↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/20

第九話

 教室は、思っていたよりうるさかった。


 別に悪い意味じゃない。


 入学式の前なんだから、こんなものだと思う。まだ誰が誰かも分からないのに、近くの席同士で名前を聞いたり、中学がどこだったか聞いたり、部活の話をしたりしている。


 私の前の席の子も、さっきからよく喋る子だった。


「武田さん、その髪かわいいね」


「ありがと」


「編んでるの自分で?」


「うん。慣れたらそんな時間かかんないよ」


「え、すご。私絶対無理」


 そう言って、女の子が笑った。


 私も少し笑う。


 話しやすい。


 別に、知らない人と話すのが嫌いなわけじゃない。


「色も綺麗だよね。染めてる?」


「これは染めてる」


「やっぱそうなんだ。めっちゃ似合ってる」


「ありがと」


 横の席の子も会話に入ってきた。


 その子が机に肘をついて、こっちを見る。


「チョーカーもかわいい」


「あ、これ?」


「うん」


 指で軽く触れる。


「普通に好きでつけてるだけ」


「いいな。うち、中学アクセ全部駄目だったからさ」


「私も駄目だったよ」


「じゃあ高校デビューじゃん」


「それは違う」


「えー?」


 また笑う。


 その時、後ろから男の声が入った。


「武田さんって、それ地毛じゃないんだ?」


 椅子を少し引いた。


 振り返る。


 男が一人、後ろの机に手をついていた。


 近い。


「違うけど」


「あ、そうなんだ。すげえ自然だから」


「そう」


 さっきまで喋っていた子が、ほんの少しこっちを見た。


 多分、声が変わったのが分かったんだと思う。


 男はそれ以上何も言わず、「そっか」とだけ返して、自分の席に戻った。


 机から手が離れる。


 そこでようやく、少し楽になった。


「……ごめん。嫌だった?」


 前の席の子が、小さい声で聞いてきた。


「何が?」


「今の」


「別に。あの人が悪いとかじゃないよ」


 ただ男だっただけ。


 それを言うのも面倒だから、言わない。


「そう?」


「うん」


 机を元の位置まで戻した。


 前の方では、また別の話題が始まっていた。


「ねえ、十一組すごくない?」


 その言葉だけで、何の話か大体分かった。


「あー、芸能の?」


「そうそう。なんかモデルの子とか俳優の子めっちゃいるらしいよ」


「知ってる子いた?」


「いるいる。ほら、去年ドラマ出てた——」


 名前がいくつか出る。


 聞いたことがある名前もあった。


 テレビを全然見ないわけじゃない。むしろ普通には見る。


 顔まで分かる人もいる。


「東江ジュンもいるんでしょ?」


「あ、それ聞いた」


 手元のスマホを触る指が止まった。


 まあ、そうなるよね。


 昨日の夜。


 玄関に立っていた女の子。


 長い明るい金髪。帰ってきたばかりなのに、立ち方が妙に綺麗だった。


 顔を見た瞬間には分かった。


 本物じゃん、とは思った。


「同じ学年なのすごくない?」


「十一組でしょ?」


「見に行きたい」


「やめなよ、普通に迷惑じゃない?」


「見るだけ見るだけ」


 教室のあちこちで似たような話をしている。


 多分、十一組は今日ずっとこんな感じなんだろう。


 ジュン本人は慣れてそうだけど。


「八組もやばいらしいよ」


 今度は少し離れたところから声がした。


 八組。


 耳に入る。


「陸上の一橋彩愛いるって」


 顔を上げそうになって、やめた。


 彩愛?


「誰?」


「え、知らない? 短距離の。全国めっちゃ上の子」


「あー、陸上やってる子が騒いでた」


「中学の時から速いやつでしょ?」


 ……あの彩愛?


 朝から走って、帰ってきたらリビングに物を置きっぱなしにして、長谷川と目玉焼きで揉めてた、あの?


「二番手とかじゃなかったっけ」


「そう。でも一位の子が化け物なんでしょ」


「何それ」


 彩愛の顔が浮かぶ。


 今朝も、こっちが起きるよりずっと前に外へ出ていた。


 戻ってきた時には、別に疲れた顔もしていなかった。


 そういうことなんだ。


 全国。


 知らなかった。


 いや、陸上を本気でやってるのは見れば分かる。


 分かるけど。


 そこまでとは思ってなかった。


「十組に赤間なおもいるよね」


 今度は別方向。


 また手が止まった。


 なおまで?


