第四十四話 ロールプレイ 〜喫煙注意報からの注意砲〜
アザゼルは何かを掴むような手の形から、左右の腕を交互にオサムに向けて振るう。まるでネコが爪を立てて引っ掻くかのような動作であるが、この指から放たれる細い放電のような光が、その都度小さな稲妻のように音を立ててオサムに向かって放たれている。これに伴った周囲の空気のオゾン化が進み、その独特の臭気がこの辺一帯を支配していた。
オサムはこれを躱しながら、右斜め先で未だに不気味に蠢く骨の山に視線をちらっと向けて後悔を覚える。一度は嫌な予感で止めたものの、目の前のコイツの動きの変化があってからは、骨の飛び出す危険への予感は勝手に消え失せていた。靴を取りに行くようお願いした大田があの場に残っていたら、いつものように「まだ、やめといた方がいい」と自分たちを制してくれていたのだろうか。目の前の戦闘に集中し切れていないためか、ギリギリで躱すというより、躱し切れずに徐々に稲妻が肩や腕を掠める頻度が高くなる。
対してアザゼルは調子を上げてきたようだ。この強化がされる前……昨日までの彼らしさを彷彿とさせる、目を見開いた、顔の筋肉が一様に後ろに引っ張られたような、他人を不快にさせる笑いを浮かべて楽しんでいる。
針山からすっかり骨山になってしまったアレーシュマの近くまで走ってきた佐久間は、一旦しゃがみ込み、2人の様子を窺っていた。
「大分匂いが強えな。あの電撃のせいか?」
左膝を立て、溶けたように崩れている靴底に視線を注ぐ。
「タカヤマの見込みどおり、靴がもたねえな。普通に走るっつっても逆に普通がどうだったか忘れちまったしな。」
小声でつぶやく佐久間は介入のタイミングを測っているが、同時にソウル(靴底)が耐えられるかも危惧している。思い切って裸足で行くかとも考えるが、それだと速度が格段に下がることは自分が一番よく分かっていた。ここがキレイな体育館ならまだしも、一見平坦に見えてその実ただの岩であるこの場所では、徒に足を傷つけながら走り回ることになる。痛みに耐えても地面への蹴りの効率、つまりは摩擦の力を弱め速度を落とす羽目になる。ここに来てつくづく高山オサムがきちんと現状把握と、先を見越していることに佐久間は改めて感心していた。
「なんだ、アイツ? バテてきたのか? 避けんのが遅くなってる。」
佐久間がオサムから少しでも注意を逸らさせようとアザゼルに接近した。
「おい、ヤニ親父!こっち向け!」
佐久間は靴が溶けていくような感覚から、それがオゾンプールということは知らずとも、危険な何かがある、というのは本能的に理解していた。
「ん?う〜〜ん?おお!あんときのあんちゃんか?何だ何だ?またヒョロヒョロモヤシを助けにきてあげたのか?ボクちゃん、人気者でちゅねぇ〜〜?」
余裕があるからなのか。彼は攻撃の手を止めて佐久間とオサムの双方に目を向けた。アレーシュマへの先制のときと同様に、佐久間がアザゼルの懐に飛び込む。ここからの顎への攻撃。ほぼ同じに思われたが、違った点は2つあった。
1つ目は拳を振り抜いた佐久間は攻撃を終えると同時に身体を捻らせながらオサムを回収して、そのまま離脱していたこと。
2つ目はアザゼルはアレーシュマのような軽やかな動きからその衝撃を逃がすことができないのか、佐久間の拳を喰らってふらついたままであること。
「タカヤマ、少し退がっていろ。」
そう言って佐久間が拳の指を鳴らす。そして彼は理解した。
(あの軍服野郎と違って、コイツは喧嘩慣れしてねえ!)
