2.いざ鎌倉
放課後。
部活が終わった夕方ごろ、裕美は高校の近くにある若栗神社という神社の入り口に設置されている電話ボックスにいた。
スカートのポケットから、裕美はポケットティッシュを一つ取り出していた。
以前に駅前に放置されていたポケットティッシュだ。
その底に敷かれた薄紙には、広告が印刷されている。
――僕らは君と話したい。
いわゆるテレクラ広告というものである。
名古屋の高校へ進学した旧友の有海から助けを求められていたものの、自分もその名古屋の不良女子グループにうかつに近づくことはしないほうが賢明だ。有海によると、その彼女の友達が名古屋の街をうろついてる不良女子グループに因縁をつけられて、援助交際を強要されかけている。一緒に因縁をつけられた有海自身も、わざと援助交際の強要は免除されて、その友人を人質に取られるようなかたちで放課後に学校で待ち構えられて連れ出されたり、名古屋駅の改札をくぐるまで監視されている、というぐらいだ。まともに話が通じるはずがない。有海も、その同じ学校の友達は彼女と違い、女達の本拠地である名古屋に暮らしているため、ひどいことをされていないか毎日心配でならないのだそうだ。
どうも、その集団は標的に言いがかりをつけて脅迫して、援助交際をさせたうえにそのときの受取金の大半を搾取するような悪質な集団だそうだ。他にも何人もの少女が強迫されて、すでに搾取を受けているらしい。有海の友達も、もしかしたら有海自身も、いずれはその中に組み込まれそうなのだ。
だが、そうであるなら、その集団の提供する少女を食っているお得意様もいるはずだ。
運頼みとはいえ、そういう年頃の少女を好む男性と無難にコンタクトを取れる手段がこのテレクラというものだ。
生徒手帳に挟みこんであるテレホンカードを取り出して、挿入する。
そして、ティッシュの広告に書いてある電話番号の通りに数字をプッシュしていく。
「上田じゃねえか、おめえ何やってんだ?」
突然の声に、裕美はビクリと身体を緊張させて振り返る。
そこには、同級生の朝霧龍子が立っていた。
無造作に垂らした長めの髪、やや据わり気味の目つきという、ちょっとガラの悪い風貌ではあるが、裕美とは割と親しい間柄だ。
「いやあ、今取り込み中だから後にしてくれないかな?」
裕美は龍子に電話ボックスから出ていくようにジェスチャーを送る。
怪訝に思った龍子は、裕美の体越しに電話機をのぞき込む。
間の悪いことに、テレクラ広告が丸見えになっていたのだ。
「おめえ、それテレクラじゃねえか! 何考えてんだよ、おめえは!」
龍子は大きい声で驚きを口にする。
裕美は「しーっ!」と必死でジェスチャーを送って無言で文句を言う。
「これには事情があるんだって。だから一人にしてくれん? お願いだからさ」
「大人しく出ていくわけねえだろ! さっさと受話器を置けよ」
裕美は受話器を死守する。
龍子はそれを取り上げようと受話器に掴みかかる。
少しの間、奪い合いがあったが、結局龍子が受話器を奪い取ってしまった。
「ちょっと! 返してくれん? 電話してるのは私なんですけど?」
「いいから貸せっての。もしもし、これ間違い電話なんで……。……は? こんにちは? これ、もうつながってんの?」
龍子は素っ頓狂な声を上げてしまう。
「え? あたしの名前? りゅ、龍子だけど。へ? いくつかって? 今年で、じゅ、十六だけどさ……」
不意打ちだったのだろうか、龍子は相手のペースに乗せられて、ベラベラと自分の素性を話してしまう。
が、突然に龍子の表情が怒りに変わっていってしまった。
「……何だあ、てめえ? 何でお前に今日穿いてるパンツのことを言わなきゃいけねえんだよ。てめえが穿いてるのを言うのが先だろうが!」
