伝説となった日
前かいてたオリジナルの修正版
暗い・・・
いや、生臭い?
違う・・・これは・・・息だ・・・
今俺を飲み込もうとする巨大な顎・・・
嫌だ・・・死にたくない・・・
まだ父さんと母さんとの約束を果たしていない・・・
まだ村から出た外の世界を見ていない・・・
まだみんなが言う恋というものもしていない・・・
まだ・・・生きたい!!
『ならばとれ・・・』
頭に響くような声・・・
『ならば殺せ・・・』
何を言ってるんだ・・・まだ13の俺にこんな龍を・・・知識だけだが世界でギルド最上位のハンターですら死を覚悟するという堕真龍に殺せるわけが・・・いや抵抗する術があるわけがない。
『ならばとればいい・・・貴様は力を得て何を望む?
富か?
栄光か?
女か?
それとも・・・』
・・・世界が見たい・・・
『・・・は?』
先程までの威厳がある声からいきなり不抜けた・・・女性の声が響いた。
『え?力が手に入るんだよ?それでなにが・・・』
だから世界が見たい・・・ハンターだった両親が話してくれた世界が・・・
『それが貴方の願いだって言うの?』
簡単に言うと生きたい・・・かな?
今考えると俺って食われそうなんだよな?
『・・・フフフ・・・初めてね・・・大概の奴は何かしら望んだけど・・・そんな願いは初めてだわ・・・いいわ、貸してあげる全身全霊をかけてこの『 』の力を・・・』
思う・・・
この世界では人は力が弱い。
だからこそ精霊と契約して力を得る。
もしかして・・・これがそれ?
『貴方の武器を取りなさい。生きたいという思いを込めて!!』
僕は父さんから譲り受けた剣・・・刀に触れる。
父さんが旅の途中で立ち寄った東洋と言われる場所で見つけた武器。
片刃で緩やかに弧を描く剣とは違い斬り裂くことに特化した武器。
名も無い無名の刀だが俺はこれを気に入っている。
止まっていた時間が動き出すように顎は閉じ俺を丸呑みにしようとする。
噛まれなかっただけ幸運・・・って言えないよな・・・
俺は言葉に従うように刀を抜き放つ。
「俺は・・・俺はここで死ぬわけには行かないんだああああああああ!!!!!!!!!!!!」
突き出した刀は龍の肉に突き刺さる。
いくら内面だから鱗とかじゃないとはいえ硬い!?
オマケに堕真の血はそれ自体が猛毒であり普通なら浴びただけで俺は悶え死ぬ・・・
「・・・あれ?」
しかし浴びているのに何も起こらない・・・
『言ったはずよ、力を貸すと・・・さあ、進みなさい!!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!」
俺は突き刺した刀を両手で握り足を踏み出す。
少し、少しずつだが刃は進んでいき・・・
「ギャアアアアアアアアア!!!!????」
そんな叫びと共に俺の視界に光が映る・・・
「・・・外・・・」
俺は周りを見、足元を見る。
視界に映るは鱗、目・・・角・・・
「・・・なんてこったい・・・」
俺は・・・刀でコイツの頭を切り裂いて出てきたっていうのか?
手に持つ銀色だったはずの真紅の刀を見て、歓喜に叫ぶ周りを見た・・・
こうして数カ所の国を消滅させ数百万の命を奪った堕真龍の目覚めの事件は・・・
たった十三歳であったユキト・ヴォルフスの手によって終結した・・・




