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寂しい山脈の冒険(part2) ~揺り籠に揺られて(前編)~

※息抜き的な依頼です…







      「ワンワンワンワンワンワンっ―!!」



      「ワンワンワンワンワンワンっ―!!」






窓の外からは、犬の鳴き声が聞こえていました。



それは…


どこかで、何かと喧嘩をしている様な穏やかでは無い鳴き声です。


そういえば、集会所でモッチ村長の話しを聞いている時から、頻繁に鳴いていましたね。




もしかして…

スライムを見つけたワンちゃんが、威嚇して吠えているのでしょうか。

村の中にも、チラホラとスライムが見かけましたからね。





「フゥ…」



「ズズズズ…」




私は、お茶を啜りながら考えます。



私は、今…村人達から明日のスライム討伐の事を諸々聞いた後、ゆっくりと、どこかの家の中でくつろいでいました。この家ですが、村の空き家との事で、今日はなんと…村人達のはからいで『ここに、是非泊まって下さい!!』との事でした!!




(ワ~イ!!)


(久しぶりに、まともな所で寝られますね)




これは、地球にいた頃以来でしょうか!!

今までは、野宿とかで地面の上にレジャーシートを敷いて寝ていましたので、正直寝た気がしませんでした。だって、地面は固いですからね。



「んんん~…」



私は身体を思い切り伸ばして、あくびをする。



部屋の真ん中にある電球が、木で造られた素朴な室内を薄暗いオレンジ色の光で照らします。その部屋ですが…簡素なベッドと小さな机とロッキングチェアが置いてあるだけのとても殺風景の部屋でした。



しかし…


それが逆に、旅をしている雰囲気を醸し出していて、私は妙にテンションが上がっていました。私は…しばらくロッキングチェアに座り、そんな雰囲気を味わいながら、くつろぎます。





         (ウキウキウキウキ…)







…と言いますか、ゼニィーはどこに行ったのでしょうか。


私が、村に着いた時から姿が見えませんが。






「…」(思考)



もしかして、先にもうスライムを討伐に行ってくれているのかしら。

確かに明日、村人達と討伐するより、そうした方が手っ取り早いですからね。なんて、優秀な従魔なのでしょうか。




「「バンバンバンバンっ―」」



「!!」(私)




―突然、窓を叩く音がする。




「開けて下さ~い!!」



噂をすれば、ゼニィーが戻ってしました。

窓を叩いて、私を呼んでいた。











               ○











「イブ、どこに行ったかと思って、探しちゃったよ~!!」


フラフラと帰って来たゼニィーは、言う。



「それは、こっちのセリフよ」

「アンタこそ一体、どこに行っていたのよ!!」


「いや、もしかしてスライムを倒しに行って…」



「いや、落ちている小銭を探していただけだよ~!!」




「…」(私)


(まぁ、そんな事だろうとは、思いましたけどね)





「でも、探している途中…」

「ワンちゃん達に吠えられちゃって、大変だったよ~!!」



「ワンちゃん達が、妙に吠えていた理由って…アンタだったのね」


私は呆れた感じで、ゼニィーに言う。





「でも、小銭は見つからなかったけど、スライムならば沢山見つけたね。この村は…スライムでも栽培しているのかな~!?」





「…アンタね」




「ハァ、仕方ないわね」

「村人達から依頼があったわよ。明日、この村に出現したスライムを討伐する事になったわよ!!」


「ほう、スライム討伐ですね!!」



「まぁね…」

「しっかり、依頼料もくれると言っていたからね」



「ふ~ん、でも良かったね」

「最初の村で、依頼が見つかって!!」

「イブって、交渉が上手なんだね。流石だね~!!」


私の事を誉めるゼニィー。





「…」(私)




まぁ、これもカマンヴェールさんのお蔭なのですけどね。

カマンヴェールさんのお蔭で、スムーズに依頼を受ける事が出来たのです。本当ならば突然、村にやって来た見知らぬ人…しかも、外見は頼りなさそうな少女に、依頼をするというのは、中々抵抗がある事でしょう。




私自身―


この事については、旅始めの楽しい雰囲気に呑まれて、ノリで何とかなるでしょうと軽く考えていた所がありました。ですが…実際に、私が村人の立場になって考えてみますと、藁にもすがる位に困っている状況で無ければ、そんな人にはお願いしないですね。



…なので、依頼の仲介をしてくれたカマンヴェールさんには、本当に感謝です。そして、流石は商人でしょうか。




交渉のプロですね!!








(まぁ、カマンヴェールさんとは親戚になってしまいましたが…)







村人達は、皆…

仲良く白黒のペアルックを着ている私とカマンヴェールさんを見て『ああ、やっぱり…』みたいな顔をしていました。








「ファアアア~ア…」




「ユラユラユラユラユラ…」



「ユラユラユラユラユラ…」





ロッキングチェアに揺られながら、大きなアクビをする私。


ユラユラと揺れる椅子は、まるで揺り籠の中にいるみたいで、次第に私を眠りへと誘います。この異世界に来てから…色々と疲れが溜まっていた私は、現実と夢を行ったり来たりする感覚で『ボー』っとしていく。






―久しぶりのベッドがあるのに、このままだと椅子で寝てしまう。



寝ない様に、何か考え事をしなければ…









         (ウトウトウトウトウト…)











そうそう…






あと私、騎士志望になってしまいましたね。






そう言えば、何で村人達は…






















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