急に喧嘩腰の口調で電話の相手に凄み始める。
「おいおっさん、電話だからって好き勝手なことを……、もしもし?」
あっという間に、龍子の顔からは怒りの念が消え、呆気にとられた表情に変化する。
「あのおっさん、電話を切りやがった」
「たっちゃん、そりゃないよ」
「龍子だ、りゅ、う、こ。いい加減に覚えろよな。つか、テレクラに電話してるお前の方がないだろ」
「こっちには事情ってもんがあるの。そっちこそ、神社に何しに来たの?」
「あたしが家の近所を歩いてたらいけないってのかよ? 久々にお参りにいったら上田が電話ボックスにいたんだろが」
本人の発言で、龍子が高校まで歩いて通っていることを裕美は思い出した。
「だったらさっさとお参りして家に帰って! 次邪魔したら、美穂にあんたの勉強に付き合って、わざわざ教えてあげなくてもいいからねって言うよ!」
裕美はそう言い返すと「おい、それはひどいっての! あたしが追試になったらどうするんだよ!」と文句を言う龍子を電話ボックスから追い出した。
龍子がそのまま拝殿に向かうのを見届けてから、裕美は再びテレホンカードを挿入して電話をかけなおす。
「あ、もしもし? なんか乱暴な女の子がさっき暴れてて電話切っちゃった人って、まだいます? いたら繋いで欲しいんですが?」
裕美は店員にリクエストを送ると、つながるのを待つ。
「あ、もしもし? もしかして、怖い女の子に凄まれてた人ですか?」
「え? そ、そうだけど? 君はその女の子じゃないよね? 近くにいたりとかはないよね?」
「ははは、まあ、あの子はああいうタイプなんで、気にしないでくれますか? それよりも、私とお喋りしませんか?」
「え? ああ、いいけど……。き、君の名前は?」
「裕美って言います。高一だよ」
「そうなんだ、で、趣味とかはあるのかな?」
先ほどの龍子の詰め寄りが相当堪えたのか、慎重な切り出し方になってしまっている。
「パンツの話題は無しなんですね?」
「いや、あんなことがあった後にそれは無理だよ! 電話越しとはいえ、すごく怖かったんだから!」
「ああ、それは気の毒でしたねえ……。なら、気を取り直してお話をしませんか?」
「う、うん、そうだね。で、裕美ちゃんは好きなアイドルグループとかいるのかな? どんな男がタイプなの?」
「おお、いい質問ですねえ。やっぱり私はかっこいい男の人が好みなんですよー」
「へえ、タレントでいうとどんな感じの男が好き?」
「いやあ、芸能人じゃなくてプロレスラーですね。ハヤブサ選手って、いい男って感じですよね?」
裕美の話題の振りに、男性は「え、えーと……」と言葉が詰まってしまう。
「ごめんなさい、ちょっとマニアックでした? なら、メジャーな団体だと、越中詩郎って中々かっこいい生き方してるなって思いませんか?」
「そ、そうなの? おじさん、あまりプロレス見ないから……」
「それはもったいないですよ! 越中選手の試合、けっこうビデオになってレンタルされてますから、今度借りてみたらどうですか? 平成四年の天龍選手との一騎打ちやそれに至るまでの抗争とか、熱くなれますよ!」
電話相手は「そ、そうなの?」と覇気のない相槌を打つだけだった。
「うーん、でも、実物見た方がいいってのもありますからね。メジャー団体だとちょっと距離があるんで、その点、インディー団体は至近距離という良さがありますよね。最近チラシで見たんですけど、近々、妙興寺駅の近くにあるアピタスーパーの駐車場に特設リングを組んで、FMWって団体が『スーパーダイナミズム’97』って名前で試合をするんですよ! さっき言ってたハヤブサ選手も出場しますし、悪役でもスーパーレザーっていうチェーンソーぶん回して入場してくるヒールレスラーも来るみたいなんですよ! 生の迫力、きっと凄いんで暇だったら行ってみてくださいね!」