レベル4の医務室のベッドに横たわるチョーさんの指が少しピクリと動いた。その傍には両手を祈るように組んで、額をその拳に押し付けるようにして座っている米田がいる。彼も疲労が溜まっていたのだろうか。比較的安全なこの場所で大分張り詰めた気が緩んだのか。チョーさんが意識を取り戻した瞬間はほとんど夢見心地であった。
彼がEクラスの被検体として過ごした4か月余り、その眠りは常に浅かった。14歳という若さで多少の無理もできたのだろう。物理的な疲労もほんの少しの休息で回復する身体になり、一種の防衛行動として少年はやがて感情を捨てた。
昨日からミーズで眠らされて先程目を覚まし、山本と合流してからはずっと驚きの連続であった。チョーさんに始まり、松本、中西、大野、宮里……皆昨日までの知る姿ではなかった。この施設に連れて来られたこと自体が異常であり、異常を日常として享受してきた米田にとっては、それでも全てが些末なこと……のはずであった。
不思議なことに、山本という自分の知る大人と異なる大人に会って、圓崎たち同世代と思しき集団とも接して、今日一日の間にここ数年経験したことのなかった日常を、皮肉なことにこの非日常の世界で味わうことになった。昨日までの自分であれば、爬虫類のような姿の被検体が現れたところで、きっとそれを普通として受け入れたであろう。だが今は目の前の異常を異常と捉え、恐怖すら感じる。自分は弱くなったのだろうか。
ふと気づくと目の前で寝ていたチョーさんがいなくなっている。空のベッドを見て米田は焦った。自分はこの大事な命の危険が迫る中で居眠りをしていたのか。開けっ放しにされた医務室の扉を急いで出ると、通路の先からチョーさんがこっちを見ている。米田はそのまま彼に駆け寄った。側にいる山本も険しいながらも優しい表情で迎えてくれる。
「博士、米田くんも目を覚ましたようです。平気かい?まだ疲れてるなら休んでいてもいい。きっとこの先も、長丁場となるだろうからね。」
「いえ。すみませんでした。自分は平気です。チョーさん、ごめん。俺が見てる側だったのに。」
チョーさんは右手を左右に振る。気にするな、ということであろう。回復したとは言え、チョーさんの腹部が異常に細っているのはそんなに変わりはなかった。だが、全く自力で動けなかった状態からは脱したのだろう。顔色は良くなった気がする。もっとも顔はトカゲのような皮膚のままではあるが……
「米田くん、すまない。チョーさんが休ませておこうという感じだったので、医務室の扉だけわざと開けて、ここで起きるのを待たせてもらっていた。」
チョーさんは、例の指折りによるお辞儀のジェスチャー、頷きを意味するもので、右手の人差し指をちょこんと動かした。
「残念ながらチョーさんが制圧したように思えたあの2人があの後復活してね……ああ、私と山本が様子を見に行くときは目を覚ましていたね。今は大野さんは戦闘不能になっているが、もう一人と高山くんが交戦中なんだ。」
香澄は山本以上に険しい顔のままであった。
「米田くん、チョーさん。我々はみんなともう一度合流しようと思う。アザゼルという被検体は巨大な放電で高山くんを攻撃するのを狙っている。多分充電する時間が必要で今の攻撃は時間稼ぎなんだと思う。次の大きな放電後──そのチャンスに壁際を走り抜けよう。山本も大丈夫か?」
これを聞いたからか、チョーさんが慌てて右腕に米田と香澄を抱え、左腕で山本を抱えた。チョーさんの脚は大量の汗のような分泌液で覆われている。タイミングを見て壁際を滑るように移動する。足の裏に潤滑油を塗ったかのような……まるでホバークラフトである。
オサムもこれに合わせたかのように地面を滑るように移動する。佐久間もこの意図を即座に察してオサムと同じ方向に走り出す。
