第十四話:神様さんと戦闘準備
はぐれ召喚獣 。
簡単に言ってしまえば召喚術師から逃げ出した召喚獣のことだ。
召喚魔法っていうのは前にも説明した通り、通常の魔法に比べてややハードル高く一般人が手を出すのは難しい。
というかそもそも法律的にグレーだったりする。
それでも僕みたいな人間はいて、そんな時、召喚魔法に成功するも、その後召喚獣に逃げられるケースが存在する。
それがはぐれ召喚獣だ。
召喚した魔物や精霊の種類にも寄るが、中には危険な物もいるため、そんな時はニュースになったりする。
普通は警察の人とか、専門の魔法教会の人が捕獲するものだけど……。
(どこかから逃げ出してきたのかな)
こうもり猫さんの事情は知らないが、彼女も同じように召喚術師から逃げ出した魔獣なのだろう。
「距離は500m。まだ気づかれていないようだけれど、こちらに真っ直ぐ向かってきてるみたいね」
「ねえ、こうもり猫さんこのまま飛んで逃げるのはダメなの?」
「ダメよ。昨日も一昨日もそう思って逃げた先にアイツがいたのよ。ここで絶対に勝てないと思わせないといけないわ」
僕らは今空にいた。
こうもり猫さんが綺麗な年上のお姉さんに変貌を遂げた後。
洞窟からびゅんと飛び上がった僕たちは今、夜空の中、夜空の星が輝く中、遠くにいるという彼女の方を向いていた。
――――天坂・ジブリエル・花子。
正直予想はできた。
そもそも僕らはジブリルさんが魔獣狩りをするという情報をもとにこの山にやってきたのだ。
「それでどうするんじゃ猫よ。妾の見立てだと、コイツは不意打ちってやらないと勝つ見込みはないぞ」
「ならば不意打ちってやればいいだけのことよ。正々堂々手段を選ばず正面から不意打ちってやりましょう」
「カッケーなおい」
と褒めた僕に、こうもり猫さんは、
「そのために貴方達がいるのよ」とウインクをした。
「ええっと、それって ……」
「囮かぁ」
そんな役目ただやる訳にはいかんのう、とメフィストは笑った。
「そう? ならこれを」
「なんじゃ? 妾は契約を行い魂を奪う悪魔、そう簡単に交渉事には乗らんぞ?」
「ヨガのクーポン券をあげるわ」
「乗った 」
「安いなおい!」
いいのかそれで、お前の交渉術それでいいのか 。
「冗談よ。囮になるのは私。貴方達は背後から彼女を攻撃してちょうだい 」
こうもり猫さんの作戦はこうだ 。
まず自分がジブリルさんと戦い彼女の気を惹きつける 。
そして物陰に隠れたメフィストが彼女に一撃をかます。その際のポイントは彼女を気絶させてもいいし捕縛させてもいい。ただし、傷つけてはいけない。
「大事なのは敵がが強大でとても強いと思わせることよ。過剰防衛は天使の反感を買う可能性があるしこちらの身も危うくするわ。それよりは私たちがとても強いと思わせて向こうに準備をさせましょう」
「なるほど悪魔は複数いて、ジブリルさん一人だと倒せないと思わせるってことか」
「そういう事。その隙に私はこの町から撤退する。シンプルで分かりやすいでしょう」
そう微笑む姿はとても魅力的だった。悪魔とはいえ人間を無闇に傷つけるわけではない。メフィストで既に実感している話なんだが、なんだか僕はこうもり猫さんのそんな姿勢に好感が持てた。
「オーケー、その作戦でいこう」
「話が早くて助かるわね、あなたは名前は?」
「夜森。夜森明人」
「オーケー、ヤモリ。貴方、見覚えがあるわね……前に地獄とかに住んでいたことある?」
「残念ながらそういうことはないなあ」
先祖が魔族大転生を遂げたとか、そういう話も聞いたことないし。
「どこかで会ったことあるような気がするのね……ま、いいわ。ちなみにこれから私たちは天使と戦うわけだけれども、一緒に戦った大丈夫なわけ?」
一応気になるのか聞いてきてくれる 。
確かに人間は悪魔にも天使にもなり得る存在だけれども、まあ一般的には天使側でいることが良い事をされている 。
ただそれは一般論だ。人間は別に皆一般論で動かされているわけではない。
「問題ない協力するよ」
「本当? メフィストが気になるんだったら別に気にしなくていいわよ。あの子そうそう簡単に死にはしないから」
「そうじゃぞ、妾は100万回殺されても死にはせん。よくある死ぬまで殺してやるみたいな敵の攻撃にも大体耐えてみせる」
強いなお前。
「いや、お荷物でなければ一緒に見届けさせてもらうよ。それにちょっとだけいざという時の奥の手も考えてあるんで」
「おおー本当か、ヤモリ。そんな無能力者なのに、知恵と策略で状況を切り抜けるキャラみたいなことができるのかや?」
「絶対バカにしてるだろお前」
なんだよ、僕だってやる時はやる男なんだよ 。
「世界は勝者が歴史を作るものね。素人も勝利した素人だけが語り継がれていく。その中で無双できるように見えているだけで、本当はそんなことないのよ。無数の失敗者の屍が地の底にあるの」
「いやそんな真面目に諭されても困るんだけど」
ま、まあ、いざという時のために取っといてくださいよ。ね、……ね?
と、僕が弱者なりに彼女たちを宥めていると、いきなりこうもり猫さんが怖そうな顔をしてビクンと反応した 。
「……!」
「どうしたんじゃ?」
「偵察に出していたコウモリ達が瞬殺されたわ」
「マジか」
「強いのう。並の魔物じゃ一撃か」
ジブリルさんそんな強いのか。
いつもおふざけな僕たちだけど、この時ばかりはシリアスモードになる。
「それじゃ、検討を祈るわよ」
そう言って、彼女は僕らを森に放り投げた。
どうでもいいですが今回の文章は音声入力で書いてます。(Google音声入力)
(句読点、誤字脱字の修正や改行は手ですけど)
最近の技術はスゴいですね。口が疲れたので当分やらないですが。