「美術の?」


「そう。なんか賞取ってる子」


「中学生のやつでしょ? 名前見たことある」


「絵うまい人ってああいう学校行くんだ」


 昨日、皿を持ちながら人の手ばっかり見てた子。


 ピアノの話になると、急に質問が細かくなる子。


 あれも外ではちゃんと名前が通ってるんだ。


 何なの、あの家。


 ジュンは分かる。


 見れば分かるし、知ってた。


 彩愛も、まあ陸上を見れば納得はできる。


 なおも……そう言われたら、あの観察の仕方は普通じゃない。


 それでも、変な感じだった。


 家では、ただ同じキッチンを使って、同じリビングにいる人たちなのに。


 学校に来たら、それぞれ別のところから名前が聞こえる。


「四組もいるじゃん」


 今度は、男子の声だった。


 さっきとは違う。


 少し遠い。


「誰?」


「長谷川鳴美」


 一瞬、本当に同姓同名かと思った。


「……マリノスの?」


「そう。ジュニアユース」


 目線だけ、そっちへ向ける。


 男子が三人くらいで話していた。


 一人はスポーツバッグを足元に置いている。


「え、マジ?」


「クラス表にあった」


「でもあいつ、ユース上がるやつじゃなかった?」


「怪我したって聞いた」


「年代別入ってたよな?」


「入ってた」


 年代別。


 何の、とは思わなかった。


 サッカーの話に決まってる。


 だから余計に意味が分からなかった。


 長谷川鳴美。


 左膝。


 去年の十月。


 サッカーをやっていた。


 手術は二月。


 そこまでは昨日聞いた。


 でも。


 マリノス。


 年代別代表。


 代表?


 あの長谷川が?


「なんで伊吹花なん?」


「それ俺も思った。しかも四組って普通科じゃん」


「スポーツ推薦じゃないってこと?」


「怪我したからじゃね?」


「いやでも、普通に受験したってこと?」


 話は勝手に続いていく。


 私はスマホを伏せた。


 別に聞きたいわけじゃない。


 聞こえるだけ。


 マリノスがどれくらいすごいのか、詳しくは知らない。


 でも名前くらいは知ってる。


 年代別代表なんて、もっと分かる。


 昨日まで私の中では、サッカーをやってた、膝を怪我した、妙に家事ができるクソガキだった。


 いや、今もそれは変わらない。


 変わらないはずなのに。


「あいつ、この学校でサッカーやるのかな」


「復帰したらじゃね?」


「部活入るなら普通に戦力どころじゃないだろ」


 ……あいつが?