マシンガンのごとくまくし立てる裕美。
「う、うん。裕美ちゃんがプロレスを好きなのはよく分かったよ。でさ、ちょっと別の話でもしないかな? 裕美ちゃんは高校生なんだよね? クラブ活動とかしてるのかな?」
「あ、それですか? 陸上部やってますよ。走るのも跳ぶのも大好きなんで!」
「そ、そうなんだ。でも、意外だなあ。クラブ活動に精を出してる感じの子が、こういうお店に電話を掛けるなんてね。男の人に興味あったりするのかな?」
「えー? おじさん、私の答えが気になります?」
「いやあ、本気で答えなくていいよ。ここはそういうお店だから。おじさんだって君と会う約束をしてデートしようとかじゃなくて、ちょっと際どいトークをしたかっただけだから。まあ、最初に予想外のことがあったけど……。あの子、近くにいないよね?」
「ああ、災難でしたね。でも、おじさんはデートとかしたくないんですか?」
「どっちかというと、若い女の子とトークしたいために入ってるってところかな? そろそろ予定してた予算がきつくなってきたから。今日は出直すね。裕美ちゃんバイバイ。その名前、本名だよね? だったら、少しはぼかしてトークした方がいいよ。おじさんからのアドバイスだからね!」
電話が切れてしまった。
「この人は違ったか」
引っ張り出したテレホンカードのパンチ穴を見て残高を確認する。
「もういっぺん、掛けてみるか」
再びテレホンカードを挿入する。
「あ、もしもし? もし女の子の扱いに慣れてそうなイケてる男の人がいたら、その人に繋いでくれますか?」
少しぼかしてトークした方がいい、という先ほどの男性の言葉を意識しながら、裕美は電話がつながるのをまった。
ほどなくして、電話がつながって「もしもし?」という男性の声が聞こえてくる。
「あ、もしもし? 聞こえてますよー。おじさん、ちょっと私とお話ししませんか?」
「君、名前はなんて言うの?」
「ああ、ユミって言います」
自分の名前の読みである「ひろみ」を少し変えただけの仮名を伝える。
「へえ、ユミちゃんって言うんだね? いくつなの?」
「高一だよ」
「どこの高校かな?」
男の詮索に対して、裕美は「それは内緒かな?」と返す。
「でも、ここに掛けてくるってことは、男の人とお話ししたり、悩みを聞いてほしかったりしてもらいたいってことかな?」
「そんなところですねー。今、私色々とストレス溜まってて」
相手の話題に合わせて、日々にストレスを抱えている女子高生を演じる。
「何か不満があるのかな? よかったら僕に話してみてくれないかな?」
男が誘い水を向けてきた。
「実は私、ちょっとだけ自分の選択を間違っちゃったかな? なんて思ってるんです。この前、同じ中学の子と、久し振りに会う機会があったんですけどー」
もちろん、これは旧友のことではなくて、出鱈目な「架空の女友達」だ。
男は掘り下げようと「その子との再会がショックだった?」と煽ってくる。
「そーなんですよ。その子、名古屋の高校に通ってるんですけど、しばらく見ないうちに垢抜けちゃってて、すごい華やかになっちゃってたんですよ。キラキラしてて、制服姿だけじゃなくて私服もすごくお洒落で、なんか青春してる女の子って見えちゃって。それなのに、私って結局地元の高校に進学したから、遊ぶところもなくて、全然青春の「せ」の字も無い生活なんですよー」
思慮の浅い小娘をイメージした演技で、相手の反応をうかがう。
「ユミちゃんは、おしゃれになったお友達を見てあこがれちゃったのかな?」
「分かりますー? あの子、中学では私よりも地味な子だったんですよ? 一体都会の学校で何があったのか根掘り葉掘り聞いたんですけど、結局はぐらかされちゃったんですよ。まるで置いてけぼりじゃないですか」
