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ここではないどこかへ  作者: ししまる
第四章 異世界 ~聖地~
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65話 剣の流派と旅の計画

 

 東聖大陸南部、南の最果て封印の地から北へと広がる大砂漠、その大砂漠の中には結界が大陸を横断する。

 その砂漠の結界が唯一及ばない場所が大砂漠には2つ存在する。


 1つは、大陸砂漠の丁度ど真ん中、【マルティア城跡】

 遙か昔に滅びた城跡地だ。まぁ最近では復興計画も進んでいるみたいだから新しい街へとなるのも近い未来なのかもしれない。


 そして2つ目が、大陸の東に位置する【山脈の坑道】

 大陸最南端にある、封印の地から北へと延びる山々は、ケアルランドから東に真っ直ぐ向かった海岸沿いの街へと続く世界屈指の大山脈。

 その東聖大陸南部を管轄するのが、広大な港街【カリキ】

 中央大陸との貿易もあり、連合国には無くてはならない重要拠点のひとつでもある。

 各地の要人も集まるこの街を治める連合国5王の一人『人王』の住む『マナミ屋敷』


 屋敷にしては、とてつもない大きさで、()と言われても違和感の無い建物内には、東聖大陸半分を誇るイグザ連合国、その罪人達を収監する地下牢や、兵士の訓練場とも呼べる広さを思わせる庭園。裁判所とも呼ばれる、王への謁見の間。

 どれもこれも規格外の造り。



 そんな屋敷の地下牢…俺達は既に処刑された男『滅剣のライデン』の話を聞いていた…。





「時間を止める術、光の檻に、時の流れの違う空間、範囲を圧縮させるとか、訳分かんねぇな。」

「あぁ、、まぁ、長くなっちまったが、こんなところか…」



 フーっと、軽く息を吐きながら話を終えるライデン。

 彼の口から聞いた、長寿人種の経緯。それを知ったマナの表情は複雑なものだった。


「なぁ、結局その、里はどうなったんだ?タカユキの馬鹿野郎が、仕掛けた術とか、、、」

「俺が最後に見た時は、エナの嵐になってたな。今も変わらねぇだろうがよ…。」


 エナの嵐?


「膨大な術を放った結果なのか、キョウコの使った結界の効果なのか分からないけど、あの森の在った場所は今も人が寄りつけない危険な場所となってるわ。」

「そうなのか…なんか分からねぇけど、凄そうだな。」


 立ち入り禁止区域みたいな感じなのか?

