバムを見始めた。


「え、待ってこの頃からカッコいいじゃん」


「え?」


「え? あっ!」


 思わず声に漏れたと言ったように口をパクパクさせ身振り手振りする七月さん。


「いやほら、この可愛いとかっこいいが融合した感じ滅茶苦茶モテたんじゃない!?」


 慌てふためく七月さんに俺はクスッと笑みを零しながら自慢げに言う。


「そうなんだよね。実は滅茶苦茶モテてた」


「え、やっぱりそうなんだ!?」


「うん、休み時間に教室で友達と話してたら視線感じてその方向見たら女子達が集まってて。目が合ったら「きゃー」って感じで黄色い歓声を上げられてた」


「悲鳴じゃなくて?」


「え? そうだったのかな」


 俺の勘違いだった……?


「いやでも、別のクラスの人も休み時間の度に廊下から俺の事見に来たりしてて、流石に俺もその人を認知するからさ、何か用があるのかと思って見たら逃げるようにして帰っていくんだよ。でもそれでまた見に来たりして」


「ふーん? それで?」


「そ、それで? えっと他にはバレンタイン貰ったりとか……?」


「えっ……」


「え?」


 そんなに驚くことかなと不思議に思っていると俺が理解していないのを悟ったのか七月さんはジト目を向けて来る。


「小学生の頃に異性の友達にチョコなんてあげたら皆から揶揄われるの分かるでしょ?」


「……確かに。そもそも女子と少し話すだけでも揶揄われてた記憶あるかも」


 普通に次の授業がどうだとか、これ落としたよとか。プリントの回収だとかで話して友達の所に戻ったら「お前〇〇の事好きなん?」ってニヤニヤしながら言われた事は何回もあるな。


 まぁ俺はそれもあってあまり女子と話す事が出来ずに今こんな風になってしまったのだが。


 七月さんは「でしょ?」と確認を取ると言葉を続ける。


「だから殆ど異性への友チョコなんて概念は無かったんだよ? だから柊くんにチョコ上げたその子、凄く柊くんの事好きだったんだなって思うよ」


「そっか……」


「え、待ってそんなにモテてたのに何で彼女出来た事ないの?」


「え、だって一回も告白されなかったから」


「……まじか」


 七月さんは手を顔に当て首を横に振る。


「嘘でしょ……柊くんは他に好きな子がいたとか?」


「いや別に……」


「じゃ、じゃあ柊くんの事好きな子の事気になったりしなかったの?」


「まぁ多少はしたけど……」


「付き合いたいって思わなかったの?」


「え、うーん。ちょっとは思ったけど……」


 さっきから俺は何を言わされてるんだ。


 有無を言わせぬ七月さんの怒涛の質問に俺はただ気圧されながらも答えるしかなかった。


「告白しなかった……と?」


「だって相手が俺の事好きだって言う確証は無かったし、自信が無かったから」


「ヘタレ」


 俺の言い訳をその一言で一刀両断され何も言い返せない。


「小学生の女の子が自分から告白するなんて相当な勇気がいるからね?」


「え、いや俺も揶揄われるの嫌だったから告白しなかったんだよね」


「はぁ……そういうとこだぞ」


「はい、すみません」


 指を頬にグリグリと押し付けられ俺は反射的に謝る。


「いやでも中学の時告白して彼女できたし……数時間だけだけど」


「その自虐ツッコミづらいって!! てかそれはノーカンだよノーカン!!」


 そうなのか、あれはノーカンなのか……勇気を出して告白したんだけどな。


 思えばあの時が人生で一番勇気を出した瞬間だったかもしれないな。


 まぁ結果は最悪だったんだけど。


 七月さんは「あーあ、柊くんの事好きだった子可哀そう~……」と呟きながら小学生の頃のアルバムを再び眺めはじめた。


 小学生の頃、恋愛するなんて揶揄われる対象でしかなくて。それが嫌で女子と話したくても我慢していた。

 でも意識してしまって、話す時は凄く緊張したし、俺に告白する勇気があるはずもなかった。


 でも成長と共に俺にも勇気が備わり、中学の頃頑張って告白したにも関わらずあの始末。


 告白しない方が、想いを胸に秘めておく方が幸せな事だってあるんじゃないかという考えが今の俺にはあった。


 いつの間にか七月さんは中学生の頃のアルバムを見ており小学生の頃の俺と比較していると、次に現実の俺に目を向けてきて3つを交互に比べていた。


「な、なに?」


「いや、中学生の頃の写真。小学生の頃とも今とも全然違うなって……」


「そりゃ病んでましたからね」


「……ごめん」


 冗談混じりに言うと明らかに七月さんの表情が曇った。


 そんなに酷かったかなと思い、中学生の頃のアルバムを覗き込むと目は虚ろで表情筋も死んでて生気を感じられなかった。


 改めて見るとこの頃の俺、こんな酷い顔してたんだな……。


 ハイライトのない目に吸い込まれそうで、あの頃の感情が、記憶が蘇ってくる。


「小学生の頃が一番顔整ってたなー」


 重くなった空気感に耐えられずおちゃらけて言うと、七月さんはアルバムを眺めながらボソッと呟いた。


「今もかっこいいけどな……」


 ……え? 今何て言った? 俺の聞き間違えか?


 何でもないかのように七月さんはページを捲っている。


 いや確かに今もかっこいいと聞こえた。もしかして七月さん自分が口にしたこと気付いてない……?


「…………」


 何も言ってこないってことはやっぱり無意識の内に声に出たんだろう。


 え、待って無意識にかっこいいって普通言わないよね……あぁもうわかんねぇ。


 どっちにしろ俺は無反応を貫くことに決めた。




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