40話 回帰そして真実へ
ひょんな事から飛ばされた異世界の常識を目の当たりにした俺は、改めてこの世界と元の世界との溝を感じていた。
……
この世界で暮らす人々の『種族』は大別すれば2種類。
純血種か、そうじゃないかだ。
純血種にも様々な種族が在るが、その数はごく僅か…。
しかしそのごく僅かの純血種は、この世界へ多大なる影響力を持っている事を俺は歴史書物で学び知っている。
純血種がごく僅かということは、残りは純血種以外の人間、すなわち亜人種。
その亜人種がこの世界の大半を占めているなら、各大陸や国を統治しているのが純血種ではなく亜人種っていうような地域も少なからず在るわけで…
ここ東聖大陸連合国ケアルランドケアルランドも、その例外ではない。
じゃぁどうやって亜人種に格差を付け王や貴族連中は一般市民を統治しているのか…
経済的要素や連合国設立に貢献した等色々あると思うが1番の理由は『ロッド』と呼ばれる格付けだった。
『ロッド』
ここ東聖大陸は連合国設立の際、術式の組み込んであるクリスタルを改造した門を設置。
そいつをくぐると、そのくぐった人物の格差が表示されるシステムだ。
連合国民は、ほぼ全員と言って良い程、このロッドシステムを通過している。
故に『ロッド』が高い順に階級が決まってしまうという事だ。
まぁ、中身のシステムはよく分からんが元々の純血種の血の濃さや、能力、それに両親の遺伝子情報等々…それらを全て読み取り階級分けしているみたいだ。
因みに聞いた話だと、このロッドシステムは連合国設立のずーっと前から中央大陸では使われていたようで、クラリスの家系を始めとする4大名家が最上級、んで、そのすぐ下からはドングリの背比べらしいけど、最下層は『シングル』と呼ばれ、階級が1つ上の奴等にさえ蔑まれる程酷いものらしい、噂では殆どが奴隷らしいが……。
そんな下らないシステムなんかあるから、戦争ってのは無くならないんじゃねぇのかよ…。
……
「で?そろそろ本題に入りたいんだけど良いかしら?」
そう言いながらテーブルの向かい側から、俺を見つめる女性。
俺がこの世界へ飛ばされる前に逢った人物、マナだ。
今俺達は、マナの手配した宿に来ている。
俺とオヤジとカレンが話してる最中にスネ夫はマナと合流し、その後何事も無く中央地区に入った。
それからの行き先をどうしようか考えていたノープランの俺達、そんな俺達に宿を手配していてくれたマナ。手際良すぎだろ…
オヤジとスネ夫も第3部隊の宿舎へ後ほど顔を出すらしいが、少し緊張状態が続いたので、今は部屋で小休止だ。
そんな中俺は、道中聞いたシングル達の話を簡単に纏めながら話してたんだが、そろそろマナが痺れを切らしそうだな……
「あぁ…すまねぇ、ちょっと未だにこの世界の価値観に馴れなくてな…」
「ふーん……まぁ、そういうものよ、私も苦労したし。それより私はユウに聞きたい事が山ほどあるの、さっきは体調が悪かったのもあるけど…今は万全だから、ゆっくり聞かせてもらうわよ。」
腕を組みながら、睨むとは違った目つきで俺を見るマナ。
「体調が悪かったって、俺には酒に呑まれてたようにしか見えなかったぞ?」
「ちっ、違うわよ!いつもはあれくらいじゃ平気なの!」
「ふーん、まぁ良いや。んじゃまず何から話すかねぇ。」
確かに俺も聞きたい事は腐るほどある。
この世界の事、元の世界との繋がり、マナが何故この世界に居るのか、そして…あの夜の事を覚えてないのか…。
「んじゃ、俺から聞くけど、マナはこの世界
に来てからどれくらいなんだ?随分と馴染んでるみたいだし、結構長いのか?」
と、俺の何の変哲も無いだろう当たり前の質問にマナの表情が曇る…
「……。」
「ん?どうした?」
「いえ、なんでもないわ。ごめんなさい、後々話すけど…
まず私がこの世界に来た時の事だけど、正直分からないわ。」
「はへ?」
「分からないのよ、いつから居るのか…。どうやってこの世界に来たのか…」
「マナ、お前記憶喪失なのか??」
分からないって何だ?そのままの意味なら記憶喪失って事だよな?