 森を圧縮するように狭められていった末路が、エナの嵐となって、長年…それこそ永遠不変な状態になっちまったのか…


「ライデン、話の流れから言わせてもらえば、確かにキョウコの安否確認は出来ないわね。」

「まぁ、俺の記憶もハッキリしねぇところがあるしな、概ね間違った内容じゃ無いとは思うが、多少なりおかしな事を言ってたかもしれねぇ、、そこは勘弁だな。」

「あの子が簡単に死ぬなんて思わなかったけど、、貴方の話を聞いてたらキョウコがまだどこかで生きてる可能性は有る。そう思えてきたわ。」


 ナガイキョウコは当時タカユキの手によって死んだものと為れていた。少なくともマナはそう思ってたし、タカユキ自身もそんなことを言っていたな。

 ライデンの話からすれば、死んだ証拠が無いなら生きてる可能性があるっていう拙い希望なんだけど、2人からしてみりゃ充分な事か…。


「じゃぁマナはキョウコを探しに行くのか?正直俺もキョウコには逢ってみたいし、ライデンにも逢わせてやりたいな。」

「そうね、今回の一件が片付いたら、私なりにキョウコの行方を追ってみるわ。」


「でもよ、マナはキョウコの事を今まで共にずっと探してたんだろ?何か思う処でもあるのか?」

「そうなのよね…なんだかんだ言いながら私も相当探してのは事実ね。でもライデンの話を聞いて唯一可能性があるならーーー」

「俺達の故郷か…」


 マナの言葉に被せるようにライデンが口走る。

 その言葉を聞き頷くマナ。


「マナの言うとおりかもしれねぇな、未だに続くエナの嵐、アレの原因がキョウさんって可能性は確かに否定出来ねぇところだ。」

「そうね、タカユキの術の凄さは私も知ってる、けどあの子も負けず劣らずの実力者よ、今もまだあそこで戦っているのなら…」


 何やら思い詰めた表情で考え込む2人…。


 うーん、俺的には話聞いただけだから想像も出来ないけど、いずれは中央大陸の何処かにある、長寿の森にも行く事になりそうだな。

 それに、ナガイキョウコが未だ現存しているなら、俺の目的、元の世界への手掛かりになる事は間違いないだろうしな。









 ……









 その後一通り話終えた俺達は屋敷の広間へ戻った。

「また来るわ」と、言ったマナに優しく笑いながら「期待しないで待ってるぜ」とライデンが返す。

 2人とも僅かではあるけど、キョウコの情報が入ってきて満足げみたいだ。

 相変わらずライデンを留めている術はサッパリ分からないけど、次に逢った時はそれなりに情報を持ってきてやろう。出来ることなら本人に逢わせてやりたいけどな。



「さて…と、こっちはこっちで色々進んでいるみたいだな。」


 と広間に居るクラリスとルビィ、2人に声を掛ける。


「あぁ、ネオンの転移クリスタルなら直ぐに行けるのだが、そうもいかないからな…かと言って大所帯での砂漠越えも厳しいものだ。今回は【ヨンヨン街道】を渡り、湖の街へ行く、その後木人種の街へより、山脈坑道から結界を抜けようと思う。」

「砂漠越えは確かにしんどいよな…」


「ふん、貴様の様な軟弱者が居るからだ。定期的に封印の地へ赴いている私達には大した障害では無い。弱者には死だ、故に貴様は死ぬ。」

「いやいや、まるで俺が砂漠越え嫌がってるみたいな感じにするの止めてくんね?てか俺死ぬの!?あれれ?お前と砂漠越えしたよな!俺!」


「ふふっ、クラリス、今回はユウの意見もあるが、専らネオンの為だ、そのくらいにしておけ。」

「はっ!失礼致しました!」


 ブレないクラリス、相変わらずのルビィ脳だなーッおい!

 こちとら崇拝するルビィ様の旦那やぞ!嫁に言ってお仕置きしてもらうぞ!

 いや…まてよ?それすら悦ぶな、この変態は。


「で?山脈坑道ってのは、ここからどんなもんなんだ?」

「チッ……」

「おまっ!今、舌打ちしたな?

 ぅおいルビィ!どうにかしてくれよ、最近まともになってきたと思ったけど、やっぱりダメだぞ。」


「ふん、ルビィ様との会話に割り込んでくる貴様が悪いのだ、いちいち文句を吐くな、除隊されたいのか?」

「自分の嫁さんの親衛隊とか、よく考えたら恥ずかしいわ、いっそ除隊処分で良いよ。昼間はともかく、夜はいつも一緒なんだしな。」


「ユッ、ユウ、いきなりこんな所で何を言い出す!クラリスもいい加減にしろ、話が進まん!」


 顔を真っ赤にしながらもクラリスに檄を飛ばすルビィ。

 全く以て威厳ゼロだけどな。



 そんなルビィの反応に、渋々テーブル上の地図を指さし説明を始めるクラリス…

(壊れなきゃ)有能な指揮官という眼差しで経路や日数、宿泊所などの細かい計画を進める。



 …



「ーーーーそして、木人種が管轄する地域から『世界樹グラン』を抜けて山脈越えルートに…」

「ちょっと待て!世界樹って言ったか!?」


 地図に指を添えながら、道中経路を説明しているクラリスが、気になる言葉を口にした。


「ユウ?知っているのか?」

「あ、いや、『世界樹』って響きがさ、なんというか冒険心と俺の中の厨二心を擽るというか、なんというかなんだが…」


「ちっ、度々私の言葉を遮るとは…本格的に死にたいのか?それとも既に思考能力が麻痺して、死にたいのか?」

「前々から言おう思ってたけど、お前俺の命なんだと思ってんだよっ!軽すぎだろ!」


 世界樹なんて言葉聞いたらね、普通黙ってりゃしませんよ、普通。

 こちとらドラ〇エをどんだけやったと思ってんだバカヤロウが!


