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第4話「空からの狩り」

いいですね、その設定は“空を使う主人公の強み”が一気に出ます。

では第4話、**上空100mからの観察→初依頼→ゴブリン戦**でしっかり描きます。


---


## ■第4話「空からの狩り」


「――ゴブリン討伐だ」


ギルドで声をかけてきた大男は、机に依頼書を叩きつけた。


「森の外れに巣ができてる。放っとくと増える」


風太は依頼書に目を通す。


・討伐対象:ゴブリン

・推定数:5〜10

・報酬:銀貨8枚


「……初心者向けにしては、ちょっと多くないか?」


「ビビったか?」


男がニヤつく。


風太は肩をすくめた。


「いや、むしろ好都合だ」


「ほう?」


風太は軽く言う。


「上から見る」


「……は?」


---


森の外れ。


風太は人気のない場所まで来ると、深く息を吐いた。


「……さて」


手をかざす。


光が集まり――形になる。


ライトプレーン。


まだ修復したばかりの機体だが、前回の反省は活かしてある。


「出力は抑える。流れを殺さない」


自分に言い聞かせるように呟く。


乗り込み、ゆっくりと魔力を流す。


ふわり、と浮上。


「よし……いい感じだ」


前回のような暴走はない。


安定している。


「行くぞ」


機体が滑るように前進する。


そして――上昇。


---


高度、約100メートル。


森の全体が見渡せる高さ。


「……すごいな」


風太は思わず呟いた。


木々の海。

その中に、不自然な“空白”がある。


「……あれか」


視線を集中させる。


(風の流れ……煙……足跡……)


すべてが“線”として繋がる。


そして見えた。


「いた」


小さな影。


緑色の肌。粗末な武器。


ゴブリン。


「……7体」


正確に数える。


(正面から行ったら囲まれるな)


だが――


風太は笑った。


「上からなら関係ない」


---


一度、距離を取る。


着陸。


機体を木陰に隠す。


「さて……やるか」


短剣を抜く。


だが、すぐにしまう。


「いや、違うな」


手をかざす。


魔力を練る。


(創造スキル……応用)


頭の中で形を組み立てる。


そして――


「簡易投射槍」


光が収束し、一本の細い槍が現れる。


「使えるな……」


軽く振る。


バランスは悪くない。


---


再び、上空へ。


今度は戦闘のための飛行。


「高度維持……風、良し」


ゴブリンたちは気づいていない。


当然だ。


空を見る習慣などない。


「じゃあ――奇襲だ」


一気に滑空。


風を切る。


そして。


「当たれ!」


槍を投げる。


ヒュンッ――


一直線。


ズドッ。


「ギィッ!?」


一体、命中。


混乱が広がる。


「よし」


すぐに上昇。


「パニックになってるな」


下ではゴブリンたちが叫び、周囲を見回している。


だが、敵は見えない。


「もう一発」


再び滑空。


角度、速度、風。


すべて計算に入る。


「ここだ」


投擲。


二体目。


「ギャア!」


残りが散開する。


(いい動きだ)


だが、遅い。


風太は冷静だった。


「囲めないなら、ただの的だ」


三度目の攻撃。


四体目。


五体目。


――そして。


最後の一体が、ようやく空を見上げた。


「ギ……?」


目が合う。


風太は、小さく呟いた。


「遅い」


最後の槍が、突き刺さった。


---


静寂。


風だけが流れる。


風太はゆっくりと着陸した。


「……終わり」


死体を確認する。


動きはない。


「初依頼、完了……か」


少しだけ、息を吐く。


(思ったより……あっさりだな)


だが、それは慢心ではなかった。


理解している。


「空を使えるって、反則だな」


この世界の戦いは、基本的に地上戦。


上空からの一方的な攻撃は――想定されていない。


「これは……使える」


むしろ、使い方次第で戦術が変わる。


その時。


「……やるじゃねえか」


声。


振り返る。


あの大男が立っていた。


「見てたのか」


「ああ。途中からな」


男はゴブリンの死体を見て、口笛を吹いた。


「全部一人でかよ」


「まあな」


「しかも空から……意味分かんねえな」


風太は少しだけ笑った。


「俺もそう思う」


男はしばらく黙り――


そして言った。


「お前、名前は?」


「風太・ヴェイル」


「……覚えた」


男はニヤリと笑う。


「その戦い方、目立つぞ」


「だろうな」


「気をつけろ。強い奴ほど、狙われる」


風太は空を見上げた。


青い世界。


どこまでも広がる自由。


「――それでも、飛ぶさ」


静かに、だが確かに言い切る。


男は肩をすくめた。


「好きにしろ」


---


ギルドへ戻ると、ざわめきが起きた。


「もう終わったのか?」


「早すぎだろ」


「怪我もねえ……?」


報告を受けた受付の女性も、わずかに目を細める。


「……確認しました。全討伐完了です」


銀貨が手渡される。


初報酬。


風太はそれを受け取り――


小さく呟いた。


「悪くない」


こうして。


“風を使う冒険者”の名は、静かに広がり始めた。


---




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