 頭の中で、今朝の顔が浮かぶ。


 皿を拭きながら彩愛に何か言って、馬鹿みたいに笑ってた顔。


 どう考えても代表と繋がらない。


「武田さん?」


「ん?」


 前の子が振り返っていた。


「もう廊下並ぶって」


「あ、ごめん」


 周りを見る。


 いつの間にかみんな立ち始めていた。


 椅子を机の中へ押し込む。


 廊下へ出ると、隣の四組も同じように列を作っていた。


 人が多い。


 声も多い。


 靴底が床を擦る音。先生が前から何か言っている声。後ろで笑う男子。鞄を壁際へ寄せる音。


 少しだけ壁側に寄った。


 五組の列が整う。


 その向こう。


 四組。


 探すつもりはなかった。


 でもすぐ見つかった。


 長谷川は、男子と喋っていた。


 相手も同じくらいの背。


 何か言われて、長谷川が笑う。


 いつもの顔だった。


 家で皿を洗ってる時と同じ。


 全然、代表っぽくない。


 何が代表っぽいのかも知らないけど。


 隣の男子が、長谷川の肩を軽く叩いた。


 長谷川は普通に返して、また何か言う。


 すでに仲良くなってる。


 早。


 その時、長谷川がこっちを見た。


 目が合った。


 ほんの一瞬。


 私は先に前を向いた。


 別に何もない。


 ただ。


 さっきまで教室で聞いていた名前と、家で見ていた長谷川が、まだうまく同じ人にならなかった。


 *


 武田がこっち見てた。


 と思ったら、すぐ前向いた。


 何だ。


「長谷川」


「ん?」


「お前今、五組の方見てたろ」


 一個後ろに並んでる福山が、すぐ食いついてきた。


「見てた」


「誰?」


「同居人」


「は?」


 さっき聞いたくせに。


「だから、同じ家のやつ」


「今の?」


「今の」


「ピンクの髪の?」


「そう」


 福山が五組の方へ首を伸ばそうとする。


「見るなよ」


「いや見るだろ」


「本人にバレたら面倒だぞ」


「何で?」


「俺のこと嫌いだから」


「……あー」


 さっき教室でも、その話はした。


 俺が学校のシェアハウスに住んでること。


 住んでるのが俺以外全員女子なこと。


 そこまでは福山、かなり羨ましがってた。


 男が俺一人だと言った時なんか、普通に「死ね」って言われた。


 別に死ぬ気はない。


「でもさ」


「何」


「やっぱ羨ましいって」


「まだ言ってんのか」


「女子四人だろ?」


「そうだけど」


「いいじゃん」


「いいだろ」


「うっざ」


 福山が俺の背中を軽く小突いた。


 振り返らずに笑う。


「ざんねーん」


「腹立つわ、お前」


「知らん」


 前の列が少し詰まった。


 一歩だけ進む。


 左膝。


 問題なし。


 立ってるだけならどうでもいい。


 体育館まで階段もないし、このままでいい。


「でも、お前が思ってる感じではないぞ」


「何が」


「生活」


「そりゃ生活はするだろ」


「一人、リビングめちゃくちゃ散らかす」


 福山が少し黙った。


「……まあ」


「片付けてもまた散らかす」


「あー」


 声がちょっと落ちた。


「さっきの武田は、俺のこと普通に嫌い」


「それは聞いた」


「必要ない時は話しかけんなって言われてる」


「きつ」


「別に。話しかけなきゃいいだけだろ」


「いやまあ、そうだけど」


 福山の声が微妙になる。


 何がそんなに引っかかるのかはよく分からない。


 言われた通りにすればいいだけだ。


「あと一人、たまに人のことめちゃくちゃ見てる」


「何それ」


「知らん。絵描くやつだからじゃね」


「怖くない?」


「別に悪いやつじゃない」


「その説明、全然安心できん」


「そうか?」


「そうだろ」


 前で先生が「もう少し詰めて」と言った。


 一歩。


 福山も後ろからついてくる。


「もう一人は?」


「仕事であんまいない」


「仕事?」


「モデルとか俳優とか」


「は?」


「あれ、言ってなかったっけ」


「聞いてない」


「東江ジュン」


 一秒くらい無言。


「……東江ジュン?」


「うん」


「十一組の?」


「多分」


「多分って何だよ」


「今日クラス知ったし」


「いや、そうじゃなくて」


 福山が声を落とした。


「お前、東江ジュンと住んでんの?」


「そうだけど」


「マジで?」


「何回聞くんだよ」


「いや、それは聞くだろ!」


 前のやつが振り返った。


 福山が小さく「ごめん」と言う。


 俺はちょっと笑った。


「お前さあ」


「何」


「それ最初に言えよ」


「聞かれてない」


「女子四人って聞いた時点で言えよ!」


「なんでだよ」


「なんでって……」


 福山が言葉に詰まった。


 その顔がおもしろい。


「いいだろ」


「うわ、やっぱムカつく」


「ざんねーん」


「お前ほんと性格悪いな」


「今知った?」


「入学初日に知りたくなかったわ」


 また前が動く。


 列が少しずつ体育館の方へ進み始める。


 五組も同じ。


 横を見る。


 武田は女子二人と何か喋っていた。


 さっき教室にいた時もそうだったけど、普通に喋るんだな。


 相手の女子が何か言った。


 武田が笑った。


 へえ。


 家じゃほとんど見ない顔。


 でも別に不思議でもない。


 俺がいる時だけああなるってことは、やっぱ男子が駄目なんだろう。


 なら今まで通りでいい。


 必要な時だけ話す。


 近寄りすぎない。


 それで困ってない。


「長谷川」


「何」


「今また見てた」


「見てた」


「だから誰なんだよ」


「さっき言っただろ。武田」


「いや、めっちゃ普通に笑ってるじゃん」


「そうだな」


「お前ほんとに嫌われてんの?」


「多分」


「多分?」


「必要ない時話しかけんなって言われてるんだぜ?」


「それは嫌われてるな」


「だろ?」


 別に確認することでもない。


 福山が少し考える。


「でもお前、それで普通に同じ家住めんの?」


「住んでるけど」