「ユミちゃんも、綺麗な女の子にあこがれを持ってるのかな?」
「それはそうですよー。華の女子高生ですよ? あーあ、私も名古屋の学校に進学すればよかったなあ。おじさん、あの子ごまかしてたけど、何であんなに綺麗になっちゃったのかなあ?」
「女の子は身近に綺麗な子がいると、自分も綺麗になりたいと思うものだよ。メイクとか、制服の着こなしとか、お洒落な子がいると真似したくなるよね?」
「へえ、そうなの? 私の通ってる高校って、校則もやたらうるさいし、揃いも揃ってダサい女子ばっかなんだよねえ。やっぱり、そういう子たちと一緒だと損しちゃう?」
演技とはいえ、思ってもいないことを話すことに、裕美はやはり抵抗を覚えた。華やかな少女ではないということと、実際のその子の魅力にどんな関係があるのか、裕美には理解しがたい考え方なのだ。
「いやいや、その子達は知らないだけなんだよ。ユミちゃんも、その子達も、自分を磨いて、綺麗にしようとすればすぐに人目を引く華やかな女の子になれるさ」
「えー、ほんとかなー?」
「本当さ。でもねユミちゃん。自分を磨くためにはお金が必要だってことは伝えたいな。そのお友達も、ただ自然に綺麗で華やかな子になったわけじゃないんだよ? きっとそのためのメイクに必要なお金を必死でアルバイトして稼いだんだろうね?」
「そんなにお金かかるんですかー? 私、お小遣いそんなに貰ってないんですけど、それで足りるかな? 月に五千円くらいなんですけど?」
「うーん、それはちょっと厳しいよね? 高校生って、友達と遊んだり、お洒落したりって青春を楽しみたい年頃だもんね。だから、君の友達も都会の高校生活に馴染めるようにすごく努力してると思うんだ」
「そんなにアルバイトって大変なんですかー?」
「それはそうだよ。例えば、名古屋駅前には大きな本屋さんがあるよね? 本屋さんでのバイトは高校生の定番だけど、それをこなそうとすれば、そういう大きな本屋さんって大抵は夜の九時くらいまでは営業してるよね? でも、実際は営業時間が終わった後の片づけの分も働く場合は多いよ? 学校が終わって、それから夕方以降にアルバイトだったら、帰宅は夜遅くになっちゃうかな? これだと学業との両立はすごく大変だよね?」
「私と同じ中学の友達も、もしかして必死にアルバイトしているのかなー?」
「もしかしたらそうかもね? そういう地味で大変な努力をしていることを人に明かすのはちょっとためらっちゃうよね? 友達がはぐらかしたのはしょうがないよ。でもね、君にそれだけの努力はできそうかな?」
「えー? キツいのはちょっと困るよねー」
「でも、そこまでキツくなくて、しかも稼ぎの良いバイトがあるとしたら、ユミちゃんはどうかな? 興味ある?」
「でもー、本当に私も綺麗になれるのかなあ、お金かけてもそれが無駄になったら悲しくなっちゃうし」
「そんなに心配なの? でも、もったいないなあ。もしよかったら、今度僕と会ってみない? 試しにデートでもどうかな? 君の良さを自分の目で確かめたいからね。大人の僕がしっかりとエスコートするから安心して。お友達が名古屋の高校に通ってるぐらいだから、君も名古屋には遊びに行けるんだよね?」
「まあ、そうですけど? でも、知らない男の人と会うなんて緊張しちゃうなあ」
「それは分かるよ。でも、一歩を踏み出してみると見える世界は変わるはずさ。食事代とかも僕が持つし、デートに付き合ってくれたお礼もしっかりと渡すから信じてくれないかな?」
「おじさん、そういうのは慣れてるんですか?」