俺は覚えてる、今でも覚えてる、あの日の夜起きた事、そしてそのままの身体の状態で世界が変わった…。
それまでの日常から切り替わった、あの日は忘れやしない。
「元の世界で私が生活していた記憶は今でも鮮明に覚えているわ、そして、その日常が急に変化したのも…。」
「何言ってんだよ、それだよ、それがこの世界に来た日だろ?」
「違うのよ…」
目を伏せながら、ゆっくりと首を横に振るマナ。
「確かに、今の私が覚えてる事を遡れば何年間この世界で暮らしていたか容易に算出出来るわ。そして、元の世界での最後の日……あの時の記憶は鮮明に今でも頭の中に記憶されてるわ。
でも、何が起こってこの世界へ来て、そして目覚め後の記憶……そこだけ思い出せない。スッポリ抜けているの…。」
「抜けて…る?」
「そう、今の今までこの世界で生活してきた事は覚えてるし、元の世界での記憶だってある。」
「マナは、元の世界じゃ何をしていたんだ?」
「一応大学院で研究をしていたわ…」
うわぉ、俺みたいなフリーターとは違うぜ、大学院とか凄いな…
「ユウは?何か抜けてるとか、そういう症状はないの?」
「しっかり、はっきり覚えてるぜ!強いて言うなら、こっちに飛ばされた夜以前の記憶の方が曖昧だな、なんせこんな刺激的な事態に陥った事すら無かったってのもあるけど、毎日同じような事の繰り返しだったからな…」
「そう…」
なにやら想うところでもあるのか、相変わらずマナの表情は曇ったままに見える。
「こっちに来てから半年…って言ってたわね…」
「ん?そうそう、まぁ最初のひと月は怪我の回復に専念しながら言語を覚えてたんだけどな。」
「場所は?」
「ん?」
「目覚めた場所よ、どこで目覚めたの?」
「えっと、この大陸の南にある『封印の地』って言えば分かるか?」
「…ッ!?そんな!?」
突然立ち上がり声を荒げるマナ。
座っていた椅子は倒れ、マッタリしていた3人もこちらに顔を向ける。
「お、おい、いきなりどうした?」
目の前のマナはジッと俺を見つめている、何かを訴えるような目ではなく……
そう、何かを探るような……
…
「ふう…。
ごめんなさい。やっぱり違うわ。」
と、軽く一息漏らしながら意味ありげな台詞を吐くマナ。
「俺が封印の地で目覚めた事がそんなに変なのか?それに、違うって、どういう…」
「待って!」
掌を開き俺に向ける。
その仕草に俺は言いかけていた言葉を飲み込み、マナの様子を窺う。
倒れた椅子を直しながら、何やら考えてる様子のマナ…
この様子だと何やら重要な情報を話してくれそうだな…
しかし何だ?やっぱりあの日記の内容にもあった通りマナは結界柱やネオクリスタルに関係あるのか??