「あれれれれ〜〜?ボクちゃんたち〜〜怖くなって逃げ出すってことかなぁ〜〜?」
アザゼルはオサムの軌道を縦に割れた瞳孔でじっと観察を続ける。彼に注意が向けられたことで、チョーさんたちは難なくこの場を脱出できるはずだった。しかし、途中で急激に滑りが悪くなる。チョーさんの足が異常に発熱している。抱えられた香澄がこれを見て驚いた。
「……チョーさん、無理してはいけない……しかし何だ、コレは?」
香澄は鼻をつく塩素のような匂いに顔をしかめながら、状況を理解した。
「そうか、この辺りには溜まっているんだ。あの放電によるオゾンが。高山くんでなければ、この状況に耐え凌ぐことも難しかったろう。佐久間くんは気づいているのか?」
ごほっ、ごほっ、とみんなで咳き込む。肺が焼かれるような痛みが襲う。
放電を繰り返す目的は攻撃だけではなかった。アザゼルは自分と敵対者との間に、このオゾン・プールを作り出すことも目論んでいた。アザゼルこと宮里は決して知的な戦略を自ら紡ぎ出すことはできないが、最初に吉田博士に自分の能力の特性をきちんと説明されていた。
オゾンは吸い込むと焼け付くような痛みで肺を刺激し、呼吸困難を引き起こす。空気の重さを29とすると、酸素は32、オゾンに至っては48という空気の1.6倍にも及ぶ分子量となる。このため発生したオゾンは空気より重く、じわじわとこの場で堆積していく。見えない毒の水溜りを作り出していたと言える。そしてオゾンはゴム、有機物を劣化・分解する働きがある。チョーさんの身体から出ている脂は有機物であるため、この不可視の沼地を滑る際に、脂が酸化して熱をもち、その滑りを無効化してしまったのだ。
「このままでは彼に気づかれるどころか、捕まってしまう。」
香澄が弱音を漏らした瞬間、戦況が動いた。不思議なことに、チョーさんたちの行く手を阻んでいた一部のオゾンが避けていく。これでチョーさん専用ホバー通路ができあがる。オサムはアザゼルの気を惹きつけるため、香澄たちに決して目を向けようとはしなかった。しかし、彼がチョーさんとの念話でその正確な位置を把握し、脱出路確保のために彼の能力でオゾンを動かしたのだ。
無事少年たちのもとに4人が到着する。
「おお!」とちょっとした歓声が上がった。
チョーさんも結局は無理を重ねていたのだろう。腹だけでなく、脚もほとんど水分や肉が削げたようにすっかり細っていた。だが彼の目は、まだ何かを訴えている。ちょうど大田と小前も耐衝撃強化ブーツ『ハイパー・スプリント・グリップ』を持って到着した。これは超高強度カーボンに被検体のFボーンと同等の素材の複合ソウル(靴底)で、衝撃吸収、瞬間グリップ切替を可能とする。まさに被検体専用シューズである。この実験アリーナでは、ボウリング場のシューズのように、複数のこの靴が用意されていた。
柴崎は100メートルをなんと7秒で駆け抜ける。これは時速50キロに相当……
佐久間は100メートルを僅か5.5秒で駆け抜ける。こちらは時速65キロ……最早公道を走る乗用車すら置き去りにする速さ……
オサムはこの2人の俊足を活かすため、小前と大田にこの靴を持ってきてもらうようにお願いをしていた。アザゼルが扉を壊してくれていたおかげで、しまってある倉庫に行く通路が開かれていたからだ。人を洗脳する敵が潜んでる可能性も鑑みて、一番その耐性の強そうな2人を選出していたのだ。
合流した香澄が小前たちがこのブーツを持ってきているのを見て驚いた。
「一体?なぜこれを?」
「オサムに言われたんで、全員分持ってきたんだけど。疲れちったよ。」
「オサムちゃんから、サクマやシバの走りを活かす場面が来るのを想定して用意しとこうって言われて持ってきました。あとタオルとかも。」