「そうだね。お金に困ってる女の子、お金がどうしても必要な女の子は結構いるんだよ。僕は女の子とデートをする。彼女達は僕から奢ってもらったりして、一緒に過ごす。確かに何股も掛けているようにも思えるけど、巷の乱暴でガラの悪いナンパ男ではないから安心してよ。女の子達も割り切った関係として付き合ってくれてるんだから」
男の手前勝手な理屈を聞いて、裕美はあえて「そーなんですか?」と相槌を打つ。
「なんでおじさんは、テレクラで?」
「そうだね、たまにはいつもとはちょっと違った方法で女の子と知り合いたかったからかな? 色々なタイプの女の子と出会えたらいいな、ってところだよ」
いつもとはちょっと違う方法で、という発言を裕美は逃さなかった。もう一押ししようと、媚びてみることにする。
「でもー、待ち合わせはどこにするんですか? 名古屋って大きな街じゃないですか?」「たしかにそうだよね。それに、待ち合わせしてて周囲から目立っちゃったりするのも考えものだからね。新幹線の改札口なんてどうかな? そこなら新幹線の改札口から出てくる親戚を待ってる女の子、っていうカモフラージュもできそうだし」
「でも、何だか不安だなあ。怖い人とかいないんですかあ?」
「心配しないで。駅の外側の太閤通りは確かに恐い所かもしれないけど、新幹線の改札口は安全だよ。落ち合ったらすぐに反対側の安全な桜通り口に行こうよ」
「大丈夫ですか?」
「きっと大丈夫だよ。あと、少しリクエストしていいかな?」
「何ですか?」
「君の通ってる高校の制服、持ってきてくれないかな?」
男の大胆な要求に、裕美は少しドキッとする。
「えー、恥かしいよ、それは」
煙に巻くために、無難な受け応えをして逃げようとする。
「これは君のためだから。メイクだって色々と種類があるんだから、せっかく整えてもその制服とマッチしなかったらがっかりだよね? それは大事な部分だよ」
――絶対に違う目的で使いたいからだろ?
男の強引な理由付けに、裕美は心底嫌悪感を抱いた。
「でもー、私の高校の制服って、超ダサいセーラー服ですよ? あの名古屋の名門女子校の上品なセーラー服じゃないから、見せるのはなんか恥かしいよぉ」
もっともらしいことを言って、男を諦めさせようとする。
制服趣味とか以前に、自分の高校のセーラー服はまずい。即学校バレ必至の危険アイテムだ。
――まあ、この男みたいな市外の人間は絶対に知らないし、チェックもされないようなタイプの田舎の高校だけど。
だが、あんな分かりやすいマークを胸当て部分に刺繍させた学校にはちょっとだけ抗議したい気もする。
「恥かしがらないで。素材がよくなれば、きっと君ががっかりしているセーラー服だって可愛い制服になるからさ。持ってきてくれないかな?」
――何言ってんだ、こいつ?
もはやコメントする気にもなれない言い訳に、内心うんざりしてしまうが、それを表に出してしまうのはせっかくのチャンスを棒に振るのに等しい。
「ごめん、ちょっと答えを急がせすぎたかな? でも、僕はきっとユミちゃんの力になれるはずだから、今日一日、ゆっくりと考えておいてくれないかな? 明日、またこの時間帯に待ってることにするから。そうだ、僕の名前はヒロシって言うんだけど、覚えておいてね。明日、その名前で入店しておくからね。またお話できることを期待してるよ?」
男はそう言って、通話を切ってしまった。
裕美も、受話器を置くと、吐き出されたテレホンカードを引き抜いて生徒手帳に挟んでしまいこむ。
「なんか、ヤバい奴だったなあ。でも、あれはクロだったかも……」
恐怖というよりも、業の深さにあてられたといった方が正確かもしれない、そういう類の不安が裕美の心中に渦巻いている。
裕美は電話ボックスを出ると、一回深呼吸をしてから、自宅がある市の中心部へと向かうバス停に歩き出していった。