そんなこんな自身の考えを整理しているとマナが口を開く…
「まず、ユウに一言だけ言っておくわね。
私は全てを知ってる訳じゃないの、それだけ覚えておいて。」
「ん?何だよそれ?」
「これから話す事の説明が難しい部分もあるということよ。」
何だかよく分からんなぁ…
けど、まぁ聞かない事には進まないしな。
「あぁ、分かったマナは全部は知らない、説明出来ないところはしなくても良い。俺にとっては少しでもこの世界の謎が解けるならっていう小さな希望程度に留めておくよ。」
そんな俺の言葉に少し肩の力が抜けたのか、小さく笑みを溢す。
「ありがとう、そんな風に言って貰えて助かるわ。
じゃぁまず聞かせて?ユウは眼の力、どこまで見えてるの??」
「おいおい、いきなりだな。まぁ、なんていうかアレだよ、エナの色っていうか干渉?されたエナの色だな。」
「他には?」
「他?他って言われたってマナみたく人種を見分けるようなのは見えないぜ?」
「そう…よね…思った通りだわ。」
「???」
テーブル越しから身を乗り出し、俺の顔、いや眼をジッと見つめるマナ。
なんか、端から見たら言い寄られてる感じに見えないか?これ…
チラッとカレンの方へ視線をやると、案の定少し不機嫌な表情でこっちを見ている…
只でさえマナの事警戒してるのに、まったく…面倒くさい事にならなきゃ良いけど…。
「ユウ、貴方は亜人種よ、コレは私の眼にそう見えるの。そして、私は純血種。この世界へ来た人達も皆純血種だったの。」
「あぁ亜人種ね…前にも言ってたから……って!
ちょっと、待て!?今なんて言った!?この世界へ来た人達って!?」
俺が亜人種…んで、マナは純血種?
それよりも、この世界へ来た人達…『人達』!?皆純血種??
「落ち着いて聞いてくれると助かるんだけど、どうやら無理みたいね…」
「あ!当たり前だ!いきなりマナが純血種って言われて!おまけに、他の人達!?俺とマナ以外にも居るのか!?この世界に来てしまった人が!」
人達ってことは、少なくとも2人以上…
「ええ、居るわ。私が出会ったのは貴方で4人目よ、ユウ。」
「よ、4人目…じゃぁ、俺とマナを合わせて5人が元の世界から…」
「そういう事になるわ。」
気付いたら俺はその場から立ち上がっていた、テーブルに手を付き、マナの方へ身体を乗り出しながら、食い入るようにマナの一言一句を逃さぬように……
「んじゃ、俺が封印の地で目覚めた事でマナが驚いていたのって…」
「あら?知っていたの?彼処は純血種の出入りが出来ない特別な結界が張ってあるのよ。私はユウが純血種だと思っていたわ、元の世界から来た他の人達は皆、純血種だったもの、貴方も純血種だと思ってしまって…それなのに封印の地で目覚めるなんて、ましてや結界を越えて、ここケアルランドまで旅してるなんて、内情を知っていれば誰だって驚くわよ。」
と当たり前のように、淡々と話を進めるマナだが、俺からしてみれば、まったくもって謎だらけだ。
元の世界から来た他の3人とマナは、純血種なのに俺だけ亜人種?
そしてマナは封印の地を知ってる…その効果も…
「この眼ってのは何なんだよ、俺はケアルランドでメンテナンスっていう手がかりを探しに来たんだ。」
「メンテナンス?」
「あぁ、砂漠の結界柱の中で、取説みたいな本にそう書いてあった…。」
「ふふっ……なるほど…ね…」
少し含み笑いを隠しながらマナは言った。
「ユウ、貴方には必要ないわよ、それ。」
「え?」
「眼のメンテナンスは当時の『管理者』の為に行われていたものよ、そもそも私達元の世界の人間には、この世界の術は使えない…それは身をもって知っているはずよ?」
目の前の女は何を言ってるんだ…
いや、何を知ってるんだ?
その口ぶりだと眼の事以外にも…
「でも、驚いたわ…まさかそんな大昔の事を今になって言われるなんて…」
「大……昔…。」
「随分前の事ね…そっか…封印の地…か…。」
頬杖をつきながら、少し遠い目線で何か物思いにふけるマナ…
「なぁ、聞かせてくれよ、正直突っ込みどころ多すぎて何から言えば良いか分からなくなってきたけど、マナはいつから、いや、何年間この世界に居るんだ??」
「……」
その言葉を聞いたマナはチラッと俺の方を見て、何か考えるように眼を閉じる……
そして、ゆっくりと自身の物語を俺に告げる…。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
……
痛い……
頭が痛い…
眩しい……
ここは?
……
…
「よぅ…目が覚めたか?」
私の1番深くにある記憶……
特別珍しくもない声…
だけど何故か安心出来るそんな声…
「ここ…は?……ッッ!?痛ッ!!」
「まだ休んでろ、頭痛いんだろ?
