「僕が一緒に行ってあげるよ!」
「僕が一緒に行ってあげる。迎えにも行ってあげるよ」
仕事がつらかった。
何をやっても毎日怒鳴られる。
誰も認めてくれない、見てくれない。
父親として情けない話だが、うつ病になって会社を休んでいた。
妻にも息子にも合わせる顔がなくて、自室に引きこもる毎日。
そんな時、妻が父の日だからと息子が描いた絵を持ってきた。
日付の感覚もなくて、今日は父の日か…くらいに受け取った。
描かれていたのは、黒い服を着た俺と、その隣で笑っている息子。
ぼーっとその絵を眺めてると
「あの子、パパが休んでること理解してるみたい。
『次、パパいつ仕事行くの?
僕が一緒に行ってあげる。迎えにも行ってあげるよ』
だって。」
「スーツのパパが送り迎えしてくれるの、自慢だったみたい。
格好良くて憧れなんだって。
自分が嬉しいからパパにもやってあげたいんじゃない?」
言葉が出なかった。
黙っていると妻は続けた。
「沢山頑張ってきてくれたの、私もあの子も知ってるから
休みたいだけ休んでいいよ。
ルフィたちも二年修行して強くなったじゃん!笑」
それを聞いた瞬間、視界が明るくなった気がした。
涙の反射のせいかも知れないけど。
まずは、この部屋から出ようと思う。
明日は息子の送り迎えに行く。
〇〇家のヒーローに、俺はなる!




