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[04話]己の運命を知ること


神の祝福(タルイス・テーグ)は神話の存在。

此の世界に奇跡の雫が満ちるずっとずっと昔に神が祝福を与えた存在と言われているわ。

身体には神々の力の断片がいくつも流れていて、その力は神にも匹敵するほど大きく、尊きお姿に崇めずにはいられない無いと言われているの。』


ネイサンは考えていた。そして呆然としていた。


自分がそんな大層なモノだとは思っている訳はなかったのだ。


そして自分は遙かに知識が乏しいということと、この何やら大物の精霊が自分の“元いた世界の知識を有している”ということを考えなければならなかった。


「・・・・ん?北欧?東洋・・・?」


そういえばネイサンは確かにその言葉にひっかかりを覚えたのだ。


東洋という知識、それを示しているのは元いた世界の知識ではないのか。


何やら神という知識もあちらに準ずる何かでありそうだし、ネイサンは自身のこの世界の知識の乏しさに愕然とした。


自分はこの数年を好奇心のままに魔法の知識、魔術と魔法の違い、悪魔召喚、と時間を費やしてきたがこの世界については何も知らないと言うことを。


どこかでまだ曖昧の中で生きてきたことを自覚して急激に恐ろしくなった。


これは夢やゲームなどではない。


今この世界は現実として存在していてその世界に自分は生きているのだと。


俺は、この世界と自分の運命について考え知らなければならない。


どうやらネイサンの出生には大きな力が関わっているらしいとうすうす感じ、どうにか大事にならないようにと祈りながら。


『あら、どうしたの。金色の(きみ)

困っているのなら助けてあげる。私たちは貴方に惹かれる。そういうモノだから。

蝶が花の蜜に誘われるように。木々が水を必要とするように。

私たちの神の祝福(タルイス・テーグ)


「君の神という概念や世界配置、呼び名の概念はもしかして此の世界のモノだけではないんじゃないか?」


ネイサンは考えるのが面倒になって、もうストレートに聞くことにした。


『金色の(きみ)、あなたは別の所から来たのね?

私も何時だったか、、、空間に干渉することが出来るモノがいて散歩に付き合っていろんな世界を旅したわね。

その点では私は少し物知りなのよ?ふふふっ

神は全ての世界に共通しているはず。創造主だもの。

世界の形態は違えど私たち曖昧にして明確な存在というのはどこにでも存在しているの。

人間と違い、長い時を生きるモノは暇つぶしにいろんな事をして過ごすものよ。

あなたに仕えると言うのも面白そうでいいかもしれないわね。』


「・・・・そうか。

仕えるとかそん大層なことはしなくてもいいよ。

それより、俺に教えてくれないか?気が向いた時にでも、知っている限りだけでもいいから。

此の世界のことやいろんな事を。」


幸いネイサンはまだ4歳。すくすくと育っていると言ってもまだこの世界に来て四年しか経過していない。


そう、四年しか経過していないと考えるべきだろう。もうこの際自棄(ヤケ)だ。


この若い頭脳を存分に使い、目の前にあるものを使って自分でどうにか平和に暮らせる環境作りをしていかないといけない。


この課題は急務だ。直ちに取りかからねば。


この世界に生まれ落ちたとはいえ、中身は生粋の平和ぼけしきった現代日本人の精神なのだから。


面倒ごとはごめんだし、戦いの最前線なんでまっぴらだ。


ヒーローのごとく人を守るための自己犠牲なんてとても出来る気がしないし、何よりそんなたいそうな人間ではそもそも無い。


こんな元死ぬほど不幸だった男が神に祝福されるなんてそれこそ損な役回りだ。


正直なところそんな事実を聞かせれてしんどさしか感じない。


出来るならどうにか普通に!どうか普通に!人並みに!暮らしていきたいのだ。


であるから、まず知ることから。現実をしり、事を構える前に最小限の事件で済むように。


情報社会であった前世が教えてくれる。情報ほど恐ろしいモノはない。


そして何よりも武器になる。


とれる手段は多いに超したことはないからだ。ビビりでも情けなくとも俺は死ぬのが怖いのだ。


情報なくして暮らすなど、次の日起きたら死んでました!なんてことにならないとも限らない。


この世界には奇跡の力が存在しているのだから。


なにより俺は大いなる何かに関係しているし、十中八九何かに巻き込まれる。


俺の中の何かがほぼ確信している。それまでに備えたい。


「もちろんよ。教えてあげる。」


あいにくこの強力そうな精霊はネイサンに協力的だ。


それが何よりの救いだと感じるの。


生きるためには力がある程度は必要だと思うネイサンなのであった。



♢♢♢ … …



この世界には希少技能(レア・アビリティ)と言うものが存在する。


その希少技能(レア・アビリティ)を使える者達を「希少(レア)持ち」と簡単に言うのであった。


大抵は種族ならではの特殊能力であったり、ネイサンの家系のような国を支える力ある貴族には特有の一族ならではの特有スペックを持っていた。


限られたモノしか仕えない希少能力であるが故に、その能力は持っているだけで一目置かれる程のものであった。


しかしネイサンはレア持ちではなかった。


ネイサンの存在そのものが希少存在であるが故である。


神の力をその身に宿す生命体など最早存在そのものが凶器であるという他ならない。


半神(デミ・ゴッド)であるネイサンは神直々の事象改変において、神の子として生まれ変わり此の世界に生を受けていた。


半神(デミ・ゴット)とは本来、神と人が愛し合う事によって出来る存在であるがネイサンは少し違う。


神々の御意志によって全てを創造されたネイサンは強大な加護付きであるし、一人の神の力を受け継ぐ本来の半神(デミ・ゴッド)とは違い、神々の力の断片つまりその神の優れたところの寄せ集め的なネイサンはすでに半神でありながら本来の神に匹敵するほどの凶悪な力を有していた。


神話の存在であるそれは、本来は天界にて保護される程のものである。


生態系ピラミッドに退っ引きならない影響を及ぼすからだ。


尊くも図らず強大な力ゆえ、天災級の生命でもあった。


人の身で有りながら神の力を駆使でき、その命は大変長命である。


ネイサンは余り自覚は無いが、この世界において神にも匹敵するその潜在能力は磨けば光るどころではない。


今のままでもその強大な魔力で低級魔法を唱えてもそこら辺のモンスターであるならば一撃でたやすい。


火力にものを言わせる力業という点であればだが。


傍らにはこれまた究極の存在である皇帝(ルシファー)級の大悪魔アルテッツァがいるのだから、いまからでも魔界に殴り込みに行っても良い線行くだろう。









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