ここは…安全な所だ。」
「安…全?」
開口一番訳の分からない事を口走る男の声に恐怖した。
ゆっくりと辺りの様子を確認してみると、石壁のような、岩を綺麗に削り取ったような、そんな壁に囲まれて光る石が室内を照らし出していたわ。
私の目覚めたベッドから数メートル離れた場所にテーブルと椅子が並んでいて、そこに声の主は居たの。
「貴方は……誰?ここはどこなの?どうして私がこんな所に…」
「…そうか……今回も…か……」
「ちょっと!聞いてるの!?」
男は訳の分からない事を口にしていたわ、正常な人間なら目が覚めて、知らない男と知らない部屋、警戒しない訳がないのに、何故だかその時の私は、そこまで警戒していなかった。
そんな男の様子を伺いながら、ゆっくり自身の身体全体の確認をしてみると、頭に違和感があったの…
「こ…れは?」
自身の頭を触りながら思わず漏れた声に、男が口を開いたわ…
「かなりの出血だったからな…一応処置だけはしておいた。」
頭には何か薄い布のような物が巻かれていて、触ると痛みが伴ったわ…出血と言っていたので頭を怪我したとすぐに察したわ。
「貴方が…手当て…を?」
「いや、手当ては俺じゃない…もうすぐ戻ってくるから礼ならソイツに言うんだな。」
もうすぐ戻って来るって…
他にも誰かが?
いえ、それよりも状況の把握を…
ここはいったいどこなの?
まるで中世ヨーロッパ時代のような造りよね、そしてあの光る石…あの男の服も見たことない格好だわ…まるで日本じゃないみたいな…
そんな事を考えていると、部屋の奥の方から物音が聞こえる…
「ただいまぁ…って、アレ?目ぇ覚めたの!」
見るからに若い女の子、化粧っ気の無い素顔の少女は10代前半から半ばくらいだろうか?見たこともない服を着て何か荷物を持っている。
「おかえり、今目覚めたところだ…それよりも状況はどうだった?」
「それよりって何よ!マナが目覚めた方が大事でしょ!バカッ!容態は?アタシが居ない間ちゃんと看てたんでしょうねっ!」
!?
私の名前を知ってる!?
どうして……
「そうだな、すまない、アレから熱も出てないようだし傷も思った程深くない…」
「当然よ!アタシが手当てしたのよ!」
腕を組みながら、ふふんと鼻を鳴らし満足げな表情で目の前の男に気軽に話しかける少女。
どう見ても男の方が年上に見えるのだが、少女の素振りは、目上の人に対する態度では無く…まるで家族のような…
「ねえ!マナ?」
「え……!?」
「何よ?まだ痛むの?それとも具合悪い?お腹空いてるなら何か食べる?」
目の前の少女は距離感無視で話し掛けてくる、そんな馴れ馴れしさは初対面とは思えない…それに……
「あの…貴女は?」
「ぇ……?」
まさに鳩が豆鉄砲喰らったような顔で固まる少女。
「えっと、手当てしてくれたのよね?ありがとう。でも私、どうしてこんな所にいるのか説明してもらいたいんだけど?」
「……ッ!」
「???」
私の発言に、急に表情が曇る少女…。
それを見て首を傾げてしまう。何か変な事を言ってるのかしら?
