第17話「静寂を裂く火」
## ■第17話「静寂を裂く火」
それは、祈りの時間に起きた。
王都・中央市場。
人々が行き交い、子供の笑い声が響く中――
「……今だ」
小さな呟き。
次の瞬間。
**ドンッ!!**
爆音。
炎。
悲鳴。
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「きゃああああ!!」
「爆発だ!!」
煙が立ち上る。
倒れる人々。
血。
混乱。
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「負傷者を下げろ!!」
蒼真が叫ぶ。
盾で瓦礫を弾きながら、道を作る。
セリスが震えながらも詠唱する。
「ヒール……! ヒール……!」
涙をこらえながら、治療する。
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上空。
風太が状況を見ていた。
(……爆破、複数)
視線を巡らせる。
三か所。
同時。
「計画的だな」
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その時。
煙の中から声が響く。
「これは“神の裁き”である!!」
フードの男。
目は狂気に染まっている。
「偽りの思想を排除する!!」
ナイフを振り上げる。
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「させるか!!」
蒼真が突っ込む。
ガンッ!!
弾き飛ばす。
「くっ……!」
男は笑う。
「遅い……すでに“始まっている”」
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同時刻。
教会の一部でも爆発。
倉庫。
集会所。
「……っ」
風太が歯を食いしばる。
(狙いは――)
「対立の再燃か」
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王宮。
緊急会議。
「即時、武力鎮圧を!」
貴族が叫ぶ。
「教会を封鎖しろ!」
「関係者を全員拘束だ!」
混乱。
怒号。
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蒼真が低く言う。
「……どうする」
セリスは震えている。
「また……壊れるの……?」
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風太は、静かだった。
だがその目は、冷えている。
「分ける」
「は?」
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「信仰と、テロを分ける」
ざわめき。
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「教会そのものは守る」
「だが――」
「過激派は、徹底的に潰す」
蒼真が頷く。
「……それでいい」
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即時行動。
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・王都封鎖
・空からの監視(ライトプレーン網)
・情報提供者への報奨
・教会穏健派との連携
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セリスが驚く。
「教会と……協力するの?」
「当然だ」
風太は言う。
「敵は“宗教”じゃない」
「暴力だ」
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数日間。
徹底的な捜索。
地下。
廃墟。
隠し通路。
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ついに。
「見つけた」
風太が呟く。
地下施設。
過激派の拠点。
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突入。
蒼真が先頭。
「行くぞ!!」
扉を破る。
中には十数人。
武装。
「来たか……王の犬ども」
リーダーが笑う。
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風太が前に出る。
「終わりだ」
「いいや」
男は首を振る。
「ここで死ぬ」
狂気の笑み。
「信仰のために」
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沈黙。
風太は静かに言った。
「……違うな」
「何?」
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「それは“逃げ”だ」
空気が凍る。
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「苦しい現実から逃げて」
「意味を暴力にすり替えた」
「それは信仰じゃない」
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男が叫ぶ。
「黙れぇぇぇ!!」
突撃。
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戦闘。
蒼真が受ける。
セリスが支援。
風太が動く。
短時間飛行。
精密射撃。
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数分後。
決着。
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静寂。
倒れる過激派。
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男は最後に呟く。
「……なぜだ」
「なぜ……人は変わる」
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風太は答えた。
「変わらないと、壊れるからだ」
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事件後。
王都は傷ついた。
だが――
崩壊はしなかった。
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教会穏健派が声明を出す。
「暴力を否定する」
民衆も声を上げる。
「もう争いたくない」
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セリスが言う。
「……守れたね」
蒼真も頷く。
「ああ」
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風太は空を見る。
(ギリギリだったな)
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