表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/30

第11話「空を越える者」



---


## ■第11話「空を越える者」


再戦は、偶然ではなかった。


ギルドの掲示板に貼られた一枚の依頼。


**討伐対象:群生型中型魔獣(リーダー個体あり)**


そして――


「……来るな」


蒼真が呟く。


入口に立っていたのは、あの三人。


カイル率いる“ハウンド”。


カイルが口元を歪める。


「同じ依頼だな」


風太は静かに頷いた。


「ちょうどいい」


---


現地は、開けた丘陵地帯。


起伏のある地形。遮蔽物は少ない。


「空向きだな」


蒼真が言う。


「今回はな」


風太は答える。


だが――


「相手も分かってる」


---


戦闘前。


カイルが声をかけてくる。


「ルールは簡単だ」


「どっちが先に殲滅するか」


セリスが少し緊張した声で言う。


「……競争?」


「そうだ」


カイルは笑う。


「全力で来い。“空”」


---


魔獣の群れが現れる。


その中央には――


「……でかいな」


リーダー個体。


三メートル級。


明らかに格が違う。


「行くぞ!」


蒼真が踏み出す。


同時に――


両パーティ、動く。


---


ハウンド。


弓使いが即座に構える。


「上、警戒」


魔法使いが詠唱。


「気流、散らす」


カイルは前へ。


「俺が切り込む」


完璧な連携。


---


一方。


「いつも通りじゃ負ける」


風太が言う。


蒼真が笑う。


「なら?」


「変える」


短い一言。


---


風太、浮上。


だが――


「撃て!」


矢が飛ぶ。


しかし。


ヒュッ!!


「なっ!?」


弓使いの目が見開く。


(速い!?)


補助噴射による瞬間回避。


軌道が読めない。


---


さらに。


「散らせ!」


風魔法。


だが。


「効かない」


風太は安定している。


(推進が違う……!)


---


カイルが舌打ちする。


「更新してきたか」


---


地上。


蒼真が突っ込む。


「俺らも行くぞ!」


盾で弾き、押し込む。


セリスが詠唱。


「フレイムランス!」


一直線。


魔獣を貫く。


---


だが。


ハウンドも速い。


カイルが斬る。


一撃で仕留める。


「数で負けるな!」


---


空。


風太は狙いを定める。


「まずは――」


筒状の武器を構える。


「落とす」


ドンッ!!


高速射出。


「っ!?」


弓使いが回避するが――


地面が爆ぜる。


「威力が……!」


単なる投擲ではない。


“砲撃”。


---


「上、危険!」


ハウンドの魔法使いが叫ぶ。


「カイル!」


「分かってる!」


カイルが風太を見る。


(厄介だな……)


---


戦場は加速する。


両者、互角。


だが――


「リーダー、動くぞ!」


巨体が動き出す。


咆哮。


全員の動きが一瞬止まる。


---


風太が呟く。


「……あれ、鍵だな」


蒼真が答える。


「どっちが先に倒すか、だ」


---


カイルも同じ結論に至る。


「狙うぞ!」


---


リーダー個体へ、両者が殺到。


---


蒼真が正面を受ける。


「来い!!」


ドゴン!!


押される。


「重っ……!」


---


カイルも横から斬り込む。


「硬えな……!」


---


セリスが詠唱。


だが――


「間に合わない……!」


距離が足りない。


---


その時。


「任せろ」


風太の声。


上空。


高度を取る。


「全部、乗せる」


魔力を集中。


新装備、最大出力。


機体が震える。


「……いけるか」


---


カイルが気づく。


「何か来るぞ!」


---


風太、急降下。


風を切る。


「セリス!!」


「……っ!」


「最大、合わせろ!!」


理解する。


「――分かった!!」


詠唱。


炎が収束する。


過去最大。


---


蒼真が叫ぶ。


「3秒!!」


盾で押さえる。


限界。


「うおおおお!!」


---


カイルも動く。


「俺も乗る!」


剣に力を込める。


---


三者、同時。


---


「――今だ!!」


風太、射出。


セリス、発射。


カイル、斬撃。


---


一点に集束。


爆発。


衝撃。


閃光。


---


静寂。


煙が晴れる。


リーダー個体は――


崩れ落ちていた。


---


沈黙。


そして。


「……終わりか」


蒼真が息を吐く。


セリスも座り込む。


風太は静かに着地した。


---


カイルが歩いてくる。


しばらく、何も言わない。


やがて。


「……負けだな」


短く言った。


蒼真が笑う。


「認めるか」


「ああ」


カイルは風太を見る。


「空は、落とせなかった」


風太は答える。


「対策は効いた」


「だが、それ以上だった」


---


セリスが小さく笑う。


「……勝ったんだ」


蒼真も頷く。


「完全に、な」


---


カイルは背を向ける前に言った。


「次はもっとやる」


風太は答える。


「こっちもな」


---


こうして。


“空 vs 対空”の戦いは――


一つの決着を迎えた。


だが。


それは終わりではない。


ただの――通過点。


---


空は、さらに高くへ。


---




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