「まぁ、今のは話の流を中断した俺が悪かったけど、、、でもよ、そんな大層な呼び名の樹なんだろ?世界最大の伝説の大樹なら1度は見てみたいじゃねぇかよ。」

「…」

「…」


 あれ?何その反応?

 クラリスはともかく、ルビィまでも黙ってしまったぞ?

 また変な事言ったか俺…?


「あのだな、ユウ、世界樹グランとはな…」

「ルビィ様、大丈夫です。世間知らずとは思っていましたが、本格的に脳が沸騰しているのです。仕方ありませんが、これ以上の延命は無駄かと…。」

「おい、ちょっと待て」


 相変わらず暴走で、俺の命を刈り取ろうとする暴君にツッコミを、入れる。いや、いられまい。俺の生命の危機だ。


「なんだ?まだこの世に未練があるのか?」

「クラリスが最近ではラスボスに見えてきたぜ、、とりあえずその剣に宿らせてるエナを早く止めろ、呪いくらってる状態で無茶すんな、色々と怖い。」

「ふふ、クラリスよ、ユウもああ言ってる事だしそろそろ戯れはよしてやれ。」


 いや、ルビィ様よ。こいつは隙あらばですよ?


「かしこまりましたルビィ様。…ふん、命拾いしたな。」

「毎度思うけど、ルビィ居るとクラリスは人格変わるよな…。

 まぁ、それよりさっきの続きだけどよ、俺何か変な事言ったか?」


「う、まぁ、ユウの言い分だと、世界樹を知らなかったというのはわかるが、、、東聖大陸の世界樹グランは先ほど言っていた世界最大の大樹という訳ではないのだ。」

「ん?え?だって世界樹って名前が付いてるなら…え?普通はそう思わないか?てか、その言い方だと、他にもあるような言い回しじゃねぇかよ。」

「いや、まさにその通りなのだ、東聖大陸では最大ではあるが、他の世界樹もなかなかの大きさでな。」


 他にもあるのかよ!世界樹!普通1本だろ。

 まぁ、ライデンの話からしても、長寿の森にあった木もそれなりの大きさっぽいしな…。


「とりあえず世界樹が各地にあるのは分かった。んで?東聖大陸の世界樹までどれくらいなんだ?」

「まったく、貴様が話の腰を折らなければ、順次説明していたとこだったものを、、…まぁ良い、ルビィ様の手前だ特別に無礼講にしてやろう。」


 なんだか納得いかないが、ここは大人な対応だ。

 落ち着け俺…


「世界樹グランまでは然程長旅にはなるまい、途中『アイ湖』に立ち寄り、準備を済ませても15日以内には到着出来るだろうな。」

「うーん、やっぱり転移のクリスタルが万能すぎるな、、なんとか皆使えないものかね…」


 何往復かすれば1日とかで封印の地まで行けそうなんだけどな。

 まぁ、それに関して無理なのは身を以て知ってるが…


「うーむ、ネオンの転移術では全員封印の地まで送るのは難しいな。魔族のスネ夫は当たり前だが、ユウやカレンのように弊害もあるからな…」



 そうなのよ。

 先日、ちょっとした好奇心でネオンにケアルランドへ転移してもらおうと思っていた俺とカレン。


 魔力的には5人くらいまでなら難なく転移出来ると豪語していたので、ネオン、俺、ルビィ、カレン、クラリスの5人で観光がてら行こうと思ってたのだが、いざ術を発動してみると俺とカレンだけが取り残されるという結末…

 謎すぎるだろ。


 ちょっとワクワクしていた俺とカレンが、その場に立ち尽くすシュールな構図の完成だった。



 あれー?おかしいなー?とか、どっかの名探偵が言いそうな台詞で戻ってきたネオンに再度お願いし、今度はルビィ、クラリスを抜いた3人でリトライしたが、やはり取り残される始末。