「おお、タオルこっち回してくれ。マツノは結構止まったみてえだけど、クニヨシの方がなかなか血が止まんねえ。」
圓崎の言葉で、山本が2人のケガのことを思い出し、自分もすぐに応急処置にあたる。
「すまない。包帯ももっと持ってくるんだった。気が回らず申し訳ない。」
「いや、大丈夫っすよ。まあ一晩あれば治るはずです。それより山本さん、代わっていただけるならオサムの加勢に向かいたいんです。」
「じゃあエンちゃん、俺も一緒に行く。サクマの靴も持ってかなきゃなんねえし。」
大田は自分も靴を履き替えながらそう言う。
「でも俺もエンちゃんも素手で戦うのはちょっとやべえのかもな。グローブとかでもありゃいいんだけど……」
ずっと無力さを嘆いてばかりの香澄がこの大田の一言でひとつの糸口を掴んだ。
「圓崎くん、大田くん。私に秘策がある。2人とも聞いてくれるか?」
歯痒さをずっと感じていた吉村と、疲弊し切っていながらも何か訴えようとしているチョーさんが彼らの話に耳を傾けていた。そしてもう一人、後方で聞き耳を立てている者がいた。
無事チョーさんたちを離脱させることに成功したものの、オサムはかなりのガス欠状態になってきていた。アザゼルの持久力だけは少年たちよりも分があると思われる。この個体はTマターより、アドレナリンと劣等感から生じる怒り、こういうものが原動力となっている。
3人の位置は大分アレーシュマの骨山より手前に来たおかげで、少年たちからも視認しやすくなった。
「おい、おっさん!いいからこっち来て勝負しろ。」
佐久間は内心焦っていたが、挑発してどうにか自分に注意を向けさせようとする。だが逆効果になったのだろうか。急にアザゼルは冷め切った表情で言い放った。
「……あんちゃんよ、必死過ぎんだろ?ああ?」
アザゼルはその言動は道化師のようであるが、彼もまた刑務所から中間処遇の一環でエリシオン・ラボに連れて来られた被収容者だった男である。罪名は窃盗。決してただの陽気な男ではない。佐久間も迎撃のために構える。冷めた表情で佐久間をずっと見つめていた……5秒後……突然オサムに向かってアザゼルが超巨大電撃を放った。直径2メートルはある巨大な光の柱が放たれた。今度のは規模のみならず、スピードも速くなっている。
オサムは確実にその光に呑み込まれた。少年たちは唖然とする。こんなにあっけなく終わってしまうものなのか。オサムらしき黒い人影がフッと光の中で消えてしまった。佐久間は一切動けなかった。「タカヤマー!」そう叫んで、ただ光の柱に目を向けたまま……
アザゼルの電撃は実に12秒もの間続いていた。
「あれぇ〜、ボクちゃん、消えていなくなっちゃったのかなぁ〜?」
アザゼルは完全にオサムを消し飛ばして勝利に酔いしれている様子だ。だが、その一方で消耗も激しいためか、その場に座り込んだ。
圓崎は自分の見たことを信じられないでいる。
吉村も茫然として声も出ない。
放電後の空間はすっかり青い霞が地面に漂っていた。オゾン濃度が高いということなのだろう。
その場で佐久間が両膝を地面についた。
溝端や柴崎は頭の中が真っ白になっている。
「嘘だよね?オサムちゃん生きてるよね?」
竹田の声が震えている。
「……オサム……」
ずっと声も出せず苦しんで倒れていた安川が、搾り出すように彼の名を呼ぶ。
誰もが『高山オサムは消し飛んだ』そう思った。
だが1人だけ冷静に状況を把握している者がいた。米田である。彼には見えていた。
