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あの日、言えなかったありがとう  作者: 二晴


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3/4

最後の弁当の日、母さんのメモが復活していた

うちは母子家庭。

母さんは朝早くから仕事に行くのに三年間ずっと弁当を作ってくれた。


中身は豪華じゃない。

大半は冷凍食品と、昨日の残り物。


それでも毎日作ってくれて、小さなメモまで書いてた。


『今日も寒いから気をつけて』

『テスト頑張れ』

『○○ならレギュラー入りできるよ!』


ある日、そのメモを友達に見られて


「マザコンかよ」


と笑われた。

恥ずかしくて、帰ってすぐ母さんに怒鳴った。


「うぜぇから、もうやめろ」


母さんは一瞬だけ固まって、悲しそうに笑った。


「ごめんね」


次の日からメモは消えて、

俺は安心して弁当を食べれるようになった。


そして卒業前、最後の弁当の日。

それまで入ってなかったのに、またメモが復活してた。


『三年間お疲れさま。

毎日ぜんぶ食べてくれてありがとう。

母さんは、それだけで頑張れました。』



あー…馬鹿な事したな……


と思ってトイレで泣いた。



家に帰ってからさ、初めてちゃんと母さんに頭下げたよ。


「三年間、ありがとうございました。

ひどいこと言ってごめん。」


母さんは強めに俺の肩を叩いて、涙目で笑った。


「当たり前じゃない。こちらこそ、食べてくれてありがとう」


みんなも親には感謝しろよ。



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