 魔力や人数の関係では無いとの事なので、細かい誓約に何かしら俺とカレンが引っ掛かかるのでは?とルビィは言っていたが何とも言えない疎外感である。

 解せぬ。


 因みに魔族のスネ夫でも同じように取り残されると思っていたが、転移対象に自分以外の魔族が居ると術事態が発動しないらしい。

 結果、最悪スネ夫だけ置いて行く案は却下となった。

 本人にそれとなく話したら「ボンズふざけんな!」という声が聞こえてきたが、まぁ放置で良いだろう。



「こちとら、訳の分かんねえ同郷出身に狙われてるから、あまり目立って旅はしたくないんだけどな。」

「以前話していたタカユキという男か?問題有るまい、ルビィ様やネオンディアナ様、更には私を始めカレン、ザンザス、ファルコの4人もついて行く、貴様如きの護衛には過剰戦力とも言えよう。」

「クラリスの言うとおりだな、それに長旅と言えど砂漠越えのような旅と違って他にも旅人は多い、私達だけが目立つ事は無いだろう。

 いや、しかし、向こう陣営には【剣聖】が居たのだったか?奴が出張ってくる可能性もあるなら多少の警戒は必要かもな…。」


 うちのルビィ様はアクア程度ですと、多少の警戒で済むみたいです。頼もしい限り。


「ルビィがそう言うならそうなんだろうな。分かった、警戒は山脈坑道からだな。」

「あぁ、それまでは観光でも楽しみながら行こうではないか。急いでいるマナには悪い気もするがな…」


 苦笑しながら旅の計画を坦々と続けるルビィとクラリス。



 しかし、過剰戦力か…。

 東聖大陸の悪魔的存在【水聖】ルビィ。

 魔王継承権第一位【混血の魔女】ネオン。

 元イグザ連合国連合軍副長クラリスに、元特別隊、隊員カレン。

 海人族【海王】ライナス。

 おまけのオヤジとスネ夫。

 俺とマナの護衛としては確かに過剰戦力だな。心強いことこの上なしだ。



「そういえば、途中寄る【アイ湖】ってとこどっかで聞いた事あるな…あんま覚えてないけど。」

「【アイ湖】か…彼処は私もあまり常駐はしていなかったな。」

「ルビィ様には少し居心地悪い場所ですしね、仕方ありません。」


 む、またルビィを批判する奴等がいっぱいいるのか?

 イジメヨクナイ、カッコワルイ。


「安心しろ!ルビィ!俺がルビィの誤解をしっかり解いて回ってやんよ!」

「ん?あぁ、いや、、ふふっ。ありがとうユウ。まぁ私が懸念していたのは、それじゃなくて剣術の流派がな…」


 おや?どうやら先走ってしまいましたかね?

 まぁルビィ喜んでるし、まーいっか。


「剣術の流派?たしか、、ルビィの剣術が『水迅流』だっけか?」

「あぁ、中央大陸では『水迅流』が主流なのだが、ここ東聖大陸では『剣咲流』が主なのでな、私達流派はどうにも居心地が悪いのだ。」


 流派が違えば世界が違うみたいなアレか?

 まぁ俺からすれば、剣咲も水迅もどっちもどっちなんだけどな。


「確かに。我が軍でも同じ流派同士で班を組ませる事が多いですね、三竦みの理から相性もありますが…。」

「三竦みの理ってなんぞや??」


「うむ。その昔、剣の極めし者【極士】が言った言葉なのだが、、

 天は剣を制し、剣は水を制し、水は天を制し。

 その言葉から生まれたのが『天応流』『剣咲流』『水迅流』の流派なのだ。」


 指を3本立てながら俺に説明するルビィ。

 やばいカワイイ、流派とかどうでも良いわ。


 要約すると、グーチョキパーのジャンケンみたいな感じか?