あの状況で動いた者がいたことを……それは、すっかり忘れられていた添田である。彼はいつのまにか目を覚まして、アリーナの端からオサムを引っ張り上げていた。彼は気を失っていた間の状況が分からないながらも、香澄博士と圓崎たちの会話を聞いて状況を理解し、オサムのオハコである高速移動を彼なりに模倣してここまで来ていたのだ。だが、オサムと違い慣れないせいなのか、大量の血を吐き出していた。
「エダくん、しっかり!」
静まりかえっていたアリーナにオサムの声が響いたことで全員が驚いた。
佐久間がオサムの無事を確認して珍しく笑顔を見せた。
吉村が小前に尋ねる。
「タカヤマの靴は?」
そう言ってHSGを掴み、「タカヤマ!」と叫びながら彼のいる場所へ放り投げた。彼もまた香澄たちの会話からオゾンの危険性と、この靴がその耐性を持つことを知り、彼なりにできることを模索していたのだ。オサムが受け取った靴に履き替える。
一方、自分の思惑が崩れたことに般若のように怒りをあらわにするアザゼルが、遠くにいるオサムに向かって電撃を放つ。だがオサムは添田を連れながらも容易に躱す。やはり充電時間が少ないため、勢いはさっきに比べると小さい。
吉村が大田の持っていた靴を「借りんぞ」と言って佐久間に向かって投げた。
「サクマ!受け取れ〜。」
これを見てサクマはボロボロの靴を蹴り飛ばして跳躍する。空中でHSGを受け取り、回転しながら靴を履き替える。野球部からバスケ部への靴を使った、さながらアリウープである。着地時には換装完了していた。
「よっしゃーっ!行くぞ、ヤニ親父!!」
彼の全力疾走、時速65キロの進行が開始した。耐性のある靴に変えて、動きが完全に変化した。彼のグリップでオゾンが切り裂かれるように弾け跳ぶ。突っ込んできた佐久間にアザゼルは驚きを隠せない、なす術なしである。佐久間の全身のバネを活かした攻撃ラッシュに、アザゼルは必死にその衝撃を相殺しようとするも、その攻撃が速すぎて追いつかない。最終的には蹴り飛ばされて壁にめり込んでしまった。
この攻撃の間に、チョーさんが博士たちの話を聞いていたからか、必死にジェスチャーして、圓崎と大田を抱えこむ。そしてホバー走行で、彼らを佐久間のいる位置まで連れて行った。もう本当に限界なのだろう。チョーさんもここで四つ這いでへたり込む。しかしこれで役者が揃った。
「チョーさん、ありがとうございます。……サクマ退がってくれ。あとは俺たちがやる。」
圓崎は香澄に授かった秘策とやらで挑むつもりだ。大きく息を吸い込み「はあああ」という声とともに徐々に吐き出す。佐久間がアザゼルを蹴り飛ばしてた方向はまさに地面に青い霞が充満していた。圓崎の筋肉が異様に盛り上がる。ここまで本気の一打は誰も見たことがない。大田が腰を落として圓崎の背中を支える。渾身の圓崎の一撃を打たせるために後ろから押しているのだ。
「エンちゃん!いつでもオッケーだ。アイツに特大のタバコを吸わせてやれ!」
睨みつける圓崎の形相は壁にめり込んで動けないアザゼルにも、脅威としてハッキリと映っていた。遠く離れた位置の圓崎の姿が、閻魔の如く巨大なものに見えているように戦慄する。
「はあっ!!!」
圓崎の右ストレートが放たれる。その衝撃力は15トン。他の少年たちとは桁違いである。
だが今回のこの拳にはもっと別の意味がある。彼の拳速はなんと驚愕のマッハ2。この風圧で充満したオゾンを切り裂く。高濃度のオゾンに対して断熱圧縮が起こる。舞い上がる青い霞が連鎖的に青白い爆風へと変わっていく。オゾン爆発である。その爆発はアレーシュマの骨山付近にまで充満していたオゾンプールまで、コの字を描くように拡がっていった。
アザゼルの身体が消炭のごとく真っ黒に酸化して、ボロボロに崩れていく。爆風とオゾンでアレーシュマの骨もやはり黒く染まり、枯れ木のごとく散っていった。
(第四十四話 終わり)




