第3話 選ばれた
「ちょうどケーキが焼けたところで。食べていくだろ?」とニヤッと笑う。
「やったぁー。食べる食べるー」と速足で中に入る。
おばあちゃんの家の中は薬草が干してあったり、いろんな鉢植えがあって複雑だけどいい匂いがする。
足にすり寄ってきたカーバンクルを撫でていると、鼻の奥をくすぐるいい匂いがしてきた。思わず目を向けるとホカホカの木の実ケーキをお皿に乗せておばあちゃんが来た。
「どうぞ、おあがり」と大きくカットしたケーキのお皿を渡してくれた。
「ありがとう、おばあちゃん。私このケーキ大好き!」と『いただきます』も言わずにフォークを刺し、一口パクリ。
「おいしー」と両手を頬を添える。
「そんなに喜んで貰えるなんてねぇ。・・・・さぁ、お茶も入れてこようかね」とおばあちゃんは再び台所の方へ行ってしまった。
ケーキを食べながら部屋の棚に置かれた物をキョロキョロと見渡す。
・・・ふと、あるところで目が離せなくなった。何か呼ばれた気がして椅子を立つ。
ゆっくりと棚に向かい、そこにある箱を手に取る。『フワッ』と優しい風が吹き、それと同時に木の箱に『クルア』の名前が浮かび上がった。
ハーブティーのポットとカップをトレイに乗せたおばあちゃんが台所からでてきた。
箱を手に取っているクルアを見て
「おやまぁ。どうやらクルアは選ばれたようだねぇ」と嬉しそうに目を細める。
「これは何?」と聞くクルアに
「開けてごらん」とおばあちゃん。
そっとクルアが蓋を取ると16色のクレヨンが並んでいた。




