ep.6 悪意の断片
突然現れた異常個体のコープスに苦戦を強いられる朔夜は瀕死の所で澪に助けられる。腹からの出血は止まり体が軽くなっていた。
澪「止血だけじゃなく血液循環も活性化させました。動きやすいはずです!」
朔夜「サポート役を前線に出させちまうとは…俺もまだまだだな。助かった澪、あとは任せろ。」
コープスが投げたナイフを朔夜は避けようともしない。朔夜にナイフが刺さる寸前、雷がナイフを弾く。
雷を纏う帯電の力―――雷哭纏身が発動する。
刺殺のコープスは帯電する朔夜を見て投げるのを諦める。腕を生やし、六つのナイフを握って朔夜へと突撃する。
朔夜はナイフを避けて素手でコープスを殴り飛ばす。帯電の効果は攻撃でも発揮され、コープスは電撃の痛みで苦しむ。
コープスは体から発せられる生きたいという叫びを抑え込むかのように暴れる。
朔夜「そんなに苦しまなくてもすぐに倒してやるよ。"溜まった"んでね。」
朔夜は帯電しながら雷のエネルギーを溜めていたのだ。
朔夜「さぁ、出し惜しみなしだ―――最大出力天罰!!!」
先刻のものをはるかに超える威力の雷を落とす。刺殺のコープスは黒く焦げて地面に倒れていた。
朔夜「やっとかよ…。にしてもこいつ、強すぎるな。」
澪「そうね。最近はあまり殺人事件なんて聞かないけど…。」
ここで朔夜は戦闘中の違和感を思い出す。
朔夜「なぁ、澪。こいつ…執着が妙だった。戦ってて気づいたが、普通のコープスとは違うような…。」
コープスは執着の具現化であり、執着の強さがそのままコープスの強さになるようなものだった。
澪「まるで増幅させられたような…?」
ここで2人の脳裏に最悪の仮説がよぎる。
朔夜・澪「「まさか、人為的に作られたコープス…!?」」
2人は顔を見合わせる。
朔夜「いやいや、人工のコープスなんて聞いたことねーし…。」
澪「でも自然発生にしては強すぎたよ。」
朔夜「それはそう、だが…。」
2人の仮説が意味するのはまさしく最悪。突然攫い、監禁し、生きられる希望を見せて執着を強めたところで殺す。泣き叫び、助けを求める声すらも喜ぶ狂気的な犯人が頭に浮かんだ。
朔夜(もしそんなことをしてる奴がいるなら…厄介だな。)
―――とある研究所―――
???「あーあ、やられちゃった。でも、なかなかいい執着だった、か。」
血に濡れた椅子、鍵のかかった牢獄、そして悲鳴。机の上のカルテらしきものにはいろいろな死因が書かれていた。
???「やはり執着は美しい。次はどんなのを作ろうかな。」
研究所の一角で、薄く笑う人影があった。