「ふーん、水迅流からしてみたら剣咲流との相性が悪いみたいな感じなのか…」

「カレンも当時はぼやいていたな。」

「そうですね、特隊の者達は殆どが『剣咲流』ですしね。」

「ん?クラリスは?」

「私はどこの流派にも属さない。」


 おぅ、かっけーな。


「クラリスは相対した技は全て覚えてしまうからな、流派に囚われないのだ。」

「ルビィ様からそのような御言葉、畏れ多い限りです。」

「なんでそんな万能なのに、中身がコレなんだ…」


「何か言ったか?」

「何も言ってませんよ?」


「んで?流れからすると【アイ湖】には『剣咲流』関係の何かあんのか?」

「あぁ、『剣咲流』流派本部があるな。」

「おぇ…まじか。」

「そして、現代の流派最高実力者が【剣聖】アクア、ネオシグマ帝国4聖将の一人だ。」


 アクアか…

 あの時の戦いしか見てないけど、あんな狭い洞穴じゃなくて、広いところで本気出されたらヤバかったと思う、、カレンもよく抑えてくれてたよ、ホント。


「剣咲流本部がイグザ連合国内にあるのに、最高実力者がシグマに居るとか訳分かんねえな。普通は道場主みたいにデーンと構えてるんじゃないのか?」

「ユウの世界では、そういうものなのか?

 そんな事を言えば、私の『水迅流』も中央大陸に本部があるぞ?」

「むむ…確かに。そう言われれば、そうかも。んじゃ、本部ってのは誰が切り盛りしてんだ?師範代みたいな奴か?」


「師範代という呼び方はそこまで浸透していないな。ある程度の技量を持てると、『豪』の称号を与えられる。それが、ユウの言うところの師範代みたいなものだ。」

「ほほー、なるほどねー。因みに『豪』の上とかあるんだよな?」

「勿論だ、『豪』『頂』『極』『神』『聖』となる。術士の強さと一緒だ、聖に近いほど人数は少なくなるがな。」

「あー、なんか本で勉強したかも、あんまり覚えて無いけど改めて聞くとしっくりくるわ。『水聖』ルビィ様。」


 水迅流の最高峰が我が嫁か。うん。なんか凄い。

 剣咲流の最高峰がアクアか。よく生きてたな俺。



「アイ湖にて、『剣神』辺りが絡んでこないと良いのですが、如何せん此方からの話を聞く事の無い者達でして…」

「仕方あるまい、彼等にも彼等なりの考えがあるのだ、私達がとやかく言う事ではない。それに無闇矢鱈に仕掛けてくる理由も無い、と、思いたいな。」


 自信なさげに苦笑するルビィ。

 やはり、流派同士のいざこざは面倒か…

 でもまぁ、ルビィ本人だって気付かれないなら問題ないか、、、現にケアルランドでもルビィの素顔を知ってる奴少なかったしな。


「ちなみその『剣神』とやらはクラリスとどっちが強いんだべ?」

「真っ正面から挑まれれば苦戦は間違いないな…必ずしも勝利出来るとは言えん、それなりに策を弄して善戦は出来るがな。」

「ほほう…流石は副長様だな。」

「何にせよ相対しない事が最善だ、くれぐれもユウとカレンは目立った行動は控えるように気を付けろ。」


 おっと?

 まるで俺が毎回問題を起こすみたいな言い方良くないよ。あながちだけどもさ…。


「今回の旅に関しては大丈夫だ。そこまでトラブルメーカーじゃないと思いたい。うん。大丈夫。」

「ルビィ様はユウの護衛、ユウが問題を起こせばルビィ様に迷惑が及ぶ、その事を肝に銘じろ!」

「分かった分かった、問題無い。」

「勝手に独りで出歩くな、基本宿場に着くまで馬車からは出るな。」

「…」

「ネオンディアナ様を連れて観光なんて以ての外だ、自重しろ。」

「…」

「序でに言わせてもらうとルビィ様とは寝床を別にーーーーーー」



 長ぇ…

 俺に対する注意事項が本一冊くらいになるんじゃねぇか。

 どんだけ信用無いんだ俺は。



 小姑のようにくどくどと話し続けるクラリスの言葉を話半分に聞き流しながら、過酷でもあろう封印の地を目指す長旅に、ワクワク感が止まらない俺だった。



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