「気まずくない?」


「別に」


「……へえ」


「何だよ」


「いや」


 福山が何か言いかけて、やめた。


 よく分からない。


 体育館の入口が近づく。


 靴のまま入るタイプらしい。


 床は滑りそうでもない。


 入口に段差もほとんどない。


 助かる。


 今の膝で困るほどじゃないけど、わざわざ余計な段差があるよりはない方がいい。


 列が止まった。


 前方から先生が何か指示してる。


 少し時間がかかりそうだ。


「てかさ」


 福山がまた話し始める。


「シェアハウスって風呂どうしてんの?」


「順番」


「決まってる?」


「完全には。被ったら話す」


「洗面所は?」


「朝は適当にずらしてる」


「飯は?」


「一緒の時もある」


「誰作るの?」


「俺が作る時もある」


「お前作れんの?」


「レシピ見れば」


「女子四人に飯作ってんの?」


「その言い方やめろ」


「いや事実じゃん」


「全員に毎日作ってるわけじゃねえよ」


「でも作る時あるんだろ?」


「ある」


 福山が黙った。


 また羨ましがるかと思った。


「……それは普通にだるくない?」


「何が?」


「五人分だろ?」


「作るなら量増えるだけだし」


「いや洗い物も増えるじゃん」


「食ったやつにやらせる」


「あ、それはやらせるんだ」


「当たり前だろ。何で俺が全部やるんだよ」


「そこは普通なんだな」


「何だと思ってんだ」


「なんか今、一瞬お母さんみたいだった」


「殴るぞ」


「はいはい」


 福山が笑う。


 列がまた動いた。


 体育館の中に入る。


 空気が少し変わる。


 広い。


 声が天井に上がって、少し遅れて返ってくる。


 クラスごとに椅子が並んでいた。


 前後の間隔はそんなに狭くない。


 座る時に膝をぶつけることもなさそうだ。


 左足を少し前に出して座る。


 問題なし。


 福山が隣に座った。


「なあ」


「まだあるのか」


「ある」


「何」


「女子の部屋とか入れる?」


「入らん」


「一回も?」


「用ないし」


「でも呼ばれたら?」


「呼ばれたら聞く」


「何を」


「入っていいか」


「……そこ聞くんだ」


「聞くだろ」


「まあ、そうか」


 福山が前を向いた。


 少し間が空く。


「着替えとかもあるもんな」


「あるだろ」


「風呂上がりとか」


「あるだろ」


「洗濯とか」


「あるだろ」


「……あー」


 さっきからこいつ、「あー」が増えてる。


「何だよ」


「いや」


「羨ましいんじゃなかったのか」


「羨ましいは羨ましい」


「どっちだよ」


「でも思ってたより面倒くさそう」


「だから言っただろ」


「いや、もっとこう……」


「何」


「青春みたいな」


「知らん」


「ラブコメみたいな」


「アホか」


「男一人女子四人で住んでるやつに言われたくねえよ」


「俺が決めたんじゃねえし」


「でも住んでんじゃん」


「他空いてなかったからな」


「それで入るのもすげえよ」


「向こうがいいって言ってんなら別によくね?」


 福山がこっちを見る。


「女子側が?」


「全員同意してるって学校から聞いた」


「ああ」


「じゃあいいだろ」


「……まあ」


 何か変な顔。


「何」


「いや、お前、そういう感じなんだなって」


「どういう感じ」


「分からん」


「じゃあ言うなよ」


「うるせ」


 前の方でざわつきが大きくなる。


 十一組が入ってきたらしい。


 何人か、普通に顔を知ってるやつがいる。


 テレビで見たことある。


 福山もそっちを見た。


「あ、東江ジュン」


「いるな」


「ほんとに同じ家なんだよな?」


「まだ疑ってんのか」


「いや、だって」


「本人に聞けば」


「無理に決まってんだろ」


「じゃあ信じろよ」


「お前は普通に喋れるの?」


「同居人だからな」


「ずる」


「知らん」


 十一組が座る。


 東江は遠くからでも目立つ。


 髪もそうだけど、何か座り方から違う。


 仕事してるやつってああなるのか。


 その少し前。


 八組。


 一橋もいる。


 もう隣のやつと話してる。


 朝から走って、学校来て、今から入学式。


 元気だな。


 十組の方は位置的に見えにくい。


 赤間は多分あの辺。


 五組は近い。


 武田はさっきと同じ女子の近くに座っていた。


 家では全員同じリビングにいた。


 同じテーブル使って、同じ冷蔵庫開けて、朝になったらそれぞれ勝手に出ていった。


 学校に来ると、思ったより遠い。


 四組。


 五組。


 八組。


 十組。


 十一組。


 そりゃそうか。


 別に、ずっと一緒にいるわけじゃない。


「長谷川」


「ん?」


「お前、知り合い多くね?」


「家のやつ見てただけ」


「それが多いんだよ」


「五人しかいねえぞ」


「十分だろ」


「そうか?」


 前で先生が立った。


 福山も口を閉じる。


 俺も前を向く。


 体育館の空気が少しずつ静かになる。


 左膝を軽く曲げ直す。


 問題なし。


 舞台の上に校旗がある。


 横に花。


 名前は知らない。


 入学式らしい。


 そのうち校長が出てきて、長い話をするんだろう。


 隣で福山が姿勢を直した。


 俺も背中を椅子から離す。


 ここから高校。


 別に何かが急に変わるわけじゃない。


 膝はまだ治りきってない。


 サッカーもまだできない。


 家に帰れば、多分一橋が何か散らかしてる。


 武田は必要ない時には話しかけない方がいい。


 赤間はまた変なところを見てるかもしれない。


 東江は仕事でいないかもしれない。


 それでも。


 学校には学校で、もう福山がいる。


 家には家で、あいつらがいる。


 前方で、入学式の開始を告げる声が響いた。


 まあ。


 悪くない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。