「マナ、アタシの事分からない……の?」
「感違いだったら本当に申し訳ないんだけども、多分初対面だと思うわ。」
その一言を聞き少女は顔を伏せながら、何か考えてるようだ。
そして私に聞こえるかどうかの小さな声でボソリと一言呟く…。
「そっか……またダメだったんだ。」
「ぇ?」
「ううん!何でも無い!とりあえずさ、色々話ししよ!分からない事ばかりでしょ??」
「え?ええ、助かるわ。」
何やら事情がありそうだけど、少女と男に話を聞かなきゃいけない。
2人の事や、ここの場所、何より私のこの怪我はいったいいつの間に……
……
…
「はい!という訳で!まずは腹ごしらえにします!!」
パンッと手を合わせ、テーブルの上に並べられた料理を食べ始める2人。
目の前の食材は私が普段食べてる物と大差ない料理だった。
「えっと、食事はありがたいんだけど…」
「むぅ??マナ!食べなきゃ治るものも治らないよ!早く食べて!」
ズイッと私に皿ごと押し付ける少女、その横ではチラチラと様子を伺いながら食事を続ける男…。
「じゃ、あ、いただきます…」
「うん!」
ニッコリと笑顔で私を見つめる少女。
なんだか落ち着かない感じだけど、どこか不思議と嫌じゃない。
「これ、美味しいわ…」
「へへーん!アタシの自信作だよっ!」
素直に漏れた感想に、嬉しそうな顔で頬杖をつく少女…
このパンもスープも凄く美味しい、なんというか余計な物が入っていないような、そんな優しい味。
「いつまで眺めてるんだ、さっさと食べてくれ、今日はオレが片付けなんだ…」
「出たぁー!自分の損得発言ー!あー嫌だ嫌だ!人には人のペースがあるの!皆が早食い出来るわけじゃないのー!」
「……オレが言いたいのは、そうやって見られてると、食べにくいと思ってだな、お前も自分の飯を食べる事に専念しろという意味だ。」
目の前の2人は仲が良いのか、悪いのか…
しかし、見るからに常にこういう遣り取りをして生活しているんだろう、そう思えた。
男に諭されたのか、少女はあっという間に食事を終わらせ、「これで文句ない?」と言わんばかりの目で男を見ている。
そんな2人を眺めていると、2人から何やらボンヤリと違和感がある…
「え?」
目を擦りながら、辺りの様子を見るが、特に変わった所は無い。
だが、目の前の2人は私が今まで見てきたソレとは違うなにかを私の眼に映し出す。
「ね、ねぇ!貴方達、その、それ、なんなの!?」
「ん?それ?」
「どうしたの?何かおかしいかな?」
私の質問もどうかと思うが、何と形容して良いのか分からない以上、そう言うしかない。
「なんて言ったら良いのかしら、その、違和…感とでも言うのかしら…」
「あぁ…そうか!
えーっと、どうしようかな、ちょっと待ってね!」
何か思い出したかのように少女はポンっと手を叩き、そして考え出す…
顎の下に拳を当てて分かりやすいジェスチャーだ。
「少し、いいか?」
「えっ!?」
そう言いながら、スッと私の眉間に指を添える男。
何故だろう、普段なら例え同性相手でも顔には触れさせる事はしないのに…
そんな事を考えていると、目の前の2人の違和感が無くなる。
いや、これは見えなくなる。と言うのが正しい。自問自答しても分からないが、頭の奥の方で知らない自分がそう理解している。
「どうだ?」
「あ、ありがとう…今のはいったい…」
「ちょっと!ショウさん!そうやっていいとこ取りするのズルいよ!」
「何を言ってる、まったく、お前がウダウダ考えてるからだろ?」
「ショウ?さん?」
「ん?あぁ…すまないな、……そう、だな、自己紹介……がまだだったな。」
「……そ、そうね。
んじゃ!アタシからお先に!えーえー!オホン!
アタシの名前はキョウコ!んで、こっちはショウヘイ!アタシより結構年上だから一応さん付けで呼んでるけどね!」
「キョウコ…と、ショウヘイ…ね。私はマナよ、宜しく2人共。」
「オレの紹介までありがとよ、宜しくマナ。」
と言いながら片手を差し出すショウヘイ…
「ちょっと!アタシも!」
続いてキョウコも片手を差し出す。
「ふふっ宜しくね…」
2人と握手を交わす。優しい表情を浮かべるショウヘイ、ニコニコしているキョウコ、未だに頭の中が整理できてないけど、とりあえず2人から話を聞こう。
それが私のこの世界での1番最初の記憶。
ナガイキョウコとトダショウヘイとの出会いの記憶。




