↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
6/7

6話目 謎だけが残りました。


【パターン6】


 月が降って来るような夜。

 家に戻る、帰り道の途中で。

 夜空をクジラが泳いでいた。


「アレおおきいよなぁーいつ見ても」


 公園で遊んでいたら空を飛ぶクジラ。

 ボケーと見上げながら思う。

 完全にお前もう背景扱いやん?すると。

 蝶がふらふら目の前を横切った。


 そちらに意識が向き、歩きながら。

 つい、手を、伸ばした、瞬間。



――フッと。



「■■■■■■!?■■■■■■!!」


 痛っったぁ……寝てた?今?


「■■■■■■ッ!■■■■■■■■!!」


 すごい、声が、聞こえる。


「■■■■■■■!?」


 痛いし、うるさいし……なんなん?


「■■■■ー?■■■■■■?」


 ああもうわかったわかった。

 うるさい今起きるって……。



ーーー



 病院で看護師さんに。

 結構な人数で囲まれてた。


――すごい笑顔で。


「名前はー?」「かわいいねー」

「どこからきたのかなー」

「いつもなにして遊んでるのー?」


「なんかすごいやん」


 とても笑顔、すっごい笑顔、

 こんなに大人に囲まれてチヤホヤされたの始めてかもしれない。

 ただ……なんていうんだろう?

 とても、緊張感を、感じる。

 いっぺんに質問するのをやめてほしい。


 まるで〝誘われるように〟奥へ、奥へと。

 変わるがわる質問をされながら。

 いや律儀に答えとるけども……。


 いっぺんに喋りかけるのやめて?

 聖徳太子じゃないじゃん?


 というか立ち回りがおかしない?

 なんで急に変なとこで立って止まる?

 普通は前とか後ろから案内しない?

 何を隠しとるん?


「こっちだよーおいでー?歩ける?」


 いや見たらわかるやん?

 見てのとおりやん?


「偉いねー」


 二足歩行が?

 でも笑顔だからなんかどうでもいいか。

 なんかこっちも笑顔になってきた。



 白い部屋、大きい機械。



 身体を固定されてウィーンと入れられた。

 鏡ごしの看護師さん達。ハゲたおじさん。

 これなに?……ホンマなに?

 チラっと見ると



 ――全員真顔になっていた。



「動かないッ……でねー?」


 スピーカーから急に焦りながらも優しい声。

 学校の教室の、放送から話されてる感じ?


 ちょっと怖いなこれ。

 誰か一緒に入ってよ部屋に?


 いきなりこの部屋一人でウィーン。

 ちょっと納得できないよ?


「あと10分だよー」


 それ休み時間ぐらいじゃん?

 ドッジボールできる時間って結構長くない?


「動かないでねー」


 気になるじゃん!?さすがに!?

 このピカピカ光る大きい機械何?

 そういうアトラクション?


「……まぁ後は、様子と経過を見て」

「〝処置〟に移ります?今いけるそうです」

「あと、お父様も凄い剣幕で……」

「抑えながらですか?いやちょっとそれは」



 そのまま別室へ。



 また笑顔になってるけどなんか雰囲気変わったね?

 立ち回る動きが変わってないけど。


 普通についてくのじゃだめなの?

 なんだろう……猛獣扱いされてる気分?

 動物園思い出してきた、またキリン見たいなぁ。


「キリン見たいなぁ」

「キリンさん好きなのー?」


 声にでちゃった、でもさ?

 私が「ちゃん」でキリンが「さん」って。

 なんかこう……キリン格上扱いじゃん?


 あとワンワンやないやん?謎言語やめて?

 でも好き、犬とか特に。飼いたいもん。

 飼えないマンションやけど。



 机と椅子がある部屋に通される。



 今度は白衣を着たおじさんがいる、だれ?

 今度はガラス越しじゃなくて、対面で。


「椅子に座ってねー」


 まぁ座るけども、ていうか。

 変な顔してないよね、今?

 公園の帰りなんだけど。



 つい、横の〝鏡〟を見た。



 看護師さんが(しまったッッ)と青ざめる。

 壁に設置された鏡を見ると。



――身体の半分が血に染まっていた。



「なんかすごいやん」


 全身を見るとやっぱすごいねこれ。

 ああ血?……知ってるけど?

 ハンカチで抑えて止めた、でも派手だね。

 これ隠してくれてたの?あぁだからか。

 窓ガラスとかの前で立ってたの。


 もう家で散々見たよ?これ?


 公園の、ブランコ跳ねられ、吹き飛んで。

 頭部をガツンと、柵すら超えて。


 俳句できちゃった。


 意識失ったけどね、すぐ起きたらしいけど。

 ハンカチで痛いとこ押させて家に帰った。

 お父さんが引っくり返ったけど。


「落ち着いてて偉いねーチクっとするからねー」


 注射かな?あれ嫌いなんだけど。

 痛いもん。


「予防接種?」


 今年もう学校でやったぞ?


「ちょっとねー縫うかなー」


 そんな便利な言葉ではないやん?ちょっと。

 ぬいぐるみではないやんウチ?



ーーー



「あの看護師さん麻酔は……」

「お父様、怪我の位置的にちょっと」

「いや麻酔なしで縫合ってお前」

「いったん別室行きましょう!お父さん!」

「我慢出来て偉いねー」


 スタンプラリー感覚で注射の痛みが来る。

 チクッチクッするのやめてほしいッッ!

 でも動けないじゃん?学校で言ってたもん。

 注射中に動くと「針が脳まで行って死ぬ」って。


 ていうかこのお医者さん以外なんか圧を感じる。

 看護師さん笑顔どこいった?

 どういう感情?それ?


「どういう感」

「動かないでねー」


 これなに!?だから!?

 しゃべるのもアカンの!?

 チクチクされるし凄い顔だし

 お父さん騒いで外に出されたし。


 そんなこんなでさっと終了。


「麻酔なしでよくがんばったねー」

「うん、飴ください」

「…………飴?」


 予防接種の時もらえるじゃん!

 あれだけ打ったならたくさんください!


「ちょっと売店見ていきますね先生!?」


 そういうシステム?



ーーー



「まさか麻酔なしで縫われるとわなぁー」

「逆になんでお前泣かへんの?」


 飴もらったから?

 泣いたら恥ずかしいじゃん?

 学校とはシステム違ったけど。


「何食べたい?」

「ファミレスのハンバーグ!」

「ちょっとお父さん今日は無理だわ」



 …………。


 ………………。


 ……………………。



「これ逆に、謎が始まってない?」


 そっちがお話を弄りだすの?

 急に主導権持つじゃん。


「いや言ったれ言ったれって声が聞こえた」


 どういうこと?(すっとぼけ)

 とんでもない事になったね?

 ミステリーを書いたら。


「まずミステリーではないな?コレ?」


 はいストップ!おしまいです!

 飴あげるから?次に行きます!


「飴ちゃんもろたから見逃したるわ」


 よしハイ次っ!

 次次次次手ばやくドン!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。