89話 温かい料理?
「ザアアアアアアアアアアア―」
「シャカシャカシャカシャカ…」
うう~ん、気持ちいです!!
今…私は、お婆さんの家のお風呂に入っていました。
シャンプーや石鹸も備えついていますので…
髪を洗い、身体もしっかりと洗う事が出来ます。
そして、湯船もありますので、湯に浸かる事も出来ますね。
これぞー
ザ・お風呂って、感じですね!!
パチ村では、シャワーのみで湯船はありませんでしたから。
こんなに…まともにお風呂に入るのなんて、地球にいた頃以来ですね。
毎日、お風呂に入れていた事が懐かしいです。
(う~ん…最高!!)
「シャカシャカシャカシャカ…」
「そうそう『ザ・お風呂』と言えばさ」
「さっきのお婆さんが調理器具を操っていた魔法も『ザ・魔法』って、感じがしたわね!!」
私はシャンプーで髪をシャカシャカと洗いながら、ゼニィーに言う。
「あれは、念力だよー!!」
「えっ、念力…!!」
「念力…って、あの超能力の事!?」
「イメージとすれば、それと同じだけどね~!!」
「一応、魔法で『幽世の魔法』と言われているよ!!」
「か、幽世…あの世の魔法ですか!?」
「うん、そうだよ~!!」
「巷では、おとぎ話の部分も大きいけど、幽霊が使う魔法とされているから、そう呼ばれてるんだよね。まぁ、実際も…悪霊が物とかを飛ばして、攻撃するのによく使うから、その通りだと思うけどね~!!」
「そ、そうなんだ…」
私は、全身泡まみれで言います。
物が飛ぶとかって…
これが、あの有名なポルターガイスト的なものになるのでしょうか。
しかし、あのお婆さんも幽世の魔法を使っていたとなりますと、あのお婆さんも幽霊なのでしょうか?
((しかも、悪霊―!?))
そう思うと私は、ゾクっと寒気がする。
シャンプーをする私の手が止まります。
「それじゃあ…」
「あのお婆さんも幽霊なの…?」
私は、恐る恐るゼニィーに聞く。
「別に幽霊だけが、使える魔法じゃないからね!!」
「他にも、歳をとった高位の魔法使いも使えたりするよ~!!」
「何だ、そうなのね!!」
私は、少し安心します。
となりますと…あのお婆さんは、高位の魔法使いになるのでしょうね。
(フフフフ…)
それならば、あのお婆さんから魔法の手ほどきも色々と受けたいわね。
そう思いながら私は、シャワーで泡を洗い流す。
「ザアアアアアアアアアアア―」
(イエエエーイ!!)
「「バシャアアアアアアア―ン!!」」
そして私は、勢い良く湯船に飛び込みます!!
○
「「ザアアアアアアアアアアアア―!!」」
「「ゴロゴロゴロゴロゴロ…」」
お風呂から出た私は、居間に向かっていました。
「あ~、サッパリした!!」
「そうだね~!!」
気付くと、窓の外は本降りの雨が降っています。
そして、雷もゴロゴロとなっていますね。もし、あのまま川原に寝ていたら…今頃は悲惨な事になっていたでしょうね。窓の外を流し見ながら、そんな事を思う私。
それとですが…
今日の夜は、ここに泊まりますので問題無いですが…
明日の朝には、止んでいて欲しいですけどね。
(天気予報とか、あれば良いんですけど…)
「…」(私)
(クンクン…)
「ああ~、なんか良い匂いがしてくるわね…」
「そうだねー!!」
居間に向かう廊下からでも、すでに良い匂いが漂ってきました。
もう料理は、完成しているのでしょうかね。
一体、どんな料理が用意されているのでしょうか。
期待に胸が踊ります。
「ガチャン-」
「さぁ、待っていたよ…」
居間に行くと、お婆さんが言う。
「へぇ、凄い美味しそう(キラキラ)」
(ゴクリ―!!)
テーブルには、それはそれは美味しそうな料理が置かれていました。
例えば…
色鮮やかなカルパッチョ、トロトロのクリームシチュー、瑞々しいサラダ、魚のソテー、ローストビーフ、焼きたてのパン、デザートの盛り合わせなどなど…
まるで、お洒落なレストランのコースメニューでしょうか。
見るとテーブルには、2人分の食事が置かれています。
これは…私とゼニィーの2人分では無くて、私とお婆さんの2人分になりますね。ゼニィーは、お婆さんには見えていませんので。
「ボクのは、無いんだね~!!」
残念そうに言うゼニィー。
「アンタは…さっき毒キノコを沢山食べたから、今回は我慢しなさい!」
「えー、そんなぁ~!!」
「ワタシャ…パイの焼き具合を見に行くから、先に食べてておくれ」
私とゼニィーの会話を遮る様に、お婆さんは優しい声で言います。
そして、お婆さんはキッチンへと行ってしまう。
「…」(私)
では、お婆さんの言葉に甘えて、お先に食べてましょうか。
私は早速、席に座ります。
(ワクワクワクワク♪)
ん~、どれから食べましょうかね。これは迷います!!
とりあえず…目の前にあります、クリームシチューから食べようかしら。
私は、クリームシチューをスプーンで掬って口に入れようとします。
「じゃあ、いただきまーす!!」
「ガンガンガンガン―」
「あれっ…!?」
お口に入らないよ。




